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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プログラム作成リファレンス COBOL言語編


はじめに

このマニュアルは,OpenTP1のアプリケーションプログラムで使える,専用のCOBOL-UAP作成用プログラムの文法について説明しています。OpenTP1のプログラムプロダクトを次に示します。

このマニュアルでは,アプリケーションプログラムの英略称を「ユーザが作成するアプリケーションプログラム」の意味で,UAPUser Application Program)と表記します。

本文中に記載されている製品のうち,このマニュアルの対象製品ではない製品については,OpenTP1 Version 7対応製品の発行時期をご確認ください。

次に示す製品,および各製品に示したバージョン以降で,ソケット受信型サーバに関する機能はすべて廃止しました。そのため,ユーザサービス定義とユーザサービスデフォルト定義のreceive_fromオペランドでsocketは使用できません。

なお,該当する機能を使用した場合の動作は保証できないため,ご注意ください。

〈はじめにの構成〉

■ 対象読者

TP1/Server Base,または TP1/LiNKで使うアプリケーションプログラム(UAP)を作成するプログラマの方々を対象としています。

オペレーティングシステム,オンラインシステム,使うマシンの操作,およびコーディングに使うCOBOL言語の文法の知識があることを前提としています。

このマニュアルは,マニュアル「OpenTP1 プログラム作成の手引」の知識があることを前提としていますので,あらかじめお読みいただくことをお勧めします。

■ 文法の記号

このマニュアルで使用する各種記号を説明します。

(1)文法記述記号

設定する項目の説明で使用する記号の一覧を示します。

文法記述記号

意味

〔  〕

きっ甲

この記号で囲まれている項目は,省略できることを示します。

(例) stbmake 〔-s〔スタブソースファイル名〕〕

-s スタブソースファイル名を省略できることを示します。

点線

記述が省略されていることを示します。この記号の直前に示された項目を繰り返し複数個指定できます。

(例) entry "プログラムID" 〔"プログラムID"…〕 ;

"プログラムID"を続けて指定できることを示します。

白三角

半角スペースを示します。

(2)属性表示記号

コマンドに指定する値の範囲の説明で使用する記号の一覧を示します。

属性表示記号

意味

この記号の前に示された項目が,記号 〜 に続く 〈 〉で示す規則に従って,値を指定することを示します。

〈 〉

項目を記述するときに従う構文要素を示します。

(3)構文要素

設定する項目の説明で使用する構文要素の一覧を示します。すべて半角文字で指定します。

構文要素

指 定 で き る 値

数字

0,1,2,3,4,5,6,7,8,9

英字

A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z,

a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,p,q,r,s,t,u,v,w,x,y,z,アンダスコア( _ )

英数字

数字,英字

記号

! # $ % & ’ ( ) * + - . / : ; < = > ? @ [ \ \ ] ^ _ ` { | } ~

パス名

/(スラント),英数字,および .(ピリオド)の並び

パス名は使用しているOSに依存します。

(4)データ領域に設定する値の条件

データ領域に設定する値の条件を示します。

設定する値

指定できる値の条件

サービスグループ名

31バイト以内のアスキー文字列で設定します。ただしヌル文字,空白,@(アットマーク),およびピリオドは除きます。

データ領域に設定するときは空白で終了させてください。この空白は文字列の長さには数えません。

サービス名

31バイト以内のアスキー文字列で設定します。ただしヌル文字,空白は除きます。

データ領域に設定するときは空白で終了させてください。この空白は文字列の長さには数えません。

物理ファイル名

スペシャルファイル名に14バイト以内の名称を続けたパス名で設定します。このパス名は63文字以内で設定してください。

論理ファイル名

1〜8バイト以内の,先頭が英字の英数字の名称で設定します。

■ X/Open発行のドキュメントの内容から引用した記述について

X/Open発行の「X/Open CAE Specification Distributed Transaction Processing : The XATMI Specification」の内容から引用した部分

このマニュアルの記述のうち,次に示す部分は,上記ドキュメントの「Chapter 7 COBOL Language Reference Manual Pages」の記述を,日本語訳したものです。

  • 4章 X/Openに準拠したアプリケーションプログラミングインタフェース

XATMIインタフェースのアプリケーションプログラミングインタフェース(TP〜)

X/Open発行の「X/Open CAE Specification Distributed Transaction Processing : The TX(Transaction Demarcation) Specification」の内容から引用した部分

このマニュアルの記述のうち,次に示す部分は,上記ドキュメントの「Chapter 6 COBOL Reference Manual Pages」の記述を,日本語訳したものです。

  • 4章 X/Openに準拠したアプリケーションプログラミングインタフェース

TXインタフェースのアプリケーションプログラミングインタフェース(TX〜)

■ 謝 辞

COBOL言語仕様は,CODASYL(the Conference on Data Systems Languages:データシステムズ言語協議会)によって,開発された。OpenTP1のアプリケーションプログラムのインタフェース仕様のうち,データ操作言語(DML Data Manipulation Language)の仕様は,CODASYL COBOL(1981)の通信節,RECEIVE文,SEND文,COMMIT文,及び ROLLBACK文を参考にし,それに日立製作所独自の解釈と仕様を追加して開発した。原開発者に対し謝意を表すとともに,CODASYLの要求に従って以下の謝辞を掲げる。なお,この文章は,COBOLの原仕様書「CODASYL COBOL JOURNAL OF DEVELOPMENT 1984」の謝辞の一部を再掲するものである。

いかなる組織であっても,COBOLの原仕様書とその仕様の全体又は一部分を複製すること,マニュアルその他の資料のための土台として原仕様書のアイデアを利用することは自由である。ただし,その場合には,その刊行物のまえがきの一部として,次の謝辞を掲載しなければならない。書評などに短い文章を引用するときは,"COBOL"という名称を示せば謝辞全体を掲載する必要はない。

COBOLは産業界の言語であり,特定の団体や組織の所有物ではない。

CODASYL COBOL委員会又は仕様変更の提案者は,このプログラミングシステムと言語の正確さや機能について,いかなる保証も与えない。さらに,それに関連する責任も負わない。

次に示す著作権表示付資料の著作者及び著作権者

FLOW-MATIC(Sperry Rand Corporationの商標),Programming for the Univac

(R)I and II,Data Automation Systems, Sperry Rand Corporation 著作権表示

1958年,1959年;

IBM Commercial Translator Form No.F 28-8013,IBM著作権表示1959年;

FACT,DSI 27A5260-2760,Minneapolis-Honeywell,著作権表示1960年

は,これら全体又は一部分をCOBOLの原仕様書中に利用することを許可した。この許可は,COBOL原仕様書をプログラミングマニュアルや類似の刊行物に複製したり,利用したりする場合にまで拡張される。

■ KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。

■ その他の前提条件

このマニュアルをお読みになる際のその他の前提情報については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。