uCosminexus DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド
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3.13.2 ファイル転送機能のためのDocumentBrokerクライアントでの環境設定
(1) ファイル転送サービスの登録
ファイル転送サービスの登録について説明します。ファイル転送サービスは,プログラムをインストールしたときに,インストーラによって[DocumentBroker FTP Service]というサービス名で登録されます。スタートアップの種類は,インストール時には「手動」で登録されます。「自動」にする場合は,コントロールパネルの[管理ツール]−[サービス]の[サービス]ダイアログで変更してください。
(2) 環境変数の設定
ファイル転送サービスを使用するために,クライアントアプリケーション実行環境とファイル転送サービス実行環境に必要な環境変数を設定してください。設定が必要な環境変数について,次に説明します。
- _HIEDMS_FTPDIRの設定
DocumentBroker Development KitまたはDocumentBroker Runtimeのインストールディレクトリが設定されているか確認してください。
文書空間で使用する文字コード種別がUTF-8の場合は,印刷可能なASCIIコードで値を設定してください。
- PATHの設定
次の値を追加します。
- DocumentBroker Development Kitの場合
- インストールディレクトリ\DevKit\bin
- DocumentBroker Runtimeの場合
- インストールディレクトリ\Runtime\bin
- _HIEDMS_FTPMODEの設定
使用するファイル転送サービスの開始モードを指定します。次のどれかを指定してください。なお,この環境変数は,クライアントアプリケーション実行環境だけに必要です。
- STATIC
- 静的モードで開始されたファイル転送サービスを使用します。
- DYNAMIC
- 動的モードで開始されたファイル転送サービスを使用します。
- NONE
- ファイル転送サービスを使用しません。
この環境変数の設定を省略した場合,「NONE」が仮定されます。
- _HIEDMS_FTPORBBOA_OPTIONの設定
動的モードで開始されるファイル転送サービスプロセスに固有のORBおよびBOAのオプションを指定します。この環境変数は,クライアントアプリケーション実行環境だけに必要です。
この環境変数の設定を省略した場合に仮定される値はありません。ORBおよびBOAのオプション以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
動的モードで開始されるファイル転送サービスプロセスのORBおよびBOAのオプションは,ファイル転送サービス環境定義ファイルの[FtpService]セクションのFtpProcessOrbBoaOptionエントリの値と,この環境変数に設定した値を連結した値になります。
静的モードで開始する場合,この環境変数を設定しても無視されます。静的モードで開始する場合は,ファイル転送サービス環境定義ファイルの[FtpProcessXXXX]セクション(XXXXは0001〜0020)のOrbBoaOptionエントリに設定してください。
なお,この環境変数は,TPBroker V5と連携して動作する環境では指定できません。
TPBroker V5環境で指定した場合は,指定が無視されます。TPBroker V5環境では,VisiBrokerプロパティとして_HIEDMS_FTPVB_PROPERTYに指定してください。
- _HIEDMS_FTPVB_PROPERTYの設定
動的モードで開始されるファイル転送サービスプロセスに固有のVisiBrokerプロパティを指定します。この環境変数は,クライアントアプリケーション実行環境だけに必要です。
この環境変数の設定を省略した場合に仮定される値はありません。VisiBrokerプロパティ以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。指定できるプロパティの詳細は,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
動的モードで開始されるファイル転送サービスプロセスのVisiBrokerプロパティは,ファイル転送サービス環境定義ファイルの[FtpService]セクションのFtpProcessVBPropertyエントリの値と,この環境変数に設定した値を連結した値になります。
静的モードで開始する場合,この環境変数を設定しても無視されます。静的モードで開始する場合は,ファイル転送サービス環境定義ファイルの[FtpProcessXXXX]セクション(XXXXは0001〜0020)のVBPropertyエントリに設定してください。
なお,この環境変数は,TPBroker V3と連携して動作する環境では指定できません。
TPBroker V3環境で指定した場合は,指定が無視されます。TPBroker V3環境では,ORB/BOAオプションとして_HIEDMS_FTPORBBOA_OPTIONに指定してください。
(3) ファイル転送サービス環境定義ファイルの設定
(4) ファイル転送サービスのメモリ所要量の見積もり
ファイル転送サービスを使用する場合のメモリ所要量を算出します。計算式を次に示します。
- 計算式(単位:メガバイト)
- TPBroker V3を使用する場合
- 4+3×p+(0.02+d)×u
- ただし,d=(4×s)
- TPBroker V5を使用する場合
- 7+5×p+(0.02+d)×u
- ただし,d=(4×s)
- p,u,およびsに設定する値の説明を次の表に示します。なお,sの単位は,メガバイトです。
表3-9 ファイル転送サービスの所要メモリの計算式で使用する変数と設定する値
| 変数 |
指定する値 |
| p |
ファイル転送サービスプロセス数 |
| u |
同時にファイル転送するセッション数 |
| s |
次の1.と2.で算出した値の中での最大値
- マルチファイル文書の場合
DocumentSpace構成定義ファイルのBlobSubstrModeエントリに指定する値によって,算出値が異なります。
ALLまたはELEMENTの場合:文書空間で管理する最大ファイルサイズ
THRESHOLDの場合:BlobSubstrThresholdエントリ値
- 上記以外の文書の場合
文書空間で管理する最大文書サイズ
|
(5) ファイル転送サービスの開始モードの設定
DocumentBrokerクライアント側での環境設定の際に,ファイル転送サービスの開始モードとして,「静的モード」または「動的モード」のどちらかを設定する必要があります。開始モードは,環境変数「_HIEDMS_FTPMODE」で設定します。環境変数「_HIEDMS_FTPMODE」については,「(2) 環境変数の設定」を参照してください。
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