dcsetup
形式
dcsetup {〔-j〕| -d〔-y|-n〕} OpenTP1ディレクトリ
機能
指定したOpenTP1ディレクトリにあるOpenTP1をOSに登録し,OpenTP1の一部をOSとともに開始,または終了します。
dcsetupコマンド実行環境に設定されていた次の環境変数は,OpenTP1で使用される環境変数としてOSに設定されます。
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LANG
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TZ
ただし,システム定義のputenv形式で環境変数LANGまたはTZが設定されていた場合,そのオペランドが有効になった時点で上書きされます。また,ログサービス定義にputenv形式で環境変数TZを設定する場合,dcsetupコマンド実行環境に設定されているタイムゾーンと一致させてください。一致していない場合,syslogの時刻が正しく出力されません。
また,OpenTP1をOSから削除します。削除はOpenTP1を終了してから実行してください。
dcsetupコマンドは,スーパユーザだけが実行できます。
dcsetupコマンドの入力結果および出力結果は,syslogに出力されるメッセージKFCA01895-IまたはKFCA01896-Iに示します。
オプション
●-j
dcsetupコマンド実行時に,インストールされているOpenTP1提供のリソースマネジャを登録しません。
システム共通定義のjnl_fileless_optionオペランドにYを指定している場合は,このオプションを指定してOpenTP1をセットアップしてください。
●-d
指定したOpenTP1ディレクトリにあるOpenTP1をOSから削除します。
このオプションの指定を省略すると,指定したOpenTP1ディレクトリにあるOpenTP1がOSに登録されます。
-yオプション,または-nオプションの指定を省略している場合,このオプションを指定してコマンドを実行すると,OpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除するかどうか,オペレータへの問い合わせが実行されます。
この問い合わせに対しyを指定すると,OpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除します。nを指定すると,OpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除しません。
コマンド実行時の問い合わせを抑止したい場合は,-yオプション,または-nオプションを指定してコマンドを実行してください。
●-y
指定したOpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除するかどうかのオペレータへの問い合わせを抑止できます。このオプションを指定すると,指定したOpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除します。
●-n
指定したOpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除するかどうかのオペレータへの問い合わせを抑止できます。このオプションを指定すると,指定したOpenTP1ディレクトリにある実行に必要なファイルを削除しません。
コマンド引数
●OpenTP1ディレクトリ 〜〈パス名〉
OpenTP1ディレクトリを指定します。50文字以内で指定してください。
マルチOpenTP1作成時には,OpenTP1ごとに指定します。
注意事項
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dcsetupコマンドは,セットアップ先のOpenTP1が停止している場合にだけ実行できます。
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OpenTP1が開始中,停止中またはオンライン中にdcsetupコマンドを実行すると,システムダウンします。
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OpenTP1ディレクトリにシンボリックリンクは使用できません。
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dcsetupコマンド実行時に行われるコンパイル処理では,Cコンパイラを次の順序で検索します。
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/bin/ccおよび/lib/ccom
/bin/ccと/lib/ccomの両方が必要です。
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/usr/bin/cc
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/usr/vac/bin/cc
上記の検索順序でCコンパイラが見つからない場合には,dcsetupコマンドを実行するプロセスの環境変数PATHの指定値に従います。
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Linux以外のOSで使用する場合,次のことに注意してください。
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$DCDIR/conf/inittab下に,inittabX(Xは1〜3の通番)という名称のファイルをバックアップ用に退避します。
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dcsetupコマンド実行中は,/etc/inittabをエディタなどで編集しないでください。編集すると,/etc/inittabが破壊されるおそれがあります。
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dcsetupコマンドをkillコマンドなどで中断しないでください。コマンドの処理を中断すると,/etc/inittabが破壊されるおそれがあります。
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dcsetupコマンドは,/tmpおよび/etcにテンポラリファイルを作成します。テンポラリファイルの作成に失敗すると,/etc/inittabが破壊されるおそれがあります。このコマンドを実行するときは,/tmpおよび/etcに十分な空き容量があることを確認してください。
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dcsetupコマンドを実行すると,dcsetupコマンドで指定したOpenTP1ディレクトリを含む文字列を,登録時は/etc/inittabの最終行に追加し,削除時は/etc/inittabから削除します。そのため,OSから削除したあとに再登録すると,登録順序が変わるおそれがあります。登録順序が変わった場合は,OS起動時のプロセス起動順序も変わるため,注意してください。
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Red Hat Enterprise Linux Server 6以降で使用する場合,次のことに注意してください。
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dcsetupコマンド実行中は,/etc/iniディレクトリ下のOpenTP1制御ファイルをエディタなどで編集しないでください。編集すると,/etc/iniディレクトリ下のOpenTP1制御ファイルが破壊されるおそれがあります。
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dcsetupコマンドをkillなどで中断しないでください。コマンドの処理を中断すると,/etc/iniディレクトリ下のOpenTP1制御ファイルが破壊されるおそれがあります。
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dcsetupコマンドは,/tmpおよび/etcにテンポラリファイルを作成します。テンポラリファイルの作成に失敗すると,/etc/iniディレクトリ下のOpenTP1制御ファイルが破壊されるおそれがあります。このコマンドを実行するときは,/tmpおよび/etcに十分な空き容量があることを確認してください。
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