ここでは,障害が発生した時に,DocumentBrokerが出力する情報について説明します。
運用中のメッセージは,syslogに出力されます。
発生した障害の切り分けや,原因究明のためにトレースファイルを出力します。関数トレースやメッセージも出力されます。
トレースファイルは,環境変数「_HIEDMS_TRACE_DIR」に指定したディレクトリに出力されます。
デフォルトの出力先は,UNIXの場合は<インストールディレクトリ>/spool/clientカレントディレクトリ,Windowsの場合は<インストールディレクトリ>¥spool¥clientカレントディレクトリです。
トレースファイルの出力ファイル名は,環境変数に指定できません。次のファイル名で出力されます。
EDMRasTraceCL"PID"_"NO".log
トレースを出力するファイルサイズの上限を超えた場合に,切り替えるファイルの数を指定できます。環境変数「_HIEDMS_TRACE_NUM」に,切り替えることができるファイルの数を0,または2~16の値で指定します。デフォルトは2です。切り替えるファイルの数の上限を超えると,最初のファイルに戻って出力します。このとき,ファイルは上書きされます。0を指定した場合,ファイルは作成されません。この場合,障害の切り分けや障害の原因究明などに必要な情報は出力されませんの注意してください。
トレースを出力するファイルのサイズを,環境変数「_HIEDMS_TRACE_SIZE」に4096~2147483647の値で指定します。
デフォルトは1048576(1メガバイト)です。
トレースの出力レベルを変更できます。環境変数「_HIEDMS_TRACE_LEVEL」にトレースレベルを指定します。デフォルトは10です。トレースレベルと出力情報について,次の表に示します。
表I-1 トレースレベルと出力情報
トレースレベル | 出力情報 |
---|---|
-1 |
|
0 |
|
10(デフォルト) |
|
トレースレベルが-1の場合,環境変数「_HIEDMS_TRACE_NUM」にデフォルトの値または2以上の値が指定されていても,トレースを出力するファイルの数は一つです。
トレースファイルは,環境変数「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS_CLT」に指定した日数だけ保存されます。1~365の日数を指定します。デフォルトは0(日)です。0を指定した場合はトレースファイルは削除しません。
クライアントアプリケーションの停止時,トレースファイルの出力先ディレクトリに,環境変数「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS_CLT」で指定した保存日数を超えるトレースファイルが存在する場合,これらのファイルは削除されます。
削除対象は,「(a) 出力先ディレクトリ」の指定内容に対応した出力先のファイルです。
一つのシステムでは環境変数「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS」と「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS_CLT」は同じ値を設定することを推奨します。
なお,環境変数「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS」の詳細については,マニュアル「uCosminexus DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド」の,障害が発生した時にDocumentBrokerが出力する情報に関する説明を参照してください。
ファイル転送サービス起動時に,環境変数「_HIEDMS_TRACE_KEEP_DAYS_CLT」で指定した保存日数を超えるサービスのワークディレクトリを削除します。ファイル転送サービスが作成していないディレクトリの場合でも,名称が14桁の数字で構成されているディレクトリは削除の対象となります。
削除対象となるディレクトリの例を次に示します。