ここでは,オブジェクトを操作するために使用する次の概念について説明します。
クラスとは,オブジェクトの型を定義したひな形です。すべてのDMAオブジェクトは,DMAクラスの一つを基にして作成します。あるクラスを基にして作成されたオブジェクトは,そのクラスのインスタンスです。したがって,同じクラスを基に作成されたオブジェクトは,すべて同じ型を持っています。
DocumentBrokerでは,用途に応じたDMAクラスを用意しています。クライアントアプリケーションは,これらから必要に応じたDMAクラスを選択してオブジェクトを作成する必要があります。
例えば,文書を表現するには,dmaClass_DocVersionクラスというDMAクラスを使用します。dmaClass_DocVersionクラスに基づいて作成する(インスタンス)オブジェクトは,DocVersionオブジェクトです。
クラスには,プロパティが定義されています。プロパティとは,オブジェクトの状態を表す属性です。
同じクラスから作成されたオブジェクトは,同じプロパティを持っています。DocumentBrokerでは,プロパティの値を取得したり,プロパティに値を設定したりすることによって,文書を検索したり更新したりします。
メソッドとは,クライアントアプリケーションが使用するコマンドで,オブジェクトの状態を参照したり更新したりするための手段として使用します。つまりメソッドは,プロパティに値を設定したり,プロパティから値を取得したりするために使用します。
GUIDは,クラスおよび検索に使用するオペレータ(問い合わせ演算子)を識別するために付けられる識別子です。メソッドで使用するデータ型であるDmaIdは,GUIDです。
また,すべてのDMAオブジェクトには,プロパティとしてOIIDが付けられています。OIIDは,SystemオブジェクトのGUID,DocSpaceオブジェクトのGUID,文書空間特有のオブジェクトの識別子から構成され,URLの形式で定義されています。このOIIDを基に,DMAオブジェクトを探索できます。
OIIDに使用するURLの文法については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 クラスライブラリ C++ リファレンス 基本機能編」を参照してください。