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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プログラム作成リファレンス C言語編


はじめに

このマニュアルは,OpenTP1のアプリケーションプログラムで使える,専用のライブラリ関数の文法について説明しています。OpenTP1のプログラムプロダクトを次に示します。

このマニュアルでは,アプリケーションプログラムの英略称を「ユーザが作成するアプリケーションプログラム」の意味で,UAPUser Application Program)と表記します。

本文中に記載されている製品のうち,このマニュアルの対象製品ではない製品については,OpenTP1 Version 7対応製品の発行時期をご確認ください。

次に示す製品,および各製品に示したバージョン以降で,ソケット受信型サーバに関する機能はすべて廃止しました。そのため,ユーザサービス定義とユーザサービスデフォルト定義のreceive_fromオペランドでsocketは使用できません。

なお,該当する機能を使用した場合の動作は保証できないため,ご注意ください。

〈はじめにの構成〉

■ 対象読者

TP1/Server Base,またはTP1/LiNKで使うアプリケーションプログラムを作成するプログラマの方々を対象としています。

オペレーティングシステム,オンラインシステム,使うマシンの操作,およびコーディングに使うC言語(ANSI C,C++,またはK&R版 C)の文法の知識があることを前提としています。

このマニュアルは,マニュアル「OpenTP1 プログラム作成の手引」の知識があることを前提としていますので,あらかじめお読みいただくことをお勧めします。

■ 文法の記号

このマニュアルで使用する各種記号を説明します。

(1)文法記述記号

指定する値の説明で使用する記号の一覧を示します。

文法記述記号

意味

{  }

波括弧

この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを示します。

(例){DCMCFESI|DCMCFEMI}

DCMCFESIとDCMCFEMIの二つの項目のうち,どちらかを指定することを示します。

〔  〕

きっ甲

この記号で囲まれている項目は,省略できることを示します。

(例)〔"エントリポイント名"…〕

"エントリポイント名"…は省略できることを示します。

ストローク

一つの引数に複数の項目を指定するときに,項目同士の区切りを示します。この記号を項目との間に入れて指定してください。

(例){DCMCFESI|DCMCFEMI}〔|{DCMCFSEQ|DCMCFNSEQ}〕

DCMCFESIとDCMCFSEQを指定するときは,「DCMCFESI|DCMCFSEQ」と指定します。

_

下線

きっ甲〔 〕で囲まれた複数項目のうちで,きっ甲内のすべてを省略したときに,OpenTP1で仮定する標準値を示します。

(例)〔{DCMCFSEQ|DCMCFNSEQ}〕

DCMCFSEQ,DCMCFNSEQの両方とも省略した場合,DCMCFNSEQが仮定されます。

点線

記述が省略されていることを示します。この記号の直前に示された項目を繰り返し複数個指定できます。

(例) entry "エントリポイント名" 〔"エントリポイント名"…〕;

"エントリポイント名"を続けて指定できることを示します。

(2)属性表示記号

コマンドに指定する値の範囲の説明で使用する記号の一覧を示します。

属性表示記号

意味

この記号の前に示された項目が,記号 〜 に続く〈 〉で示す規則に従って,値を指定することを示します。

〈 〉

項目を記述するときに従う構文要素を示します。

(3)構文要素

説明で使用する構文要素の一覧を示します。すべて半角文字で指定します。

構文要素

指定できる値

数字

0,1,2,3,4,5,6,7,8,9

英字

A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z,

a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,p,q,r,s,t,u,v,w,x,y,z,アンダスコア( _ )

英数字

数字,英字

記号

! # $ % & ’ ( ) * + - . / : ; < = > ? @ [ \ \ ] ^ _ ` { | } ~

パス名

/(スラント),英数字,および.(ピリオド)の並び

パス名は使用しているOSに依存します。

(4)設定する値の条件

設定する値の条件を示します。

設定する値

指定できる値の条件

サービスグループ名

31バイトのアスキー文字列で設定します。ただしヌル文字,空白,ピリオド,および@(アットマーク)は除きます。

引数に設定するときはヌル文字で終了させてください。このヌル文字は文字列の長さには数えません。

サービス名

31バイトのアスキー文字列で設定します。ただしヌル文字,空白は除きます。

引数に設定するときはヌル文字で終了させてください。このヌル文字は文字列の長さには数えません。

物理ファイル名

スペシャルファイル名に14バイト以内の名称を続けたパス名で設定します。このパス名は63文字以内で設定してください。

論理ファイル名

1〜8バイト以内の,先頭が英字の英数字の名称で設定します。

■ X/Open発行のドキュメントの内容から引用した記述について

X/Open発行の「X/Open CAE Specification Distributed Transaction Processing : The XATMI Specification」の内容から引用した部分

このマニュアルの記述のうち,次に示す部分は,上記ドキュメントの「Chapter 5 C Reference Manual Pages」の記述を,日本語訳したものです。

  • 4章 X/Openに準拠したアプリケーションプログラミングインタフェース

XATMIインタフェースのアプリケーションプログラミングインタフェース(tp〜)

X/Open発行の「X/Open CAE Specification Distributed Transaction Processing : The TX(Transaction Demarcation) Specification」の内容から引用した部分

このマニュアルの記述のうち,次に示す部分は,上記ドキュメントの「Chapter 5 C Reference Manual Pages」の記述を,日本語訳したものです。

  • 4章 X/Openに準拠したアプリケーションプログラミングインタフェース

TXインタフェースのアプリケーションプログラミングインタフェース(tx_〜)

X/Open発行の「X/Open Preliminary Specification Distributed Transaction Processing : The TxRPC Specification」の内容から引用した部分

このマニュアルの記述のうち,次に示す部分は,上記ドキュメントの「Chapter 1 Introduction」「Chapter 2 Model and Definitions」「Chapter 3 Interface Overview」の記述内容の一部を,日本語訳して引用したものです。

  • 6章 X/Openに準拠したアプリケーション間通信(TxRPC)

■ KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。

■ その他の前提条件

このマニュアルをお読みになる際のその他の前提情報については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。