ここでは,文書間リレーション機能の概要について説明します。
文書と文書を関連づけて管理する機能を,文書間リレーションといいます。
文書間リレーションは,次のような場合に使用できます。
DocumentBrokerでは,二つの文書を文書間リレーションを利用して関連づけます。このとき,文書間リレーションを設定した文書をリレーション元文書,文書間リレーションを設定された文書をリレーション先文書といいます。
一つのリレーション元文書は,複数のリレーション先文書と関連づけることができます。また,一つのリレーション先文書も,複数のリレーション元文書から関連づけられることができます。これによって,リレーション元文書とリレーション先文書は,m:n(m,nは1以上の整数)で関連づけることができます。
一つのリレーション元文書と一つのリレーション先文書を関連づけるために,一つの文書間リレーションを設定します。したがって,m×n個(m,nは1以上の整数)の文書間リレーションを設定することで,m個のリレーション元文書とn個のリレーション先文書を関連づけることができます。
文書間リレーションは,次のDMAオブジェクトによって表されます。
リレーションは,リレーション元文書から操作します。Relationshipオブジェクトは,リレーション元文書から文書間リレーションを設定するメソッドをコールした時に作成されます。また,リレーションには,プロパティも設定できます。
リレーションは,文書を表す次のクラス間のオブジェクトの関連づけに使用できます。
バージョンなし文書に文書間リレーションを設定する場合,リレーションは,それぞれの文書のDMAオブジェクトのDocVersionオブジェクトとDocVersionオブジェクトを関連づけます。
バージョンなし文書間にリレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成を次の図に示します。
図3-30 バージョンなし文書間に文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成
また,図3-31のように,バージョンなし文書とバージョン付き文書の1バージョンに対応するバージョンなし文書のDocVersionオブジェクトに対してリレーションを設定することもできます。
図3-31 バージョンなし文書とバージョン付き文書の間に文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成
ただし,バージョン付き文書から,1バージョンに当たるバージョンなし文書のリレーションを操作することはできません。バージョンなし文書のリレーションを操作する場合は,バージョンなし文書に接続する必要があります。
バージョン付き文書に文書間リレーションを設定する場合,リレーションは,それぞれの文書のDMAオブジェクトのConfigurationHistoryオブジェクトとConfigurationHistoryオブジェクトを関連づけます。
バージョン付き文書間にリレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成を次の図に示します。
図3-32 バージョン付き文書間にリレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成
文書間リレーションは,バージョンなし文書とバージョン付き文書の間に設定することもできます。この場合,リレーションはDocVersionオブジェクトとConfigurationHistoryオブジェクトを関連づけます。
バージョンなし文書をリレーション元文書,バージョン付き文書をリレーション先文書として,文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成を,次の図に示します。
図3-33 バージョンなし文書をリレーション元文書,バージョン付き文書をリレーション先文書として文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成
バージョン付き文書をリレーション元文書,バージョンなし文書をリレーション先文書として,文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成を,次の図に示します。
図3-34 バージョン付き文書をリレーション元文書,バージョンなし文書をリレーション先文書として文書間リレーションを設定した場合のDMAオブジェクトの構成