3.4.2 自動起動の設定
HA Boosterは,VGへのアクセス制御をAIX起動時に自動的に有効になるよう設定できます。
制御グループに対するアクセス制御の設定およびVGの制御グループへの登録は,ディレクトリ/opt/hitachi/habooster/startup/の下に,スクリプトファイルstartupを置き,これに処理の記述を追加することでできます。追加方法については,/opt/hitachi/habooster/samples/の下に,図3-1に示す startupの記述例がありますので,これを参考にしてください。
以下では図3-1のとおりに設定をしたものとして説明します。
AIX起動時の,HA Boosterに関連した処理の流れは次のとおりです。
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AIXが起動されます。
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AIX起動時に実行されるスクリプトファイルが,HA Boosterのロードと初期化をします。ここで制御グループが生成されます。各制御グループの初期状態はどれもdisableで,VGは何も登録されていません。
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初期化終了後に,ユーザが編集したstartupを呼び出して制御グループに対するアクセス制御の設定,VGの共有モードでのvaryonおよび制御グループへの登録を実行します。まず,図3-1のスクリプト内の(i)が実行され,制御グループのアクセス属性が設定されます。
例では,制御グループ0にro(Read Only)が,制御グループ1および2にはrw(Read/Write)が設定されていますが,HAモニタで制御する場合は,habhd_chvgコマンドによるアクセス制御の設定を記述する必要はありません。
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次に図3-1の(ii)が実行され,VGを制御グループへ登録します。
例では,VG01を制御グループ0に,VG02,VG03を制御グループ1に,それぞれ登録しています。
4.の結果,VG01にはHA Boosterによってリードオンリーのアクセス制限が設定されます。VG02,VG03は現在リード,ライト共に制限されていませんが,HAモニタがHA Boosterの機能を呼び出して制御グループ1のアクセス制御モードを変更することによって,一括して制限を設定できます。
HAモニタと連携する場合には,HAモニタの設定に用いるserversファイルのdiskオペランドに記述していたVGをこのstartupファイルに制御グループごとに記述することとなります。また,HAモニタに指定していたVGの代わりに制御グループ番号をserversの指定されたオペランドに記述する必要があります。具体的なserversの記述の方法については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照ください。