4.5.2 チェックポイントダンプファイルの使い方
チェックポイントダンプファイルは,OpenTP1の回復に必要なテーブル情報を取得するために使用します。
OpenTP1は障害に備えて,複数のチェックポイントダンプファイルに,ラウンドロビン方式でチェックポイントダンプを取得します。そのうち,最新世代のチェックポイントダンプがOpenTP1の全面回復時に必要となります。全面回復時には,最新世代のチェックポイントダンプの取得からOpenTP1停止までの間に取得した,回復用のすべてのジャーナルも必要です。
最新世代のチェックポイントダンプが読み込めない場合,その直前に取得したチェックポイントダンプを使用します。そのチェックポイントダンプファイルも使用できない場合,さらに一つ前のチェックポイントダンプファイルを使用します。このようにして順にさかのぼって,使用できる世代のチェックポイントダンプファイルを使用します。このとき,読み込む世代のチェックポイントダンプの取得以降に取得した回復用のすべてのジャーナルが必要です。必要なジャーナルが上書きされたために失われている場合には,回復できません。現状では有効保証世代は2世代です。最新のチェックポイントダンプ以降に取得したジャーナルが保証されます。
チェックポイントダンプファイルの使用順序を次の図に示します。
OpenTP1は,各サーバのチェックポイントダンプを次に示すタイミングで取得します。
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各サーバの開始,再開始処理が完了したとき。
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システムジャーナルファイルがスワップしたとき。
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前回のチェックポイントダンプを取得してから,システムジャーナルサービス定義で指定した件数のジャーナルを取得したとき。
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各サーバの終了準備処理が完了したとき。
OpenTP1は,オンライン中のチェックポイントダンプファイルのファイルグループを,次に示す状態で管理します。
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OpenTP1の全面回復時に使用するチェックポイントダンプを含まないので上書きできる状態,またはチェックポイントダンプを取得中の状態です。
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OpenTP1の全面回復時に使用するチェックポイントダンプを含んでいるために,上書きを抑止している状態です。
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オープンしないとオンラインで使用できないクローズ中の状態です。
OpenTP1を開始すると,チェックポイントダンプサービス定義で指定したファイルグループのうち,ONLと指定したファイルグループがすべてオープンされます。オープンされたファイルグループは,上書きできるファイルグループとなります。オープンできなかったファイルグループ,およびONLと指定しなかったファイルグループは,予約となります。
なお,チェックポイントダンプサービス定義でファイルグループだけ定義して,対応する物理ファイルを定義していない(定義コマンドjnladdfgだけ指定し,定義コマンドjnladdpfを指定していない)チェックポイントダンプファイルに対して,オンライン中に物理ファイルを割り当てることができます。この場合jnladdpfコマンドを使用します。jnladdpfコマンドを実行すると,オンライン中に,新しい物理ファイルをファイルグループに割り当てます。割り当てられたファイルは,予約となります。オンラインで使用できる状態にするためには,jnlopnfgコマンドでオープンしてください。
チェックポイントダンプの取得が発生すると,上書きできるファイルグループの中から出力先を選んで,書き込み中のファイルグループとします。
チェックポイントダンプの取得が完了すると,書き込み中であったファイルグループを上書きできないファイルグループとし,上書きできないファイルグループの中で最も古いファイルグループを,上書きできるファイルグループとします。
OpenTP1開始時,予約以外のファイルグループは有効保証世代数より1個以上多く必要です。ただし,チェックポイントダンプサービス定義で縮退運転オプションに縮退機能を使用すると指定(jnl_reduced_modeに1,または2を指定)した場合,予約以外のファイルグループは有効保証世代数より2個以上多く必要です。
上書きできるファイルグループがない場合は,メッセージログファイルにエラーメッセージが出力され,OpenTP1は異常終了します。