jnlls
形式
jnlls -j sys|cpd|jar|srf 〔-s サーバ名〕〔-r リソースグループ名〕 〔-g ファイルグループ名〕〔-d〕
機能
ジャーナル関係のファイルについての情報を標準出力に出力します。
オプション
●-j sys|cpd|jar|srf
情報を表示するジャーナル関係のファイルを指定します。
sys:システムジャーナルファイル
cpd:チェックポイントダンプファイル
jar:アーカイブジャーナルファイル
srf:OpenTP1ファイル化したサーバリカバリジャーナルファイル
cpd,またはsrfを指定した場合は,ジャーナルサービスが動作しているときだけコマンドを実行できます。
●-s サーバ名 〜〈1〜8文字の識別子〉
チェックポイントダンプファイルの情報を表示するとき,その対象となるサーバの名称を指定します。
このオプションの指定を省略すると,すべてのサーバの情報が出力されます。
-jオプションでcpd以外を指定している場合,-sオプションの指定は無視されます。
●-r リソースグループ名 〜〈1〜8文字の識別子〉
-jオプションでjarを指定している場合,情報を表示するファイルのリソースグループの名称を指定します。グローバルアーカイブジャーナルサービス定義の定義コマンドjnldfsv -aで指定したアーカイブジャーナルサービス定義の定義ファイル名を指定してください。
このオプションの指定を省略すると,すべてのリソースグループの情報が出力されます。
-jオプションでjar以外を指定している場合,-rオプションの指定は無視されます。
●-g ファイルグループ名 〜〈1〜8文字の識別子〉
システムジャーナルファイルの情報を表示するとき,特定のファイルグループの情報を表示する場合に指定します。
このオプションの指定を省略すると,すべてのファイルグループの情報が表示されます。
●-d
システムジャーナルファイル,アーカイブジャーナルファイル,またはチェックポイントダンプファイルの情報を表示するとき,要素ファイルの情報を表示する場合に指定します。
このオプションの指定を省略すると,要素ファイルの情報は表示されません。
-jオプションでsrfを指定している場合,-dオプションの指定は無視されます。
出力形式
●「jnlls -j sys -d」,または「jnlls -j jar -d」と指定した場合
- 注※
-
B系状態は,システムジャーナルファイルを二重化したときだけ表示されます。
-
1:ファイルグループ状態
-
2:要素ファイル状態
-
aaaaaaaa:ファイルグループ名
-
bbb:ファイル種別
-
sys…システムジャーナルファイル
-
jar…アーカイブジャーナルファイル
-
-
cccccccc:リソースグループ名(グローバルアーカイブジャーナルサービス定義で指定したアーカイブジャーナルサービス定義の定義ファイル名)
-
dddddddd:世代番号(16進数)
-
e:ファイルグループのオープン状態
-
o…オープン中(該当するファイルグループを構成する要素ファイルがオープンされています)
-
c…クローズ中(該当するファイルグループを構成する要素ファイルがクローズされています)
-
-
f:ファイルグループの状態
-
c…現用(ファイルグループが有効な要素ファイルで構成されていて,現時点でジャーナルの出力対象となっています)
-
s…待機中(ファイルグループが有効な要素ファイルで構成されているが,現時点でジャーナルの出力対象になっていません)
-
n…予約(ファイルグループが有効な要素ファイルで構成されていません)
-
-
g:ファイルグループのアンロード状態※1
-
u…アンロード待ち(過去に現用として使用されていて,スワップされて現用でなくなり,アンロードしなければならないジャーナルを含んでいます)
-
-…アンロード済み
-
-
h:ファイルグループが上書きできるか,できないかの状態
-
d…上書きできません(システムの回復に必要なジャーナルを含んでいます)
-
-…上書きできます(システムの回復に必要なジャーナルを含んでいません)
-
-
i:ファイルグループのOpenTP1での状態
-
b…jnlunlfg,jnlchgfgコマンドで使用中,または回復処理で使用中の状態です
-
-…jnlunlfg,jnlchgfgコマンドで使用中,または回復処理で使用中でない状態です
-
-
j:ファイルグループの不整合状態
-
c…過去に現用として使われていたときに,何らかの障害が発生してジャーナルファイル内の管理情報が現用のままとなっている要素ファイルがあります。例えば現用中にジャーナルの出力障害が発生したファイルグループなどです。
-
-…過去に現用として使用され,正しく処理されているファイルです
-
-
k:ファイルグループのアーカイブ済み状態※1
-
u…アーカイブ待ち。マルチノード機能を使用していて,該当するファイルグループの中にアーカイブジャーナルファイルに出力されていないジャーナルを含んでいます。
-
-…アーカイブ済み
-
-
llllllll:ランID(ファイルが使用されたときのジャーナルサービス,またはグローバルアーカイブジャーナルサービスのランID。16進数)
-
mmmmmmmm:先頭ブロック番号(16進数)
-
nnnnnnnn:最終ブロック番号(16進数)
-
oooooooo:要素ファイル名
-
p:要素ファイルのオープン状態
-
o…オープン状態(該当する要素ファイルを構成する物理ファイルがオープンされています)
-
c…クローズ状態(該当する要素ファイルを構成する物理ファイルがクローズされています)
-
-
q:要素ファイルが使用できるかどうかの状態
-
n…要素ファイルが,オンラインで使用できる物理ファイルで構成されていません
-
u…要素ファイルが,オンラインで使用できる物理ファイルで構成されています
-
-
r:要素ファイルのアンロード状態※2
-
u…アンロード待ち(アンロードしなければならないジャーナルを含んでいます)
-
-…アンロード済み
-
-
s:要素ファイルのアーカイブ済み状態※1
-
u…アーカイブ待ち。マルチノード機能を使用していて,該当する要素ファイルの中にアーカイブジャーナルファイルに出力されていないジャーナルを含んでいます
-
-…アーカイブ済み
-
-
t:要素ファイルの閉塞状態
-
h…閉塞中(該当する要素ファイルを構成する物理ファイルに対するジャーナルの出力,またはジャーナルファイルヘッダの入出力で障害が発生し,以後ジャーナルを出力していない物理ファイルを含む要素ファイルです)
-
-…閉塞中ではありません(正常な要素ファイルです)
-
-
u:要素ファイルが読み込める,または読み込めない状態
-
r…該当する要素ファイルを構成する物理ファイルが読み込めない状態です(全面回復,部分回復しようとしても,ジャーナルが消去(初期化)されていて読み込めません。システムジャーナルファイルに障害が発生し,障害の要因を取り除いたあと,物理ファイルを再作成してオープンした場合,この状態になります)
-
-…該当する要素ファイルを構成する物理ファイルが読み込める状態です
-
-
vvvvvvvv:該当するファイルでの使用済みレコード数(16進表示)※3,※4
ジャーナルを出力したOpenTP1ファイルシステム上のレコード数です
-
wwwwwwww:該当するファイル内の全レコード数(16進表示)※4,※5
ジャーナルを出力できるOpenTP1ファイルシステム上のレコード数です
-
A:物理ファイルのオープン状態
-
o…オープン中(ジャーナルサービスが該当する物理ファイルをオープンしています)
-
c…クローズ中(ジャーナルサービスが該当する物理ファイルをオープンしていません)
-
-
B:物理ファイルの状態
-
c…現用(ファイルグループの状態が現用のときは,実際にジャーナルの出力対象になっていることを示します。ファイルグループの状態が現用でないときは,過去に現用だったときに障害が発生し,回復されていないためにジャーナルファイルヘッダにステータスが残っている状態です。jnlunlfg,jnlchgfgコマンドで状態を回復するか,またはjnlinitコマンドで初期設定しないと再使用できません)
-
s…待機
-
-
C:物理ファイルのアンロード状態※2
-
u…アンロード待ち(該当する物理ファイルに,アンロードしなければならないジャーナルがあります)
-
-…アンロード済み(該当する物理ファイルには,アンロードしなければならないジャーナルがありません)
-
-
D:物理ファイルのアーカイブ済み状態※1
-
u…アーカイブ待ち。マルチノード機能を使用していて,該当する物理ファイルの中にアーカイブジャーナルファイルに出力されていないジャーナルを含んでいます
-
-…アーカイブ済み
-
-
E:物理ファイルの閉塞状態
-
h…閉塞中(ジャーナルの出力,またはジャーナルファイルヘッダの入出力で障害が発生し,以後ジャーナルを出力していません)
-
-…閉塞中ではありません(ジャーナルを出力できます)
-
-
F:物理ファイルが読み込める状態かどうか
-
r…読み込めない状態(全面回復,部分回復しようとしても,ジャーナルが消去(初期化)されていて,読み込めません。システムジャーナルファイルに障害が発生し,障害の要因を取り除いたあと,物理ファイルを再作成してオープンしたような場合,この状態になります)
-
-…読み込める状態です
-
- 注※1
-
該当するファイルグループが次の場合には,必ず'u'が表示されます。
-
マルチノード機能を使用していないシステムジャーナルファイル
-
アーカイブジャーナルファイル
マルチノード機能を使用していて,ファイルグループのアーカイブ済み状態に'-'(アーカイブ済み)が表示された場合,要素ファイルと物理ファイルのアーカイブ済み状態に'u'(アーカイブ待ち)が表示されても,アーカイブされません。状態が不一致になるのは,物理ファイルに障害が発生して,状態が書き換えられなかったためです。
-
- 注※2
-
ファイルグループのアンロード状態がアンロード済みの場合は,要素ファイル,物理ファイルのアンロード状態がアンロード待ちであってもjnlunlfg,jnlchgfgコマンドを実行する必要はありません。ステータスが不一致になるのは,jnlunlfg,jnlchgfgコマンド実行時に障害が発生し,ステータスが書き換えられていないためです。
- 注※3
-
0が表示されているときは,ジャーナルが1件も出力されていない場合です。全面回復完了後,現用以外の状態の場合,使用済みレコード数の内容が正しくなくなることがあります。
- 注※4
-
1レコードとは,ジャーナルサービス,またはグローバルアーカイブジャーナルサービスで管理するOpenTP1ファイルシステム上の4,096バイトのエリアのことです。
- 注※5
-
ファイル内の全レコード数はジャーナルサービス,またはグローバルアーカイブジャーナルサービスがジャーナルブロックを出力できるOpenTP1ファイルのレコード数であり,jnlinitコマンドの-nオプションで指定したレコード数−4です。
●「jnlls -j cpd」と指定した場合
-
aaaaaaaa:サーバ名
-
bbbbbbbb:ファイルグループ名
-
cccccccc:世代番号(16進数)
-
d:世代状態
-
a…上書きできない状態
-
u…上書きできる,または書き込み中の状態
-
r…予約の状態
-
-
eeeeeeee:オーバライトポインタのジャーナルファイルグループ名
-
ffffffff:オーバライトポインタのジャーナルブロック番号(16進数)
●「jnlls -j cpd -d」と指定した場合
aaaaaaaa〜ffffffffについては,「「jnlls -j cpd」と指定した場合」と同じです。
-
g:A系,またはB系のファイル状態
-
o…オープン中
-
c…クローズ中
-
h…障害閉塞中
-
-…物理ファイルの割り当てなし
-
●「jnlls -j srf」と指定した場合
-
aaaaaaaa:サーバ名
-
bbbbbbbbbbbbbbb:ファイル名(チェックポイントダンプサービス定義で指定したサーバリカバリジャーナルファイルのファイルグループ名)
-
ccccc:サーバリカバリジャーナルファイルのブロック数
-
ddd:ファイルの使用率(jnlinitコマンドで初期設定したファイルのサイズに対する,OpenTP1ファイル化したサーバリカバリジャーナルの割合)
出力メッセージ
メッセージID |
内容 |
出力先 |
---|---|---|
KFCA01141-E |
実行環境がジャーナルファイルレスモードのため,コマンドを実行できません |
標準エラー出力 |
KFCA01280-E |
jnllsコマンドの処理が失敗しました |
標準エラー出力 |
KFCA01281-E |
jnllsコマンドの入力形式が誤っています |
標準エラー出力 |
KFCA01282-E |
指定したものが見つかりません |
標準エラー出力 |
KFCA02128-E |
指定したサーバ名が誤っています |
標準エラー出力 |
KFCA02130-E |
-sオプションの指定が誤っています |
標準エラー出力 |
KFCA02132-E |
障害が発生してjnllsコマンドの処理を中止しました |
標準エラー出力 |
KFCA02171-E |
作業領域が確保できません |
標準エラー出力 |
KFCA02172-I |
表示するチェックポイントダンプファイルの情報がありません |
標準エラー出力 |
KFCA01291-I |
ヘルプメッセージ |
標準出力, 標準エラー出力 |
注意事項
-
ファイルグループの状態を変更中(スワップ中,またはファイルグループを操作する運用コマンドの処理中など)にjnllsコマンドを入力すると,正しい状態が表示されないことがあります。
-
システムジャーナルサービス定義で,jnl_unload_check=Nを指定している場合は,ファイルグループはアンロード済み状態でなくてもスワップ先のファイルグループとして使用できます。
-
jnllsコマンドはOpenTP1が動作中の場合,共用メモリ上のジャーナル管理情報を基にファイル情報の表示をしています。しかし,OpenTP1が停止しているときは,共用メモリ上のジャーナル管理情報がないので,物理ファイルを読み込んでファイル情報を表示します。このため,OpenTP1の停止中に,jnllsコマンドを実行してもOpenTP1がオンラインで管理する情報は表示されません。
-
システムジャーナルファイルとアーカイブジャーナルファイルは,OpenTP1の動作中と停止中では,表示内容が異なります。OpenTP1の状態と表示内容の関係を次に示します。
表示項目
OpenTP1の状態
表示内容
表示記号
動作中
停止中
ファイルグループ名
aaaaaaaa
○
○
ファイル種別
bbb
○
○
リソースグループ名
cccccccc
○
○
世代番号
dddddddd
○
○
ファイルグループに関する表示項目
オープン状態
e
○
×
使用状況
f
○
△※1
アンロード状態
g
○
○
上書きの可否
h
○
×
OpenTP1での状態
i
○
×
不整合状態
j
○
○
アーカイブ済み状態
k
○
○
ランID
llllllll
○
○
先頭ブロック番号
mmmmmmmm
○
○
最終ブロック番号
nnnnnnnn
○
△※2
要素ファイルに関する表示項目
要素ファイル名
oooooooo
○
○
オープン状態
p
○
×
使用状況
q
○
×
アンロード状態
r
○
○
アーカイブ済み状態
s
○
○
閉塞状態
t
○
×
読み込みの可否
u
○
○
使用済みレコード数
vvvvvvvv
○
×
ファイル内の全レコード数
wwwwwwww
○
○
物理ファイルに関する表示項目
オープン状態
A
○
×
使用状況
B
○
○
アンロード状態
C
○
○
アーカイブ済み状態
D
○
○
閉塞状態
E
○
×
読み込みの可否
F
○
○
-
jnllsコマンドは,OpenTP1の停止中の場合は,物理ファイルを読み込んでジャーナル状態を表示します。どの物理ファイルを読み込むかは,ジャーナル関係の定義ファイルを解析して決定します。このため,次に示す定義は変更しないでください。
-
ジャーナルサービス定義
-
システムジャーナルサービス定義
-
グローバルアーカイブジャーナルサービス定義
-
アーカイブジャーナルサービス定義
定義を変更した場合,結果は保証できません。ただし,再開始時に変更できる定義を変更することはできます。
-
-
OpenTP1の停止中に,次に示すジャーナルファイルを表示する場合は,注意してください。
-
システムジャーナルファイル,アーカイブジャーナルファイルの場合
OpenTP1が停止している場合は,ジャーナル関係の定義ファイルと物理ファイルを読み込んで,ファイル情報を表示します。このため,jnllsコマンドはOpenTP1管理者が実行してください。
-
チェックポイントダンプファイル,OpenTP1ファイル化したサーバリカバリジャーナルファイルの場合
OpenTP1が停止している場合に,jnllsコマンドを実行するとコマンドエラーになります。
-
-
OpenTP1停止直後には,jnllsコマンドを入力しないでください。コマンドが中断するおそれがあります。