2.2.1 appclient
クライアントアプリケーションの起動
書式
appclient [client_application_classfile | -client client_application_jar] [-mainclass main_class_name | -name display_name] [-xml glassfish-acc.xml file] [-textauth] [-targetserver host[:port][,host[:port]...]] [-user username] [-passwordfile password_file] [application-options] appclient [jvm-options] [-mainclass main_class_name | -name display_name] [-xml client_config_xml_file] [-textauth] [-targetserver host[:port][,host[:port]...]] [-user username] [-passwordfile password_file] class-selector [application-options]
格納先
Application Serverインストールディレクトリー/javaee/glassfish/bin
機能
appclientコマンドは、アプリケーションクライアントコンテナーを起動し、アプリケーションJARファイル内に通常パッケージされているクライアントアプリケーションを起動します。また、asadmin get-client-stubsコマンドを使用して、クライアントJARファイルを取得できます。
アプリケーションクライアントコンテナーとは、Java VM上で動く第1層アプリケーションクライアントのプログラムの実行に必要なJavaのクラス、ライブラリー、その他ファイルの集合です。アプリケーションクライアントコンテナーは、RMI-IIOPを使用してサーバと通信します。
-clientオプションまたは-jarオプションを使用して、アプリケーションのデプロイ後に取得したクライアントJARファイルをappclientコマンドの起動中に渡すことができます。
クライアントJARファイル名は「アプリケーション名Client.jar」となります。
EARファイルにアプリケーションクライアントが複数存在する場合は、-mainclassまたは-nameオプションを使用して、どのクライアントを起動するか指定する必要があります。
アプリケーションクライアントがスタンドアロンモジュールである場合、またはEARファイルに1つしか存在しない場合は、-mainclassオプションまたは-nameオプションを指定しなくても、アプリケーションクライアントコンテナーはクライアントを検索できます。
-mainclassオプションまたは-nameオプションに指定した値がクライアントの値と一致しない場合は、アプリケーションクライアントコンテナーはそのクライアントを起動を試みますが、警告メッセージが出力されます。その警告メッセージにはクライアントの実際のメインクラスと名称の値が表示されます。
絶対パス位置を指定してください。絶対パスを指定しない場合は、相対パスが使用されます。相対パスはコマンドを実行したディレクトリーからの相対パスとなります。
実行権限
スーパーユーザー
環境変数
-
appclientでPRFトレースを出力する場合には、次の環境変数の設定が必要です。
-
PRFSPOOL
ドメイン管理サーバによって設定される環境変数PRFSPOOLを設定してください。
環境変数PRFSPOOLは、次の形式で設定されます。
Java EEサーバ構築先ノードのJava EE Serverログ出力先ディレクトリー/nodes/ノード名/PRF名
-
-
client_application_classfileオプションには、ほかのユーザークラスによってクラスが決定し、クラスパスJVMオプションが使用されていない場合は、CLASSPATHが必要です。
-
-xmlオプションには、クライアント設定XMLファイル(glassfish-acc.xml)が必要です。
ファイル
-
アプリケーション名Client.jarを使用してクライアントアプリケーションを起動します。
-
-xmlオプションを使用する場合はクライアント設定XMLファイル(glassfish-acc.xml)が必要です。
引数
- client_application_classfile
-
クライアントアプリケーションのクラスファイルのパスを指定します。相対パスを指定する場合は、現在のディレクトリーからの相対パスで記述します。
このクラスファイルには、アプリケーションクライアントコンテナーが呼び出すmain()メソッドが含まれている必要があります。
client_application_classfileを使用し、クラスがほかのユーザークラスによって決まる場合は、クラスパスを設定する必要があります。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
クライアントアプリケーションのクラスファイルのパス
デフォルト値:なし
-
- -client client_application_jar
-
クライアントJARファイルのパスを指定します。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
クライアントJARファイルのパス
デフォルト値:なし
-
- -mainclass main_class_name
-
MANIFEST.MFファイルのMain-Classエントリーに指定されているメインクライアントアプリケーションの完全クラス名を指定します。複数のクライアントアプリケーションに対して使用できます。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
メインクライアントアプリケーションの完全クラス名
デフォルト値:
クライアントアプリケーションが複数存在する場合は、クライアントJARファイル内で指定されているクラス
-
- -name display_name
-
クライアントアプリケーションの表示名を示します。複数のクライアントアプリケーションに対して使用できます。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
クライアントアプリケーションの表示名
デフォルト値:
クライアントJARファイル内のapplication-client.xmlのdisplay-name属性に設定されている値
-
- -xml glassfish-acc.xml file
-
クライアント設定XMLファイルのパスを示します。ドメイン、インスタンス、および名称(glassfish-acc.xml)をデフォルトのまま使用している場合、このオプションの指定は任意です。変更している場合は、この値の設定は必須です。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
クライアント設定XMLファイルのパス
デフォルト値:
domain-dir/configディレクトリー内のglassfish-acc.xmlファイル
-
- -textauth
-
認証が必要な場合に、テキスト形式の認証を指定します。
- -targetserver host:port
-
ORBエンドポイントに対してサーバをコンマで区切ったリストを指定します。指定する各サーバにはホストが含まれます。各サーバのポートを指定することもできます。
サーバの指定からポートを省略した場合、デフォルトとして3700が使用されます。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
コンマで区切られたサーバのホスト名およびポート
デフォルト値:なし
-
- -user username
-
EJBコンポーネントなどのアプリケーションで保護されている特定のコンポーネントへのアクセス権限があるユーザーを指定します。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
ユーザー名
デフォルト値:なし
-
- -passwordfile password_file
-
PASSWORD=appclient-passwordの形式でアプリケーションクライアントのパスワードを含むファイル名をフルパスで指定します。
セキュリティー上の理由から、環境変数として指定したパスワードはappclientコマンドでは読み取りません。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
パスワードファイルのパス
デフォルト値:なし
-
- jvm-options
-
クライアントアプリケーションにJVMオプションを設定できます。-clientと-jarを除く有効なJavaコマンドオプションを指定できます。JVMオプションとほかのappclientコマンドのオプションをclass-selectorの前に記述すれば、この2種類のオプションを組み合わせて使用できます。
- class-selector
-
クライアントアプリケーションのクラスに使用する次のどちらかのクラスセレクターを指定します。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
-jar jarファイル名
クライアントJARファイルの名称を指定します。クライアントJARファイルはdeployサブコマンドによってデプロイ時に作成されます。この値を指定すると、クライアントJARファイルのマニフェスト内のClass-Pathの設定が適用され、-classpathオプションの設定は無視されます。
-
クラス名
アプリケーションクライアントのメインクラスの完全修飾名を指定します。アプリケーションクライアントコンテナーはこのクラスのメインメソッドを呼び出し、クライアントを起動します。
デフォルト値:なし
-
- application-options
-
クライアントアプリケーションの引数を指定します。
型:String
指定できる値を次に示します。
-
クライアントアプリケーションの引数
デフォルト値:なし
-
使用例
次の例では、myclientapp.jarという名称のクライアントアプリケーションJARファイルを起動します。
glassfish-acc.xmlはクライアント設定XMLファイルの名称です。scottとsampleはアプリケーションへ渡される引数です。glassfish-acc.xmlとmyclientapp.jarがカレントディレクトリーにない場合は、絶対パスでファイルの場所を指定します。絶対パスを指定しない場合は、相対パスが使われます。相対パスは、コマンドを実行しているディレクトリーからの相対パスとなります。
appclient -xml glassfish-acc.xml -jar myclientapp.jar scott sample