2.5.4 抽象クラス

ここでは,クラスライブラリのクラスのうち,抽象クラスについて説明します。抽象クラスとは,そのクラス自身単独のオブジェクトを生成しないクラスです。

クラスライブラリとして提供する抽象クラスは,次の4種類です。

クラスライブラリの各クラスは,これらの抽象クラスをスーパークラスに持つことによって,その抽象クラスの機能(プロパティとメソッド)を継承して使用できます。

<この項の構成>
(1) CdbrCoreクラス
(2) CdbrDMAクラス
(3) CdbrContainableクラス
(4) CdbrVersionableクラス

(1) CdbrCoreクラス

エラー管理機能を提供するクラスです。

クラスライブラリのクラスのうち,CdbrVariableArrayクラスおよびCdbrCompoundクラス以外のすべてのクラスのスーパークラスです。

(2) CdbrDMAクラス

構成要素としてDMAオブジェクトを作成するクラスに共通のスーパークラスです。

DMAクラスのdmaClass_DMAクラスに対応するクラスです。

CdbrDMAクラスでは,このクラスを継承するクラスに共通なメソッドとして,主に次のようなメソッドを提供します。

OIIDとは,文書空間でのオブジェクトの存在や格納位置を表す識別子です。OIIDの形式については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 クラスライブラリ C++ リファレンス 基本機能編」を参照してください。

(3) CdbrContainableクラス

コンテナで管理される要素(文書やコンテナ)を生成するクラスのスーパークラスです。このクラスは,次のクラスのスーパークラスです。

コンテナによってまとめて管理できるのは,これらのCdbrContainableクラスを継承したクラスから作成されたオブジェクトです。

(4) CdbrVersionableクラス

CdbrVersionableDocumentクラスおよびCdbrConfiguratedReferentialContainerクラスのスーパークラスです。文書やコンテナをバージョン管理するための機能を提供します。このクラスを継承したクラスを基に作成したオブジェクトは,バージョン管理の対象になります。