COBOL2002 使用の手引 手引編

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はじめに

このマニュアルは,次に示すプログラムプロダクトの機能と使用方法について説明したものです。

このマニュアルには,COBOL2002 V1製品であるHP-UX版/Solaris版/Linux(IPF)版の説明を残しています。

COBOL2002 V1製品の仕様は,V1製品のマニュアルおよびリリースノートでご確認ください。

なお,Linux(x86) COBOL2002,Linux(x64) COBOL2002をご使用になる場合は,初めに「38. Linux(x86) COBOL2002,Linux(x64) COBOL2002でのUTF-8ロケールの対応」をお読みください。

対象読者

このマニュアルは,COBOL2002の機能を知りたい方,またはCOBOL2002の文法規則を機能から調べたい方を対象としています。また,COBOLの基本的な言語仕様と,UNIXの操作方法について理解していることを前提としています。

用語の定義

このマニュアルでの用語の定義を次に示します。

パス名とパスプレフィクス
パス名とパスプレフィクスは,次のとおりです。
[図データ]

絶対パス名
ルートディレクトリのシンボル「/」で始まるパス名。
 /ディレクトリ名/ディレクトリ名/ … /ファイル名

相対パス名
カレントディレクトリからの相対のパス名。
カレントディレクトリの1階層上位のディレクトリを経由する場合
 ../ディレクトリ名/ディレクトリ名/ … /ファイル名
・カレントディレクトリ下のディレクトリを経由する場合
 ディレクトリ名/ディレクトリ名/ … /ファイル名

絶対パスプレフィクス
ルートディレクトリのシンボル「/」で始まるパスプレフィクス。

相対パスプレフィクス
カレントディレクトリからの相対のパスプレフィクス。

このマニュアルで使用する記号

このマニュアルで使用する記号を次に示します。

記号 意味
[ ]キー 文字キーやF(ファンクション)キーを意味する。
[ ]+[ ]キー +の前のキーを押したまま,あとのキーを押すことを意味する。
{ } この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを意味する。項目が縦に複数行にわたって記述されている場合は,そのうちの1行分を選択する。
{ }+ この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを意味する。同じ要素の繰り返し指定はできないが,異なる要素であれば,複数指定できる。例えば,{A|B|C}+と表記されている場合は,A・B・Cをすべて選択してもよい。
項目が縦に複数行にわたって記述されている場合は,そのうちの1行分を選択する。
〔 〕 この記号で囲まれている項目は省略してもよいことを意味する。
複数の項目が縦または横に並べて記述されている場合には,すべてを省略するか,記号{ }と同じく,どれか一つを選択する。
記述が省略されていることを意味する。
この記号の直前に示された項目を繰り返して複数個指定できる。
下線 括弧で囲まれた複数の項目のうち1項目に対して使用され,括弧内のすべてを省略したときにシステムがとる標準値を意味する。
横に並べられた複数の項目に対して項目間の区切りを示し,「または」を意味する。
[ ] ウィンドウのメニューバーから選択するメニュー,コマンド,またはボタンを意味する。

プログラム構造表記法(PAD)と流れ図

このマニュアルでは,手続き的アルゴリズムの制御構造(主にプログラムの処理手続き)をPAD(Problem Analysis Diagram)または流れ図で示しています。

このマニュアルで使用するPADと流れ図の要素,およびそれぞれの要素の対応を,次のように定義します。

[図データ]

ウィンドウ図

マニュアル中のウィンドウ図は,説明に直接関係のない部分を省略して記述しています。したがって,実際に操作していて表示されるウィンドウとは一部異なります。

サポート機能一覧

規格

機能 製品種別
F H A B J K L S
基本機能
順編成ファイル
相対編成ファイル
索引編成ファイル
整列併合
プログラム間連絡
組み込み関数
オブジェクト指向
共通例外処理
再帰呼び出し
利用者定義関数
局所場所節(LOCAL-STORAGE SECTION)
原始文操作
自由形式正書法
TYPEDEF句とSAME AS句
翻訳指令
区分化

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
○:サポートしている

注※
覚え書きとしてサポートしている。

X/Open

機能 製品種別
F H A B J K L S
テキスト編成ファイル
ファイル共用
(ファイルシェア)
順編成ファイル
相対編成ファイル
ISAMによる索引編成ファイル
テキスト編成ファイル
CSV編成ファイル × × × × × × × ×
HiRDBによる索引編成ファイル × × × × × × × ×
Btrieveによる索引編成ファイル
コマンド行および環境変数へのアクセス
画面節(SCREEN SECTION)による画面操作 × × ×
C言語インタフェース
インターナショナリゼーション

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない
−:該当しない

拡張機能

機能 製品種別
F H A B J K L S
日本語
ブール演算
アドレス操作
1バイト2進およびCOMP-X項目
浮動小数点項目
ISAMによる索引編成ファイル機能の拡張(合成キー,逆順読み)
CSV編成ファイル
HiRDBによる索引編成ファイル × ×
Btrieveによる索引編成ファイル
リモートファイルアクセス × × × × × × × ×
ラージファイル入出力 順編成ファイル
相対編成ファイル × × × × × × × ×
ISAMによる索引編成ファイル × × × × × × × ×
テキスト編成ファイル
CSV編成ファイル
HiRDBによる索引編成ファイル × × × × × × × ×
Btrieveによる索引編成ファイル
COBOL入出力サービスルーチン
バイトストリーム入出力サービスルーチン ×
ファイル入出力拡張機能 ファイルサイズがレコード長の整数倍でない固定長形式の順ファイル入出力
ファイルバッファサイズ指定機能 × × ×
画面節(WINDOW SECTION)による画面操作 画面節(WINDOW SECTION) × × ×
JCPOPUPサービスルーチン × × ×
通信節による画面操作(XMAP3) × × × × ×
COPY文の接頭辞/接尾辞
プリンタへのアクセス XMAP3による印刷 × × × × ×
GDIモード印刷
ESC/Pモード印刷
ファイルのディスク書き込み保証
(書き込み時)
順編成ファイル
相対編成ファイル
ISAMによる索引編成ファイル
テキスト編成ファイル × × × × × × × ×
CSV編成ファイル × × × × × × × ×
HiRDBによる索引編成ファイル × × × × × × × ×
Btrieveによる索引編成ファイル
ファイルのディスク書き込み保証
(クローズ時)
順編成ファイル
相対編成ファイル
ISAMによる索引編成ファイル × × × ×
テキスト編成ファイル
CSV編成ファイル
HiRDBによる索引編成ファイル × × × × × × × ×
Btrieveによる索引編成ファイル
報告書作成機能
MIOS7 COBOL85との互換機能 × × × × × × × ×
イベントログファイル/syslogファイル出力機能 × × × × × × × ×
データコミュニケーション機能 ×
データベース操作機能(ODBCインタフェース)
XDMによるデータベースシミュレーション機能 構造型データベース(XDM/SD)
リレーショナルデータベース(XDM/RD)
OLE2オートメーション機能 クライアント機能
サーバ機能
CGIプログラム作成支援機能 × × × × ×
マルチスレッド環境 作成と実行
デバッグ × × × ×
MSMQアクセス機能
エンディアン切り替え × × × × ×
Unicode機能 × × ×
数字項目のけた拡張機能 × × × × ×
動的長基本項目機能 × × × ×
定数長拡張機能 英数字定数長の拡張 × × × ×

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない
△:サポートしている機能であるが,使える機能に一部制限がある
−:該当しない

デバッグ機能

機能 製品種別
F H A B J K L S
実行時デバッグ機能
テストデバッグ機能 GUIモード × × × × × × × ×
バッチモード
ラインモード
カバレージ機能 GUIモード × × × × × × × ×
バッチモード

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない

連携機能

機能 製品種別
F H A B J K L S
XML連携機能 × ×
Cosminexus連携機能 × × ×

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない

ウィンドウに表示されるタイトル名の表記

HP-UX(IPF) COBOL2002,AIX(32) COBOL2002,およびSolaris(SPARC) COBOL2002と,HP-UX(IPF64) COBOL2002およびAIX(64) COBOL2002では,ウィンドウに表示されるタイトル名が異なります。このマニュアルでは,HP-UX(IPF) COBOL2002,AIX(32) COBOL2002,およびSolaris(SPARC) COBOL2002のタイトル名を使用します。HP-UX(IPF64) COBOL2002またはAIX(64) COBOL2002をご使用になる場合は,次のように読み替えてください。

ウィンドウに表示されるタイトル名 HP-UX(IPF64) COBOL2002またはAIX(64) COBOL2002の場合の読み替え
cbl2002term cbl2002term 64bit

プログラム例について

このマニュアルのプログラム例は,断り書きがない場合はUNIX32 COBOL2002用です。プログラム例をUNIX64 COBOL2002で使用するには,プログラムの記述に変更が必要な場合がありますのでご注意ください。