トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド

[目次][索引][前へ][次へ]

2.6.3 複数のネットワークセグメントでのTSCドメインの構成例

tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションを指定した場合のシステム構成例を以降に示します。本文中の番号は図中の番号と対応しています。

図2-10 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例1

[図データ]

  1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  2. ホストBにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
  3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストBにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはホストAに転送されます。
    ホストBにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,リクエストはホストAに転送されます。ホストBからの転送先は負荷状況に応じて選択されるので,ホストCに転送されることもあります。
  4. ホストAでサーバアプリケーションAがリクエストを処理します。

 

図2-11 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例2

[図データ]

  1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  2. ホストCにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
  3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストCにあるTSCノードに接続した場合,サーバアプリケーションAはホストCでリクエストを処理します。
    ホストCにはサーバアプリケーションAがあるため,サーバアプリケーションAはホストCでリクエストを処理します。ホストCのサーバアプリケーションAの負荷が高い場合でも,ホストAには転送されません。それは,ホストCには,ホストAのTSCノード情報がないためです。

 

図2-12 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例3

[図データ]

  1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  2. ホストDにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
  3. ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストDにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはホストCに転送されます。
    ホストDにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,クライアントアプリケーションのリクエストはホストCに転送されます。
  4. リクエストはホストAに転送されます。
    ホストCのサーバアプリケーションAは負荷が高い状態なので,TSCノード間の通信によって,クライアントアプリケーションのリクエストはホストAに転送されます。それは,ホストCには,1.で配布されたホストAのTSCノード情報があるためです。
  5. ホストAでサーバアプリケーションAがリクエストを処理します。

 

図2-13 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例4

[図データ]

  1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  2. ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEまたはホストFにあるクライアントアプリケーションを開始します。
    ホストEまたはホストFのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSCノードに接続した場合,ホストAにはサーバアプリケーションAがないため,リクエストはエラーになります。また,ホストAがホストBから取得したTSCノード情報には,ホストCの情報は含まれないので,リクエストは転送されません。

 

図2-14 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例5

[図データ]

  1. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定して,ホストBのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  2. tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
    ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
  3. ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストDにあるクライアントアプリケーションを開始します。
  4. ホストDのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはエラーになります。
    ホストBにはサーバアプリケーションAについての情報があります。しかし,ホストAがホストBから取得したTSCノード情報には,ホストCの情報は含まれないので,リクエストは転送されません。