ここでは,CdbrVersionableクラスの概要について説明します。
文書またはコンテナは,バージョンを付けて管理できます。例えば,文書に対して,第1版,第2版などのバージョンを付けておくことで,過去のある時点での文書を取り出したり,その文書を基に新たな文書を作成したりできます。
バージョンは,新規に文書またはコンテナを保存した時から付けることができます。保存した文書またはコンテナは,更新する時に新しいバージョンを追加して更新するか,既存のバージョンに上書きして更新するか選択できます。新しいバージョンを追加して更新する場合に,バージョン管理機能を使用します。
バージョン管理機能とは,チェックイン,チェックアウトという操作によって新しいバージョンを追加したり,バージョン情報の一覧を取得して特定のバージョンを指定して操作したりする機能です。また,バージョンごとにプロパティの設定もできます。この機能は,CdbrVersionableクラスが提供するバージョン管理機能によって実現します。
なお,CdbrVersionableクラスは抽象クラスです。CdbrVersionableクラスでは,次に示すサブクラスでバージョン管理機能を使用するためのメソッドなどを提供しています。
したがって,CdbrVersionableDocumentオブジェクトとして作成されたバージョン付き文書およびCdbrConfiguratedReferentialContainerオブジェクトとして作成されたバージョン付き構成管理コンテナが,バージョン管理の対象になります。
CdbrVersionableクラスを構成するDMAオブジェクトの種類を次に示します。
DMAオブジェクトについての詳細は,「付録A DMAオブジェクトの概要」を参照してください。
CdbrVersionableクラスのオブジェクトとDMAオブジェクトの関係について次の図に示します。
図3-16 CdbrVersionableクラスのオブジェクトとDMAオブジェクトの関係
バージョン管理をしている文書やコンテナでは,プロパティとして,次の2種類の情報が設定できます。
例えば,文書を管理するときに,すべてのバージョンに共通である文書名をConfigurationHistoryオブジェクトのプロパティとして設定したり,個々のバージョンで異なる情報である更新日をDocVersionオブジェクトのプロパティとして設定したりして,管理できます。