3.5.3 DF/GW構成定義
(1) 記述形式
DF/GW構成定義の記述形式を次の表に示します。
(2) 記述内容
(b) 分散トランザクション環境定義(gwtp_environment文)
分散トランザクション環境に関する情報を定義します。
ホスト起動型通信定義,および端末起動型通信定義より前に指定してください。
- ●tp_type={host|trn|ftp }
-
〜《host》
分散トランザクションの処理形態を指定します。
- host:ホスト通信処理
-
メッセージキューインタフェースを使用したAP間通信でホスト通信処理を行う場合に指定します。
- trn:トランザクション転送処理
-
メッセージキューインタフェースを使用したAP間通信でトランザクション転送処理を行う場合に指定します。
- ftp:ファイル転送処理
-
全銀TCPプロトコルを使用したAP間通信でファイル転送処理を行う場合に指定します。
このオペランドの指定値によって,指定が必須,または不可となるオペランドを次の表に示します。
表3‒4 tp_typeオペランドの指定値によって指定必須または不可となるオペランド オペランド
tp_type
host,trn
ftp
gwtp_environment文
quemgr_name
○
×
mqi_option文
△※
×
gwsnd_environment文
snd_ftp_host_name
×
○
snd_ftp_port_number
×
○
gwrcv_environment文のrcv_ass_group文
rcv_que_name
○
×
rcv_ftp_port_number
×
○
- (凡例)
-
○:オペランドの指定が必須となります。オペランドの指定がない場合,定義文解析エラーになります。
△:オペランドの指定は任意です。
×:オペランドの指定がある場合,定義文解析エラーとなります。
- 注※
-
mqi_option文のオペランド指定可否を次の表に示します。
表3‒5 mqi_option文のオペランド指定可否 mqi_option文のオペランド
tp_type
host
trn
mqi_mqinfo_ofs
○
○
mqi_send_QName_tail
×
○
mqi_recv_QName_tail
×
○
mqi_Expiry
×
○
mqi_Priority
×
○
- (凡例)
-
○:オペランドが指定できます。
×:オペランドが指定できません。オペランドの指定がある場合,定義文解析エラーになります。
- ●quemgr_name=キューマネジャ名称
-
〜〈MQ文字列〉((1〜48けた))
TP1/Message Queueのmqaquemgr(キューマネジャ定義)に指定したキューマネジャ名称を指定します。
(c) MQI制御インタフェース定義(mqi_option文)
DF/GW Version2 MQI制御のTP1/Message Queueアプリケーションのプログラミングインタフェースに関する情報を定義します。
gwtp_environment文のtp_typeオペランドにhost,trnを指定した場合,またはtp_typeオペランドを省略した場合に指定します。
- ●mqi_mqinfo_ofs=MQ連絡情報のオフセット
-
〜〈符号なし整数〉((0〜2147483647))
メッセージの先頭からMQ連絡情報までのオフセットを指定します。
省略値は分散トランザクション処理形態(tp_typeオペランドの指定値)によって異なります。
-
ホスト通信処理の場合:397
-
トランザクション転送処理の場合:35
MQ連絡情報までのオフセットについては,「4.2.4(2)MQ接続機能を使用する場合」を参照してください。
-
- ●mqi_send_QName_tail=送信キュー末尾名称
-
〜〈MQ文字列〉((1〜40けた))《.I》
トランザクション転送処理で送信キューの末尾名称を指定します。
- ●mqi_recv_QName_tail=受信キュー末尾名称
-
〜〈MQ文字列〉((1〜40けた))《.R》
トランザクション転送処理の受信キューの末尾名称を指定します。
mqi_send_QName_tailオペランドで指定した送信キュー末尾名称と異なる名称を指定してください。
- ●mqi_Expiry=メッセージ保持時間
-
〜〈符号あり整数〉((-1,1〜2147483647))《-1》
トランザクション転送処理のメッセージ記述子(MQMD構造体のExpriyフィールド)に設定するメッセージ保持時間を1/10秒単位で指定します。
- ●mqi_Priority=メッセージ優先度
-
〜〈符号あり整数〉((-1,0〜9))《-1》
トランザクション転送処理のメッセージ記述子(MQMD構造体のPriorityフィールド)に設定するメッセージ優先度を指定します。
(d) ホスト起動型通信定義(gwsnd_environment文)
ホスト起動型業務に関する情報を定義します。
なお,端末起動型業務に関する情報だけを定義する場合,この定義文は省略できます。
- ●snd_ftp_host_name=ホスト名称
-
〜〈識別子〉((1〜32けた))
ファイル転送処理を行う相手ホストのホスト名称を指定します。
- ●snd_ftp_port_number=ポート番号
-
〜〈符号なし整数〉((1〜65535))
snd_ftp_host_nameオペランドで指定した相手ホストのポート番号を指定します。
- ●snd_lu_name=LU名称
-
〜〈記号名称1〉((1〜8けた))
ホスト起動型業務のホストLU名称(ローカルLU名称)を指定します。
- ●snd_tp_name=TP名称
-
〜〈記号名称2〉((1〜48けた))
ホスト起動型業務のホストTP名称(ローカルTP名称)を指定します。
- ●snd_buf_size=送受信バッファ長
-
〜〈符号なし整数〉((1〜64))
ホスト起動型業務に使用する送受信バッファの長さを指定します。
送受信バッファの長さは,実際にホスト起動型業務で送受信するユーザデータ長(バイト)に64バイト(DF/GW Version2の制御用)を加えた値を,キロバイト単位に切り上げて指定してください。
(e) ホスト起動型アソシエーション・グループ定義(snd_ass_group文)
ホスト起動型業務に関するアソシエーション情報を定義します。
なお,この定義文は繰り返して記述できます。
- ●snd_netlib_path=ファイルパス名
-
〜〈パス名〉((1〜60けた))
DF/GW Version2のアソシエーション・グループに対応したTP1/NET/Library通信構成定義オブジェクトファイルのファイルパス名を指定します。
このオペランドで指定するファイルパスは,定義オブジェクト結合ユティリティで結合されたTP1/NET/Library通信構成定義オブジェクトを格納したファイルのパス名を指定します。
- ●snd_con_name=アソシエーション名称
-
〜〈識別子〉((1〜8けた))
ホストのOSAS/TP/DCCM3のAP間通信用仮想端末に対応した,メッセージ送受信の窓口を指定します。
TP1/NET/OSI-TP定義のコネクションID(アソシエーション名称)と同じ名称を指定します。
このオペランドは128個まで指定できます。
異なるプロトコルを使用している分散トランザクションシステム間で接続できるアソシエーション数は,OSI通信管理プログラムに依存します。1つのアソシエーションとこのオペランドで指定するアソシエーション名は,1対1に対応します。そのため,ホスト起動型通信定義で指定したアソシエーション名称と端末起動型通信定義で指定できるアソシエーション名の総数は,OSI通信管理プログラムの最大アソシエーション数以内になります。また,1つのワークステーション内にDF/GW Version2が複数ある場合,それぞれのDF/GW Version2に指定したアソシエーション名称の総数もOSI通信管理プログラムの最大アソシエーション数以内である必要があります。さらに,これらのアソシエーション名称は,それぞれがユニークな名称である必要があります。
(f) 端末起動型通信定義(gwrcv_environment文)
端末起動型業務に関する情報を定義します。
なお,ホスト起動型業務に関する情報だけを定義する場合,この定義文は省略できます。
- ●rcv_partner_tp_name=TP名称
-
〜〈記号名称2〉((1〜48けた))
端末起動型業務のパートナTP名称(リモートTP名称)を指定します。
- ●rcv_buf_size=送受信バッファ長
-
〜〈符号なし整数〉((1〜64))
端末起動型業務に使用する送受信バッファの長さを指定します。
送受信バッファの長さは,実際に端末起動型業務で送受信するユーザデータ長(バイト)に64バイト(DF/GW Version2の制御用)を加えた値を,キロバイト単位に切り上げて指定してください。
- ●rcv_retry_count=再試行回数
-
〜〈符号なし整数〉((0〜3600))《300》
端末起動型業務の空きアソシエーション待ち機能の再試行回数を指定します。
再試行回数として,0を指定すると空きアソシエーション待ち機能を使用しません。
なお,空きアソシエーション待ち機能とはTCP/IPプロトコル側からの発呼要求を受け付けた場合にアソシエーションの空きがないとき,一定間隔で使用できるアソシエーションがないかどうかをチェックする機能です。
- ●rcv_retry_interval=再試行間隔
-
〜〈符号なし整数〉((1〜60))《2》
端末起動型業務の空きアソシエーション待ち機能の再試行間隔を秒単位で指定します。
(g) 端末起動型アソシエーション・グループ定義(rcv_ass_group文)
端末起動型業務に関するアソシエーション情報を定義します。
- ●rcv_que_name=受信キュー名称
-
〜〈MQ文字列〉((1〜8けた))
ホスト通信処理やトランザクション転送処理を行う相手ホストから来たメッセージを受信するためのキューの名称を指定します。
- ●rcv_ftp_port_number=ポート番号
-
〜〈符号なし整数〉((1〜65535))
ファイル転送処理を行う相手から来たメッセージを処理する自ホストのポート番号を指定します。
rcv_ass_group文を複数指定する場合,それぞれのポート番号はユニークである必要があります。
また,1つのワークステーション内にDF/GW Version2 が複数ある場合も,それぞれのDF/GW Version2 に指定したポート番号はユニークである必要があります。
- ●rcv_netlib_path=ファイルパス名
-
〜〈パス名〉((1〜60けた))
DF/GW Version2のアソシエーション・グループに対応したTP1/NET/Library通信構成定義オブジェクトファイルのファイルパス名を指定します。
このオペランドで指定するファイルパス名は,定義オブジェクト結合ユティリティで結合されたTP1/NET/Library通信構成定義オブジェクトを格納したファイルのパス名を指定してください。
- ●rcv_lu_name=LU名称
-
〜〈記号名称1〉((1〜8けた))
端末起動型業務のホストLU名称(ローカルLU名称)を指定します。
- ●rcv_con_name=アソシエーション名称
-
〜〈識別子〉((1〜8けた))
ホストのOSAS/TP/DCCM3のAP間通信用仮想端末に対応した,メッセージ送受信の窓口を指定します。
TP1/NET/OSI-TP定義のコネクションID(アソシエーション名称)と同じ名称を指定してください。
このオペランドは128個まで指定できます。
異なるプロトコルを使用している分散トランザクションシステム間で接続できるアソシエーション数は,OSI通信管理プログラムに依存します。1つのアソシエーションとこのオペランドで指定するアソシエーション名称は1対1に対応しています。そのため,ホスト起動型通信定義で指定したアソシエーション名称と端末起動型通信定義で指定できるアソシエーション名称の総数はOSI通信管理プログラムの最大アソシエーション数以内です。また,1つのワークステーション内にDF/GW Version2が複数ある場合,それぞれのDF/GW Version2に指定したアソシエーション名称の総数もOSI通信管理プログラムの最大アソシエーション数以内である必要があります。さらに,これらのアソシエーション名称は,それぞれがユニークな名称である必要があります。