6.1.6 トランザクションの回復待ち合わせ(Oracle9i RAC機能使用時)
Oracle9i RAC※機能を使用した場合,異常終了時には,障害が発生した運用系サーバから,待機系サーバへインダウトトランザクション(未決着トランザクション情報)が転送されます。このとき,インダウトトランザクションの転送処理に時間が掛かると,Oracle9iの仕様上,OpenTP1とOracle9iの間でトランザクション決着種別が不一致になることがあります。
このため,インダウトトランザクションの転送処理を行っている間,OpenTP1のトランザクション回復処理を待ち合わせることで,トランザクションの決着種別の不一致を回避します。
- 注※
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RACとは,Real Application Clustersの略で,共有ディスクにある一つのデータベースを複数ノードで共用して処理するクラスタシステムのことです。
(1) 使用方法
Oracle9i RAC機能を使用する場合には,トランザクションサービス定義のtrnstring定義コマンドで-rオプションを指定し,OpenTP1のトランザクションの回復を待ち合わせます。なお,trnstring定義コマンドの-rオプションを有効にするには,オープン文字列に"OPS_FAILOVER=T"を指定する必要があります。
trnstring定義コマンドの-rオプションを指定する場合,リソースマネジャからの応答を待ち合わせるので,トランザクション回復プロセスが占有されます。したがって,トランザクション並行回復プロセス数(trn_recovery_process_countオペランドの指定値)をtrnstring定義コマンドの-rオプションで指定したリソースマネジャ数分増やしてください。トランザクション並行回復プロセス数を増やさなかった場合には,トランザクション回復処理に影響を及ぼすことがあります。
(2) 注意事項
トランザクションの回復処理を待ち合わせた場合に,開始処理中,またはオンライン処理中にリソースマネジャに障害が発生すると,そのリソースマネジャが参加したトランザクションの該当リソースマネジャの障害が回復されるまで,トランザクション回復処理が遅れます。
トランザクションサービス定義に指定するtrnstring定義コマンドの-rオプションは再開始時に変更,または削除できます。詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」のシステムサービス定義や,再開始時に変更できる定義についての説明を参照してください。