Hitachi

Linux(R),HP-UX 通信管理 XNF/LS 使用の手引


3.1.1 環境設定(Red Hat Linuxの場合)

Red Hat Linuxの場合の環境設定の手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) syslogファイルの設定

syslogファイルの設定手順を次に示します。

  1. syslogの設定ファイルにsyslogファイルの格納先を設定します。

  2. service syslog restartなどでデーモンを再起動します。

syslogファイルは障害発生時の記録が残るように,1日以上残すようにしてください。

syslogの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

(2) カーネルパラメタの設定,gzipパッケージのインストール

(a) カーネルパラメタの設定

必要に応じて,カーネルパラメタを変更します。XNF/LSに関連するカーネルパラメタを表3-1に示します。

表3‒1 XNF/LSに関連するカーネルパラメタ

項目

カーネルパラメタ

設定ファイル

共有メモリ識別子のシステム最大数※1

kernel.shmmni

/etc/sysctl.cof

システム内の共有メモリ全体の制限

kernel.shmall

共有メモリセグメントの最大サイズ※2

kernel.shmmax

セマフォ識別子ごとのセマフォの最大数※3

kernel.semの第1引数

システム全体のセマフォの最大数※3

kernel.semの第2引数

セマフォ識別子の最大数※3

kernel.semの第4引数

注※1

XNF/LS/BASEが使用する共有メモリ識別子は3個です。

注※2

XNF/LS/BASEが使用する共有メモリのセグメントサイズについては,リリースノートを参照してください。

注※3

XNF/LS/BASEが使用するセマフォ識別子は1個です。また,セマフォ識別子に対するセマフォは2個となります。

カーネルパラメタの設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。

(b) gzipパッケージのインストール

xnftdumpコマンドは,gzipコマンドとzcatコマンドを使用するため,gzipパッケージをインストールする必要があります。

(3) XNF/LSのPP組み込み

必要なディスク容量をチェックし日立PPインストーラを組み込みます。組み込んだ日立PPインストーラを起動し,必要なPPを選択してPPの組み込みを実施します。

(4) セットアップスクリプト,またはUnitファイル登録

(a) Red Hat Enterprise Linux 5,またはRed Hat Enterprise Linux Server 6の場合

XNF/LS/BASEのPP組み込み後,セットアップスクリプトをシステムに登録できます。セットアップスクリプトはシステムの起動・停止時に,XNF/LSを自動的に運用開始状態,および運用停止状態にするためのものです。この登録をしなかったり,間違ったりするとシステムの起動・停止での自動運用はできません。次のように登録してください。

(i)OS起動時のセットアップスクリプト登録

/etc/rc.d/rc?.d/S**xnfsを作成し,/etc/xnfstartを記述します。

?:ランレベルを示す整数(1けた)

システム運用に合わせて決定してください。

**:起動順序を示す00から99までの整数(2けた)

システム上のネットワーク設定が起動してから,XNF/LSを起動するように決定してください。

(ii)OS停止時のセットアップスクリプト登録

/etc/rc.d/rc?.d/K**xnfsを作成し,/etc/xnfstopを記述します。

?:ランレベルを示す整数(1けた)

システム運用に合わせて決定してください。

**:終了順序を示す00から99までの整数(2けた)

システム上のネットワーク設定が終了する前に,XNF/LSを終了するように決定してください。

(b) Red Hat Enterprise Linux Server 7,またはRed Hat Enterprise Linux Server 8の場合

XNF/LS/BASEのPP組み込み後,systemd用のUnitファイルをシステムに登録できます。

Unitファイルはシステムの起動・停止時に,XNF/LSを自動的に運用開始状態,および運用停止状態にするためのものです。この登録をしなかったり,間違ったりするとシステムの起動・停止での自動運用はできません。システムの起動・停止での自動運用をする場合にはUnitファイルを次のように登録してください。

Unitファイルの詳細はOSのマニュアルを参照してください。

(i)Unitファイルの例および登録実行例

Unitファイル(xnfls.service)の例を次に示します。

[Unit]
Description=XNF/LS
After=rsyslog.service network.target network.service
 
[Service]
Type=forking
ExecStart=/etc/xnfstart
ExecStop=/etc/xnfstop
RemainAfterExit=yes
 
[Install]
WantedBy=multi-user.target

Unitファイル(xnfls.service)登録の実行例を次に示します。

[root@localhost system]# systemctl enable xnfls.service

(5) 構成定義作成とゼネレーション

viコマンドなどを使用して,定義文ファイルを作成してください。XNF/LSの定義文ファイルのファイル名称は自由に付けられます。作成したあと,-cオプション指定のxnfgenコマンドを実行して,文法的に正しいかどうかチェックします。文法エラーがなくなってから,-cオプション指定なしのxnfgenコマンドを使用してゼネレーションを実行してください。ゼネレーションを実行すると,定義文ファイルからXNF/LSを開始するために必要なゼネレーションファイルが生成されます。構成定義文作成の詳細については,「4. 構成定義文」を参照してください。

(6) 運用開始

運用開始の手順については,「3.2 開始と終了」を参照してください。

(7) 運用停止

XNF/LSのPPを追加・更新・削除および構成定義を変更する場合は,運用を停止する必要があります。運用を停止する場合,最初に上位APを停止し,その後XNF/LSを停止します。XNF/LSの運用停止の手順については,「3.2 開始と終了」を参照してください。

(8) PP追加・更新

日立PPインストーラの組み込みが不要な以外は「3.1.1(3)XNF/LSのPP組み込み」と同じ手順です。

(9) PP削除

(a) Red Hat Enterprise Linux 5,またはRed Hat Enterprise Linux Server 6の場合

日立PPインストーラで不要なPPを選択して削除します。XNF/LS/BASEを削除した場合は,「3.1.1(4)セットアップスクリプト,またはUnitファイル登録」で登録したセットアップスクリプトをOSのrmコマンド(-f指定)で削除します。間違えないように注意が必要です。

(b) Red Hat Enterprise Linux Server 7,またはRed Hat Enterprise Linux Server 8の場合

日立PPインストーラで不要なPPを選択して削除します。XNF/LS/BASEを削除した場合は,「3.1.1(4)セットアップスクリプト,またはUnitファイル登録」で登録したUnitファイルの登録を解除後に,UnitファイルをOSのrmコマンド(-f指定)で削除します。間違えないように注意が必要です。

Unitファイル(xnfls.service)の登録解除の実行例を次に示します。

[root@localhost system]# systemctl disable xnfls.service