ここでは,クラスライブラリで扱うクラスの概要について説明します。
クラスとは,オブジェクトを作成するためのひな形です。
クラスライブラリを使用する場合,次の2種類のクラスについて理解する必要があります。
なお,クラスライブラリのクラス名には,クラス名の先頭に「Cdbr」が付きます。DMAクラスのクラス名には,クラス名の先頭に「dmaClass_」または「edmClass_」が付きます。
DMAクラスは,DMAオブジェクトのひな形になるクラスです。
DMAでは,文書管理に必要なオブジェクトを作成するためのクラスを規定しています。例えば,個々の文書に相当するオブジェクト,文書の形式を表すオブジェクト,文書の実体を管理するオブジェクトなど,DMAの文書管理インターフェースに必要なオブジェクトは,DMAクラスを基に作成されます。また,DMAが規定したクラスに加えて,DocumentBrokerでは,拡張した機能を持つDMAクラスを提供しています。例えば,構成管理機能を持つDMAオブジェクトを管理する機能を持つDMAオブジェクトは,DocumentBrokerが拡張したDMAクラスを基に作成されます。
なお,DMAクラスは,データベースの表に対応します。したがって,DMAオブジェクトは,データベース上に存在するオブジェクトになります。DMAオブジェクトとデータベースの関係については,「2.7 オブジェクトとデータベースの関係」を参照してください。
クラスライブラリのクラスは,DMAオブジェクトをまとめて操作するための機能を持ったクラスです。文書を管理するための機能ごとに,必要なDMAオブジェクトを操作する機能を持ったクラスが定義されています。
また,文書やコンテナを作成,操作するためのクラスは,文書やコンテナに必要な複数のDMAクラスを構成要素として持ち,これらをまとめて作成するためのひな形になります。
例えば,「バージョン管理する文書」を作成,操作するためのクラスライブラリのクラスであるCdbrVersionableDocumentクラスは,次のようなDMAクラスを構成要素として持っています。
クラスライブラリのオブジェクトとしてCdbrVersionableDocumentオブジェクトを作成すると,これらのDMAクラスを基にしたDMAオブジェクトがまとめて作成されます。そして,作成したDMAオブジェクトを操作する機能も,CdbrVersionableDocumentクラスのメソッドとして実装されています。
つまり,クラスライブラリのクラスは,クラスライブラリで操作するオブジェクトを定義したひな形であり,同時に複数のDMAオブジェクトをまとめて操作するためのインターフェースを提供しています。