dcstart
形式
dcstart 〔-ngUb〕
機能
計算機内のOpenTP1を正常開始,または再開始します。
オプション
●-n
前回の終了モードに関係なく,OpenTP1を強制的に正常開始します。
このオプションの指定を省略すると,前回の終了モードの指定内容から開始モードが決定されます。前回の終了モードが正常終了の場合は,正常開始します。正常終了以外の場合は,前回の処理内容を引き継ぐために,再開始します。
●-g
ユーザサーバの開始に失敗したとき,およびOpenTP1を強制的に正常開始するときのオペレータへの問い合わせを抑止します。
●-U
このオプションを指定した場合,リラン時にユーザサーバを起動しません。このオプションは,障害が発生し,OpenTP1の状態を回復するためにOpenTP1をオンラインにして作業する必要はあるが,ユーザサーバは起動する必要がない場合などに使用してください。
このオプションは,系切り替え構成の場合の,待機系OpenTP1の開始にも使用できます。これによって,待機系OpenTP1を,実行系OpenTP1の未決着トランザクションの決着,データベースの整合性の管理などの後処理に使用できます。このオプションを使用して待機系OpenTP1を開始する運用については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。
●-b
MCF構成変更準備停止でOpenTP1を停止したあと,MCF構成変更再開始ではなく強制的に再開始します。
詳細については,「5.10.3(2) MCF構成変更再開始機能によるOpenTP1の再開始」を参照してください。
注意事項
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dcstartコマンドを,バックグラウンドで実行する場合は,-gオプションを指定してください。
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dcstart -Uオプションを使用する場合には,次のことに注意してください。
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正常開始では-Uオプションは無視されます。
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ジャーナルアーカイブノードで指定してもオプションは無視されます。
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オンライン開始後に,このオプションでユーザサーバを起動したい場合には,dcsvstartを使用してください。
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オンライン開始後に,このオプションでユーザサーバの構成を回復したい場合には,正常終了および強制正常終了以外でシステムを停止し,dcstartで-Uオプションを付けないでオンラインを起動してください。
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リラン時に,ディスクキューのITQにメッセージが残っている場合,該当APが開始されていないためメッセージは廃棄されます。このとき,ERREVT2を処理するAPも開始されていないため,ERREVT2も通知されません。また,ユーザサーバでアプリケーションプログラムを起動し,そのメッセージがディスクキューのITQまたはOTQに残っている場合も同様です。
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前回のオンラインでリモートAPI機能を使用したあとのリランの際にこのオプションを指定した場合,リモートAPIの構成回復まではしません。このオプションを指定したあとにリモートAPI機能を使用したい場合は,オンライン開始後,dcsvstartコマンドでrapリスナーを手動で起動するか,いったん,正常終了および強制正常終了以外でシステムを停止してからdcstartで-Uオプションを付けないでオンラインを起動してください。
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OSI TPを使ったクライアント/サーバ形態で通信する場合の通信イベント処理用SPPもUAPと見なされます。通信イベント処理用SPPをOpenTP1の開始と同時に開始するように設定してあるときこの機能を使用すると,通信イベント処理用SPPが開始されないで,アソシエーションの障害検知や再接続ができなくなります。これを回避したい場合は,-UオプションでOpenTP1開始後に必ず通信イベント処理用SPPを開始させてください。
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サーバ閉塞引き継ぎ機能を使用すると,次の問題が発生します。
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スケジュールの閉塞状態は,dcstart -Uでリランしたオンラインでは引き継がれません。
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スケジュール閉塞状態のSPPが存在し,かつdcstart -Uでリランしたオンラインを,いったん計画停止または強制停止してから再度dcstartを使用して起動した場合,dcstart -U以前のオンラインのスケジュール閉塞状態がSPPに引き継がれてしまいます。dcstart -U以前のオンラインのスケジュール閉塞状態が引き継がれないようにするには,次のような対策が必要です。
・dcstart -Uでリランしたオンラインは,正常停止するかまたは強制正常開始する。
・全ユーザサービス定義にhold_recovery=Nを指定する。
・スケジュールサービス定義にscd_hold_recovery_count=0を指定する。
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通信できないIPアドレス,または通信できないIPアドレスに変換されるホスト名を,システムサービス定義のall_nodeオペランドに指定した場合,OpenTP1の起動に時間が掛かることがあります。詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。
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dcstartコマンドをOSコマンドで強制停止させた場合,OpenTP1が異常終了することがあります。
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dcstartコマンドでOpenTP1を起動する場合,プロセスサーバにOpenTP1の起動開始が通知されます。プロセスサーバへの起動通知に失敗すると,dcstartコマンドの機能によって,自動的に起動通知をリトライします。
この起動通知をリトライする機能を使用した場合,起動通知に失敗したとき,KFCA01801-Eメッセージ,またはKFCA01861-Eメッセージを出力し,起動通知のリトライ処理をします。
起動通知をリトライするために使用する定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。
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dcstartコマンドを実行してOpenTP1を起動する際に,次に示すメッセージが出力されることがあります。
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KFCA01801-Eメッセージ(要因:SETUPまたはPAUSE)
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KFCA01861-Eメッセージ(要因:COMMUNICATIONまたはTIMEOUT)
この場合は,次に示す方法で対処してください。
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dcstartコマンドを再実行する
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システム共通定義のdcstart_wakeup_retry_countオペランドおよびdcstart_wakeup_retry_intervalオペランドで,OpenTP1の起動をリトライする回数や間隔を指定する
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OpenTP1が強制終了または異常終了後,OpenTP1を強制正常開始し,起動処理中に前回のオンラインで現用として使用していたジャーナルファイルを現用に割り当てようとしたときに,そのファイルグループをクローズし,次のファイルグループを現用として割り当てます。
クローズされたジャーナルファイルは,jnlunlfgコマンドまたはjnlchgfgコマンドでファイルグループのステータスを変更後,jnlopnfgコマンドを実行するまで使用できません。