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Linux(R),HP-UX 通信管理 XNF/LS 使用の手引


3.1.2 環境設定(HP-UX 11i(IPF)の場合)

HP-UX 11i(IPF)の場合の環境設定の手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) syslogファイルの設定

syslogファイルの設定手順を次に示します。

  1. syslogdの設定ファイル(/etc/syslog.conf)にsyslogファイルの格納先を設定します。

  2. kill -HUP `cat /var/run/syslog.pid `などで, /etc/syslog.confの内容をデーモンに反映します。

syslogファイルは障害発生時の記録が残るように,1日以上残すようにしてください。

syslogファイルの容量は/etc/default/syslogdで指定できます。syslogの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

(2) カーネル調整パラメタの設定

必要に応じて,カーネル調整パラメタを変更します。XNF/LSに関連するカーネル調整パラメタを表3-2に示します。

表3‒2 XNF/LSに関連するカーネル調整パラメタ

項目

カーネル調整パラメタ

システム内の共有メモリセグメント識別子の最大数※1

shmmni

プロセスごとの共有メモリセグメントの最大数※1

shmseg

共有メモリセグメントの最大サイズ※2

shmmax

セマフォ識別子ごとのセマフォの最大数※3

semmsl

システム全体のセマフォの最大数※3

semmns

セマフォ識別子の最大数※3

semmni

プロセスの取り消し構造体の最大数※4

semmnu

プロセスごとの取り消しエントリの最大数※5

semume

読み取り/書き込み共有メモリをプロセスコアダンプに含めるかどうかの決定※6

core_addshmem_write

注※1

XNF/LS/BASEが使用する共有メモリセグメント識別子は2個です。

注※2

XNF/LS/BASEが使用する共有メモリのセグメントサイズについては,リリースノートを参照してください。

注※3

XNF/LS/BASEが使用するセマフォ識別子は1個です。また,セマフォ識別子に対するセマフォは2個となります。

注※4

XNF/LS/BASEのプロセスの取り消し構造体の最大数を次に示します。

↑max_TPTCP_connectionの指定値÷128↑+XNF/LSのコマンド同時実行数+XNF/LSにアクセスする上位APのプロセス数+3

↑ ↑:計算結果の値を小数点以下で切り上げることを示します。

注※5

XNF/LS/BASEのプロセスごとの取り消しエントリの最大数は2です。

注※6

1を設定します。0を設定していると,XNF/LSが異常終了した場合に出力されるコアダンプに,共有メモリ情報が採取されないため,異常終了した原因を究明できません。

カーネル調整パラメタの設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。

(3) XNF/LSのPP組み込み

必要なディスク容量をチェックし日立PPインストーラを組み込みます。組み込んだ日立PPインストーラを起動し,必要なPPを選択してPPの組み込みを実施します。

(4) セットアップスクリプト登録

XNF/LS/BASEのPP組み込み後,セットアップスクリプトをシステムに登録できます。セットアップスクリプトはシステムの起動・停止時に,XNF/LSを自動的に運用開始状態,および運用停止状態にするためのものです。この登録をしなかったり,間違ったりするとシステムの起動・停止での自動運用はできません。次のように登録してください。

(a) OS起動時のセットアップスクリプト登録

/sbin/rc?.d/S***xnfsを作成し,/etc/xnfstartを記述します。

?:ランレベルを示す整数(1けた)

システム運用に合わせて決定してください。

***:起動順序を示す000から999までの整数(3けた)

システム上のネットワーク設定が起動してから,XNF/LSを起動するように決定してください。

(b) OS停止時のセットアップスクリプト登録

/sbin/rc?.d/K***xnfsを作成し,/etc/xnfstopを記述します。

?:ランレベルを示す整数(1けた)

システム運用に合わせて決定してください。

***:終了順序を示す000から999までの整数(3けた)

システム上のネットワーク設定が終了する前に,XNF/LSを終了するように決定してください。

(c) OS起動時および停止時のセットアップスクリプトの例

OS起動時および停止時のセットアップスクリプトの例を次に示します。

#!/sbin/sh
#
# XNF/LS start/stop script
#
 
PATH=/usr/sbin:/usr/bin:/sbin
export PATH
 
rval=0
 
case $1 in
'start_msg')
        echo "Starting XNF/LS"
        ;;
 
'stop_msg')
        echo "Stopping XNF/LS"
        ;;
 
'start')
        /etc/xnfstart
        rval=$?
        ;;
 
'stop')
        /etc/xnfstop
        rval=$?
        ;;
 
*)
        echo "usage: $0 {start|stop|start_msg|stop_msg}"
        rval=1
        ;;
esac
 
exit $rval

(5) 構成定義作成とゼネレーション

viコマンドなどを使用して,定義文ファイルを作成してください。XNF/LSの定義文ファイルのファイル名称は自由に付けられます。作成したあと,-cオプション指定のxnfgenコマンドを実行して,文法的に正しいかどうかチェックします。文法エラーがなくなってから,-cオプション指定なしのxnfgenコマンドを使用してゼネレーションを実行してください。ゼネレーションを実行すると,定義文ファイルからXNF/LSを開始するために必要なゼネレーションファイルが生成されます。構成定義文作成の詳細については,「4. 構成定義文」を参照してください。

(6) 運用開始

運用開始の手順については,「3.2 開始と終了」を参照してください。

(7) 運用停止

XNF/LSのPPを追加・更新・削除および構成定義を変更する場合は,運用を停止する必要があります。運用を停止する場合,最初に上位APを停止し,その後XNF/LSを停止します。XNF/LSの運用停止の手順については,「3.2 開始と終了」を参照してください。

(8) PP追加・更新

日立PPインストーラの組み込みが不要な以外は「3.1.2(3)XNF/LSのPP組み込み」,「3.1.2(4)セットアップスクリプト登録」と同じ手順です。

(9) PP削除

日立PPインストーラで不要なPPを選択して削除します。XNF/LS/BASEを削除した場合は,「3.1.2(4)セットアップスクリプト登録」で登録したセットアップスクリプトをOSのrmコマンド(-f指定)で削除します。間違えないように注意が必要です。