Hitachi

Linux(R),HP-UX 通信管理 XNF/LS 使用の手引


5.2.11 xnftrace(トレースを採取する)

〈この項の構成〉

(1) 形式

(2) 機能

次の機能があります。

(3) 実行者

スーパユーザ

(4) オプション

(a) -s

トレースの採取を開始します。

(b) -e

トレースの採取を終了します。

-xオプションを指定しない場合,すべてのトレースを終了します。

(c) -x キーワード

特定のキーワードに対応するリソースの,トレース採取を開始または終了するときに指定します。

-xオプションで指定できるキーワードを次に示します。

socket:

ソケット通信トレース

tli:

APIトレース(XNF/LSの内部情報)

(d) -f ファイル名称

トレースを出力するファイル名称を指定します。

このオプションは,最初のトレース開始時に必ず指定してください。トレース採取中に,異なるリソースのトレース採取を開始する場合は,このオプションは省略してください。

指定したファイルがない場合,ファイルが新規に作成されます。すでにある場合には初期化されます。

トレース採取中に,トレース出力ファイルを切り替えることができます。切り替え方法を次に示します。

  • 異なるリソースのトレース採取開始時に,トレース出力ファイルを切り替える場合

    -s,-x,および-fオプションを指定します。

  • トレース出力ファイルだけを切り替える場合

    -fオプションだけを指定します。

ファイル切り替え時,-fオプションで現在使用している出力ファイルと同じファイルを指定すると,ファイルの切り替えはしません。また,ラップアラウンド長の変更もできません。

(e) -w ラップアラウンド長

トレースファイルのラップアラウンド長を指定します。ラップアラウンド長は,480KBを1単位とする整数値で,指定範囲は1〜255です(例えば2を指定すると,480KB×2=960KBがファイル容量になります)。

このオプションを省略した場合,1が仮定されます。

(f) -M

事前に割り当てるトレース出力ファイルのファイル名称を指定します。

このオプションは,XNF/LSが動作していないときでも指定できます。

(g) -R

トレース出力を切り替えるファイルのファイル名称を指定します。

このファイル名称には,-Mオプションで事前に割り当てたファイル,または-fオプションで割り当てたファイルを指定します。指定したファイルは上書きされます。

このオプションは,すでにトレースが起動されているときにだけ指定できます。

(h) 全オプション省略

オプションを何も指定しなかった場合,トレース採取中のリソース名称,ファイル名称,およびラップアラウンド長を表示します。

(5) 注意事項

採取したデータトレースは,xnfeditコマンドで編集して参照できます。ただし,xnfeditコマンドで編集する場合,トレース採取中のファイルは指定できません。必ず,-eオプション指定のxnftraceコマンドでトレース採取を停止したファイルを編集してください。

(6) 使用例

(例1)

APIおよびソケット通信トレースを採取します。トレースファイルのファイル名はfile1とします。

/etc/xnftrace -s -x tli -f file1 .......... APIトレース採取開始, -fオプション必要
/etc/xnftrace -s -x socket       .......... ソケット通信トレース採取開始
<トレース採取>
      :
/etc/xnftrace -e -x socket       .......... ソケット通信トレース採取停止
/etc/xnftrace -e -x tli          .......... APIトレース採取停止
(例2)

トレース採取中に,トレースファイルを切り替えます。また,全トレースを一括して停止させます。

/etc/xnftrace -s -x tli -f file1  ...... ファイルfile1にAPIトレース採取開始
/etc/xnftrace -s -x socket        ...... ソケット通信トレース採取開始
/etc/xnftrace -f file2 -w 5       ...... ファイルfile2への切り替えおよびファイル容量
                                         の変更。以降,トレースはファイルfile2に出力 
<トレース採取>
      :
/etc/xnftrace -e                  ...... 全トレースを一括して停止
(例3)

トレース採取中のリソース名称,ファイル名称,およびラップアラウンド長を表示します。

入力形式:
/etc/xnftrace
出力形式:
+------------------------------------------------------+
リソース名称
+------------------------------------------------------+
*** trace file name(wraparound size) ***
トレースファイル名称(ラップアラウンド長)
出力例:
/etc/xnftrace
+----------------------------------------------------------+
tli                               socket
+----------------------------------------------------------+
*** trace file name(wraparound size) ***
/trace/file01(1)
(例4)

トレースファイルを事前に割り当てます。また,トレース開始後に事前に割り当てたファイルにトレース出力先を切り換えます。

/etc/xnftrace -M /trace/trace01 -w 100  ...... トレースファイル事前割り当て
/etc/xnftrace -M /trace/trace02 -w 100  ...... トレースファイル事前割り当て
/etc/xnftrace -s -x tli -f /tmp/trcdummy  .... トレース採取開始
                                                (ダミーファイルを割り当てておく)
/etc/xnftrace -R /trace/trace01  ............. ファイルtrace01に切り替え
          :  (オンライン開始)
/etc/xnftrace -R /trace/trace02  ............. ファイルtrace02に切り替え
          :  (オンライン終了)
/etc/xnftrace -e  ............................ トレース採取停止