11.2.6 KFCA00854-Eメッセージが出力された場合
- 〈この項の構成〉
(1) 現象
次に示すメッセージが出力されて,メッセージ格納バッファプール長の不足が発生しました。
KFCA00854-E メッセージ格納バッファプールのメモリ不足が発生しました。
(2) 現象発生時の確認事項
-
現象発生日時
-
現象が発生したユーザサーバ名
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scdlsコマンドを実行して,スケジュールキューの滞留状態を確認(実行結果は残してください)
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trnls -taコマンドを実行して,仕掛り中のトランザクション状態を確認(実行結果は残してください)
(3) 取得情報
-
表11-1の情報
-
時間が経過しても,現象が発生し続ける場合は,可能ならば「dcsvstop -fd ユーザサーバ名」を実行してユーザサーバを強制停止してください。実行可能な場合,$DCDIR/spoolの資料についてはコマンド実行後に取得してください。
(4) 調査手順
KFCA00854-Eメッセージは,該当ユーザサーバのメッセージ格納バッファプール長(message_store_buflenオペランド)が不足した場合に出力されます。この障害の主な原因を次に示します。
-
message_store_buflenオペランドの指定値が小さい
-
ユーザサーバの多重度(parallel_countオペランド)が適切ではない
-
想定以上のRPCコール要求が送信される
-
ユーザサーバのサービス関数内で処理に時間が掛かり,RPCコール要求がスケジュールキューに滞留している
次に示すフローに従って原因を調査してください。
なお,次に示すフローでは現象発生直後を想定しています。現象発生から長時間経過した場合,調査できないことがあります。ただし,長時間経過しても想定される原因は上記の四つです。取得している情報から原因を確認できるのであれば,対策してください。確認できないならば,情報を取得してサポートセンタへ問い合わせてください。
parallel_countオペランドおよびmessage_store_buflenオペランドを変更した場合,ほかのオペランドの指定値も見直す必要があります。parallel_countオペランドの指定値を大きくした場合に変更するオペランドを次の表に示します。なお,balance_countオペランドの変更によるほかのオペランドの見直しは不要です。
項番 |
定義ファイル名 |
オペランド名 |
備考 |
---|---|---|---|
1 |
プロセスサービス定義(prc) |
prc_process_count |
− |
2 |
タイマサービス定義(tim) |
tim_watch_count |
− |
3 |
トランザクションサービス定義(trn) |
trn_tran_process_count |
− |
4 |
ロックサービス定義(lck) |
lck_limit_for*** |
user,dam,tamおよびmqaの四つがあります。該当ユーザサーバの処理に合わせて見直してください。 |
5 |
|
max_socket_descriptors |
− |
6 |
システム環境定義(env) |
static_shmpool_size |
− |
7 |
システム環境定義(env) |
dynamic_shmpool_size |
dam_tran_process_countオペランドを変更した場合,見直してください。 |
8 |
DAMサービス定義(dam) |
dam_tran_process_count |
parallel_countオペランドを変更するユーザサーバがDAMにアクセスする場合,見直してください。 |
9 |
TAMサービス定義(tam) |
tam_max_trnnum |
parallel_countオペランドを変更するユーザサーバがTAMにアクセスする場合,見直してください。 |
10 |
RAPリスナーサービス定義(任意名称) |
rap_max_client |
parallel_countオペランドを変更するユーザサーバがRAPリスナーにアクセスする場合,見直してください。 |
項番 |
定義ファイル名 |
オペランド名 |
備考 |
---|---|---|---|
1 |
システム環境定義(env) |
static_shmpool_size |
共用メモリの計算については,マニュアルまたは「リリースノート」を参照してください。 |