tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションを指定した場合のシステム構成例を以降に示します。本文中の番号は図中の番号と対応しています。
図2-10 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例1
![[図データ]](FIGURE/ZU021100.GIF)
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- ホストBにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
- ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストBにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはホストAに転送されます。
ホストBにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,リクエストはホストAに転送されます。ホストBからの転送先は負荷状況に応じて選択されるので,ホストCに転送されることもあります。
- ホストAでサーバアプリケーションAがリクエストを処理します。
図2-11 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例2
![[図データ]](FIGURE/ZU021200.GIF)
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- ホストCにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
- ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストCにあるTSCノードに接続した場合,サーバアプリケーションAはホストCでリクエストを処理します。
ホストCにはサーバアプリケーションAがあるため,サーバアプリケーションAはホストCでリクエストを処理します。ホストCのサーバアプリケーションAの負荷が高い場合でも,ホストAには転送されません。それは,ホストCには,ホストAのTSCノード情報がないためです。
図2-12 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例3
![[図データ]](FIGURE/ZU021300.GIF)
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- ホストDにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEにあるクライアントアプリケーションを開始します。
- ホストEのクライアントアプリケーションが,ホストDにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはホストCに転送されます。
ホストDにはサーバアプリケーションAがないため,TSCノード間の通信によって,クライアントアプリケーションのリクエストはホストCに転送されます。
- リクエストはホストAに転送されます。
ホストCのサーバアプリケーションAは負荷が高い状態なので,TSCノード間の通信によって,クライアントアプリケーションのリクエストはホストAに転送されます。それは,ホストCには,1.で配布されたホストAのTSCノード情報があるためです。
- ホストAでサーバアプリケーションAがリクエストを処理します。
図2-13 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例4
![[図データ]](FIGURE/ZU021400.GIF)
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストEまたはホストFにあるクライアントアプリケーションを開始します。
ホストEまたはホストFのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSCノードに接続した場合,ホストAにはサーバアプリケーションAがないため,リクエストはエラーになります。また,ホストAがホストBから取得したTSCノード情報には,ホストCの情報は含まれないので,リクエストは転送されません。
図2-14 複数のネットワークセグメントでTSCドメインを構成する例5
![[図データ]](FIGURE/ZU021500.GIF)
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストCのホスト名称を指定して,ホストBのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストCからは,ホストCのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- tscdmstartコマンドの-TSCSendHostオプションにホストBのホスト名称を指定して,ホストAのTSCドメインマネジャを開始します。
ホストAのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が配布されます。このとき,ホストBからは,ホストBのTSCドメインマネジャのTSCノード情報が返されます。
- ホストAにあるTSCノードのTSC識別子を指定して,ホストDにあるクライアントアプリケーションを開始します。
- ホストDのクライアントアプリケーションがホストAにあるTSCノードに接続した場合,リクエストはエラーになります。
ホストBにはサーバアプリケーションAについての情報があります。しかし,ホストAがホストBから取得したTSCノード情報には,ホストCの情報は含まれないので,リクエストは転送されません。
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