10.2.5 チェックポイントダンプファイル
- 〈この項の構成〉
(1) オンライン中
(a) 物理ファイルの再作成
チェックポイントダンプを書き込み時に障害が発生した場合,OpenTP1はメッセージログファイルにメッセージを出力し,障害が発生したファイルグループをクローズして予約のファイルグループにしたあと,上書きできる状態のファイルグループの中から出力先を選び直して,再びチェックポイントダンプを出力します。
ユーザは,該当するファイルグループが予約に変更されない場合に限って,jnlclsfgコマンドで障害が発生したファイルグループをクローズして予約のファイルグループにしてください。
jnlclsfgコマンドで予約にしたファイルグループは,次の手順で上書きできるファイルグループにすることができます。
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ファイルグループをjnlrmコマンドで削除します。
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ファイルグループをjnlinitコマンドで再び作成します。
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作成したファイルグループをjnlopnfgコマンドでオープンします。
(b) 物理ファイルの再割り当て
オンライン中にjnladdpfコマンドで割り当てた物理ファイルに障害が発生した場合,別の物理ファイルを割り当てます。
二重化の運用の場合は,A系またはB系のどちらかの系だけを操作して,別の物理ファイルを割り当てられます。ただし,そのファイルグループはいったん予約状態になるので,両系とも物理ファイルの内容は無効になります。また,片系が切り離された状態では,ファイルグループは使用できません。
手順を次に示します。
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障害が発生したファイルグループをクローズします。
jnlclsfgコマンドでファイルグループをクローズして,予約状態にしてください。
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物理ファイルを削除します。
jnldelpfコマンドでファイルグループから障害が発生した物理ファイルを削除します。
A系,B系を指定できます。
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別の物理ファイルを割り当てます。
jnladdpfコマンドで正常な物理ファイルを割り当てます。A系,B系を指定できます。
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ファイルグループをオープンします。
jnlopnfgコマンドでファイルグループをオープンし,上書きできる状態にします。
(c) 片系の再作成
片系運転可の二重化運用時に,チェックポイントダンプファイルの片系障害が発生した場合は,障害の発生した系を再作成して両系を使用可能にできます。片系の再作成は,上書きできる状態のファイルグループだけ実行できます。
手順を次に示します。
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障害が発生した系をクローズします。
jnlclsfgコマンドで障害の系をクローズしてください。すでにクローズしている場合に実行すると,コマンドエラーになります。
なお,正常な系にjnlclsfgコマンドを実行してはなりません。実行すると,物理ファイルの内容が無効になります。
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障害の系を削除します。
jnlrmコマンドで障害の系の物理ファイルを削除します。
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物理ファイルを再作成します。
jnlinitコマンドで障害の系に割り当てる物理ファイルを再度初期設定してください。
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物理ファイルをオープンします。
jnlopnfgコマンドで再作成した物理ファイルをオープンします。
(2) 再開始時
OpenTP1を再開始すると,前回のOpenTP1でオープン中であったすべてのファイルグループをオープンします。
(a) チェックポイントダンプファイルを二重化していない場合
オープンできなかったファイルグループ,および前回のオンラインで予約だったファイルグループは予約となります。
(b) チェックポイントダンプファイルを二重化している場合
- A系,またはB系どちらかのファイルがオープンできなかった場合
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片系運転可の運用の場合,正常な系をオープンして処理を続行します。ただし,片系運転不可の運用の場合,読み込みが完了したあと,または上書きできない状態から上書きできる状態になった時に,ファイルグループは予約状態になります。
- A系,B系のファイルが両方ともオープンできた場合
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A系から読み込んで回復します。
片系運転可の運用でA系からの読み込みに失敗した場合は,B系から読み込みます。片系運転不可の運用でA系からの読み込みに失敗した場合は,B系から読み込んだあと(上書きできない状態のときは,上書きできる状態になったあと)にファイルグループは予約状態になります。
回復に必要なチェックポイントダンプファイルが,オープンエラーなどで読み込めない場合,OpenTP1はメッセージログファイルにメッセージを出力し,できるかぎりチェックポイントダンプの読み込みを続行します。
なお,再開始時にチェックポイントダンプサービス定義の追加,変更,削除はできません。