ここでは,文書またはコンテナをバージョン管理機能を使用して管理する方法について説明します。この説明中の文書とは,バージョン付き文書です。コンテナは,バージョン付き構成管理コンテナです。
文書やコンテナを更新する場合に,バージョンを追加して新しいバージョンを作成する時,チェックアウトとチェックインという操作をします。
チェックアウトおよびチェックインについて説明します。
図3-17 チェックアウトをしている状態のDMAオブジェクトの構成
図3-18 チェックインをした状態のDMAオブジェクトの構成
チェックアウトされたバージョンを参照,操作する場合,仮のバージョン識別子を指定します。仮のバージョン識別子は,チェックアウトを実行した時に取得でき,チェックインを実行した時に無効になります。仮のバージョン識別子は,チェックイン後のバージョンの識別子とは異なりますので,ご注意ください。
バージョンをチェックアウトしたあとで,チェックアウトを取り消す場合は,VersionRevokeメソッドをコールします。このメソッドによって,仮のバージョンおよび仮のバージョン識別子は破棄されます。
バージョンには順序があります。バージョンの順序とは,それぞれのバージョンをチェックインした順序です。バージョンの順序は,バージョン管理できるオブジェクトの構成要素である,DMAオブジェクトのVersionSeriesオブジェクトが保持しています。なお,最新のバージョンのことを,カレントバージョンといいます。
バージョンの順序は,GetVersionListメソッドまたはGetVersionListAndLockメソッドによって取得できます。引数の指定によって,新しいバージョンから取得したり,古いバージョンから取得したりできます。
特定のバージョンに対応する文書またはコンテナを操作する場合は,メソッドの引数としてバージョン識別子を指定します。バージョン識別子は,GetVersionListメソッドまたはGetVersionListAndLockメソッドを使用して取得します。
チェックアウトしている文書またはコンテナのバージョンを指定する場合は,チェックアウト時に取得した仮のバージョン識別子を指定します。仮のバージョン識別子は,VersionCheckOutメソッドをコールした時に取得できます。また,すでにチェックアウトされているオブジェクトの仮のバージョン識別子を,GetReservationStatusメソッドまたはGetReservationStatusAndLockメソッドによって,バージョンのチェックアウト状態を確認して取得することもできます。
バージョンを指定して文書やコンテナを操作できるメソッド(引数でバージョン識別子を指定できるメソッド)で,バージョン識別子にNULLを指定した場合,メソッドは最新のバージョンに対して処理を実行します。