トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド

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tscgetiorIOR文字列の取得

形式

 
tscgetior  [-h] | 
          [{-TSCDomain TSCドメイン名称[,TSCドメイン名称...] | 
            -TSCDomainAll}]
          [{-TSCID TSC識別子[,TSC識別子...] | -TSCIDAll}]
           [-TSCHost ホスト名称またはIPアドレス
                   [,ホスト名称またはIPアドレス...]]
           [-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス]
           [-TSCInterfaceNameインタフェース名[,インタフェース名...]]
           [-TSCObjectName オブジェクト名[,オブジェクト名...]]
           [-TSCOutPath 出力ディレクトリ名]
 

機能

TSCORBコネクタに登録されているインタフェースのIOR文字列を取得します。

tscgetiorコマンドを実行すると,オプションに指定された条件に従って,出力ファイルにテキスト形式でIOR文字列を抽出します。このIOR文字列を使用することで,クライアントアプリケーションは任意のTSCORBコネクタに接続できます。

なお,tscgetiorコマンドを使用してIOR文字列を取得するには,OTM - Connector for ORBが必要です。

オプション

●-h

コマンドの使用方法が表示されます。

●-TSCDomain TSCドメイン名称[,TSCドメイン名称...]

〜<1〜31文字の英数字>《TSCDOMAIN》

IOR文字列の取得の対象となるTSCORBコネクタが属するTSCドメイン名称を指定します。"TSC"または"tsc"で始まる文字列は指定しないでください。省略した場合は"TSCDOMAIN"が設定されます。

-TSCDomainオプションには,複数のTSCドメイン名称を指定できます。tscgetiorコマンドと同じホストで開始済みのTSCドメイン名称を指定してください。

なお,-TSCDomainオプションは-TSCDomainAllオプションと同時には指定できません。

●-TSCDomainAll

tscgetiorコマンドを実行するホストにある,すべてのTSCドメインを対象としてIOR文字列を取得します。省略した場合は,-TSCDomainオプションで指定されたTSCドメインを対象としてIOR文字列を取得します。-TSCDomainAllオプションは,-TSCDomainオプションと同時には指定できません。

なお,自ホストにあるTSCドメインを確認するにはtscdminfoコマンドを実行してください。

●-TSCID TSC識別子[,TSC識別子...]

〜<1〜31文字の英数字,およびピリオド(.)>《IPアドレス》

IOR文字列の取得の対象となるTSCORBコネクタが属するTSCノードの識別子を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSC識別子は指定しないでください。ピリオド(.)は,IPアドレスを指定する場合だけ使用できます。-TSCIDオプションには,複数のTSC識別子を指定できます。省略した場合は,IPアドレスがTSC識別子に設定されます。例えば,ホストのIPアドレスが"172.17.112.43"のとき,"172.17.112.43"という文字列がTSC識別子となります。

-TSCIDオプションは,-TSCIDAllオプションと同時には指定できません。

●-TSCIDAll

指定したTSCドメイン内のすべてのTSC識別子を対象として,IOR文字列を取得します。

省略した場合は,-TSCIDオプションで指定したTSC識別子を対象としてIOR文字列を取得します。-TSCIDAllオプションは,-TSCIDオプションと同時には指定できません。

●-TSCHost ホスト名称またはIPアドレス[,ホスト名称またはIPアドレス…]

〜<1〜64文字の文字列>

IOR文字列の取得の対象となるホストのホスト名称またはIPアドレスを指定します。

-TSCDomainオプション(または-TSCDomainAllオプション)および-TSCIDオプション(または-TSCIDAllオプション)で指定されたTSCノードのうち,-TSCHostオプションで指定されたホストにあるTSCノードを対象として,IOR文字列を取得します。-TSCHostオプションには,複数のホスト名称またはIPアドレスを指定できます。

省略した場合,tscgetiorコマンドでIOR文字列の取得を要求したホストのTSCドメインマネジャが認識できる,ネットワーク内にあるすべてのホストを対象とします。

●-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス

〜<1〜64文字の文字列>《hostnameコマンドで取得されるホスト名称》

マルチホームドホスト環境でOTMが使用するホスト名称またはIPアドレスを指定します。省略した場合は,hostnameコマンドで取得されるホスト名称が設定されます。

-TSCIDオプションを省略して,-TSCMyHostオプションを指定した場合,デフォルトのTSC識別子は-TSCMyHostオプションで指定したIPアドレスになります。

●-TSCInterfaceName インタフェース名[,インタフェース名…]

〜<英数字,およびスラント(/)>

IOR文字列の取得の対象となるインタフェース名を指定します。モジュール名付きのインタフェース名を指定する場合は,"モジュール名/インタフェース名"の形式で指定してください。-TSCInterfaceNameオプションには,複数のインタフェース名を指定できます。

省略した場合,該当するTSCドメインが認識するTSCORBコネクタに登録されている,すべてのインタフェース名を対象とします。

●-TSCObjectName オブジェクト名[,オブジェクト名…]

〜<英数字,ピリオド(.),プラス(+),およびハイフン(-)>

IOR文字列の取得の対象となるオブジェクト名を指定します。英数字以外のオブジェクト名は指定しないでください。また,"TSC"または"tsc"で始まるオブジェクト名は指定しないでください。-TSCObjectNameオプションには,複数のオブジェクト名を指定できます。

省略した場合,該当するTSCドメインが認識するTSCORBコネクタに指定されている,すべてのオブジェクト名を対象とします。

●-TSCOutPath 出力ディレクトリ名

UNIXの場合〜<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>《カレントディレクトリ》

Windowsの場合〜<英数字,ピリオド(.),円符号(\),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>《カレントディレクトリ》

IOR文字列ファイルを出力するディレクトリ名称を絶対パスまたは相対パスで指定します。省略した場合は,tscgetiorコマンドを実行したときのカレントディレクトリに出力します。

IOR文字列ファイルは,取得の対象となるTSCORBコネクタに登録されている一つのインタフェースにつき一つずつ出力されます。各インタフェースのIOR文字列ファイルの出力先ディレクトリと,IOR文字列ファイルの名称を次に示します。

 
-TSCOutPathの指定ディレクトリ/
[aa..aa/]bb..bb/[cc..cc]/dd..dd#ee..ee.ior
 

(凡例)
記号 説明
スラント(/) ディレクトリの区切りを表します。Windowsの場合は,円符号(\)で表します。
aa..aa TSCORBコネクタに登録されているインタフェースのモジュール名です。モジュール名称がない場合は,このディレクトリは作成されません。
bb..bb TSCORBコネクタに登録されているインタフェースのインタフェース名です。
cc..cc TSCORBコネクタの開始時に,tscstartgwコマンドの-TSCObjectNameオプションで指定したオブジェクト名です。-TSCObjectNameオプションの指定を省略した場合は,このディレクトリは作成されません。
dd..dd TSCORBコネクタが動作しているホストのIPアドレスです。
ee..ee TSCORBコネクタの開始時に,-TSCPortオプションで指定したポート番号です。

戻り値

このコマンドは次に示す戻り値をシェルに返してから,処理を終了します。

戻り値 意味
0 正常終了しました。
0以外 コマンド処理中にエラーが発生したために異常終了しました。
出力されたメッセージに従って対策したあと,再度,コマンドを実行してください。

注意事項