ここでは,マルチファイル管理の概要について説明します。
マルチファイルの管理とは,一つの文書に複数のファイルを登録し,一括して管理することです。一つの文書で複数のファイルを管理することによって,次のような文書管理ができます。
バージョンなし文書およびバージョン付き文書は,マルチファイル文書として管理できます。ただし,マルチファイルを管理するバージョンなし文書およびバージョン付き文書では,マルチレンディション管理機能は使用できません。文書間リレーションを設定したり,コンテナの包含要素として管理したり,バージョンを管理したりなど,マルチレンディション以外の機能は使用できます。
また,マルチファイルを管理する場合と,しない場合とで,バージョンなし文書およびバージョン付き文書を構成するDMAオブジェクトが異なります。このため,バージョンなし文書およびバージョン付き文書の操作に使用するメソッドの引数が異なる場合があります。例えば,マルチファイルを管理しないバージョンなし文書はCdbrDocument::CreateObjectメソッドの引数に登録するファイルのパス名を指定して作成し,マルチファイルを管理するバージョンなし文書はCdbrDocument::CreateObjectメソッドの引数に登録するファイルのファイルパス情報が設定されたSDBR_PATHLIST構造体を指定して作成します。また,レンディションを追加する場合に使用するCdbrDocument::AddRenditionメソッドまたはCdbrVersionableDocument::AddRenditionメソッドのように,マルチファイルを管理するバージョンなし文書およびバージョン付き文書では使用できないメソッドもあります。詳細については,各メソッドの説明を参照してください。
マルチファイルの管理では,バージョンなし文書およびバージョン付き文書をマルチファイル文書として管理できます。マルチファイルを管理する場合としない場合とで,バージョンなし文書およびバージョン付き文書を構成するDMAオブジェクトが異なります。
マルチファイルを管理するバージョンなし文書を構成するDMAオブジェクトの種類を次に示します。ContentTransfersオブジェクト以外のオブジェクトについては,マルチファイルを管理しないバージョンなし文書と同様です。
マルチファイルを管理するバージョンなし文書とDMAオブジェクトの関係を次の図に示します。
図3-24 マルチファイルを管理するバージョンなし文書とDMAオブジェクトの関係
マルチファイルを管理するバージョン付き文書を構成するDMAオブジェクトの種類を次に示します。ContentTransfersオブジェクト以外のオブジェクトについては,マルチファイルを管理しないバージョン付き文書と同様です。また,ContentTransfersオブジェクトについては,マルチファイルを管理するバージョンなし文書と同様です。
マルチファイルを管理するバージョン付き文書とDMAオブジェクトの関係を次の図に示します。
図3-25 マルチファイルを管理するバージョン付き文書とDMAオブジェクトの関係