4.3.4 TPTCP_define(OSI拡張機能用情報定義文)
(1) 機能
OSI拡張機能が使用する仮想スロット番号を指定します。
(2) 定義条件
configuration文の下で1回だけ定義できます。この定義文は省略できません。
(3) 書き方
(4) オペランド
(a) VASS
仮想スロット番号を指定します。番号は任意に指定できますが,ほかの定義文のVASS定義と同一の番号は指定できません。この番号は,上位APが指定するスロット番号と合わせる必要があります。仮想スロット番号とは,上位プログラムが使用する番号です。
(b) isotsap_port
着呼用TCPポート 〜<10進数>((0〜65535))《102》
相手局ホストからの着呼を受け付けるTCPのポート番号を指定します。RFC1006では,102を使用します。省略した場合は102が仮定されます。0を指定した場合,相手局ホストからの着呼を受け付けません。
(d) TS1
TS1タイマ値 〜<10進数>((10〜3600))《60》
TS1タイマ値(秒)を指定します。TS1タイマ値には,次のどちらかを指定します。
-
トランスポートコネクション確立時の応答監視時間
-
接続先にエラーを通知したあとの,接続先からのTCPコネクション解放監視時間
このオペランドの指定値は,OSI拡張高信頼化機能でも有効になります。
(e) tcp_nodelay { yes | no }
OSの機能であるTCPのNagleアルゴリズムを無効にするかどうかを指定します。省略した場合はnoが仮定されます。
Nagleアルゴリズムは,小さなデータしか送信しない場合に,データをすぐに送信しないで,幾つかのデータを一つのパケットにまとめて送信する機能です。Nagleアルゴリズムについては,TCP/IPに関するドキュメントを参照してください。
OSI拡張高信頼化機能を使用する場合には,TPTCP_common文のtcp_nodelayオペランドの指定値が有効となります。
- yes:
-
Nagleアルゴリズムを無効にします。
データをまとめないで,そのまますぐに送信します。このため,送信済みデータが応答待ちの状態になっても,遅延させることなくデータを送信できます。ただし,通信時の送信効率が低下して,ネットワークのトラフィックが増加するおそれがあります。
- no:
-
Nagleアルゴリズムを無効にしません。
小さなデータしか送信しない場合は,データをすぐに送信しないで,幾つかのデータを一つのパケットにまとめてから送信します。