3.1.10 構成管理コンテナ

ここでは,構成管理コンテナを使用した管理方法について説明します。

構成管理コンテナでは,関連づけている文書やコンテナがバージョンを持っている場合に,バージョンを特定して文書やコンテナを管理できます。

構成管理コンテナを使用すると,関連づける文書やコンテナに対して,常に最新のバージョンを管理するか,ある特定のバージョンを管理し続けるかを指定できます。常に最新のバージョンを管理するモードをFLOATINGモード,特定のバージョンを管理し続けるモードをFIXモードといいます。

構成管理コンテナには,バージョン付き構成管理コンテナとバージョンなし構成管理コンテナがあります。バージョンなし構成管理コンテナは,バージョン付き構成管理コンテナの1バージョンに対応します。また,構成管理コンテナ自体をバージョンアップしない場合は,バージョンなし構成管理コンテナを使用できます。

バージョン付き構成管理コンテナを使用すると,構成管理コンテナのバージョンと管理するモードを組み合わせて,関連づける文書やコンテナの構成管理をすることができます。

例えば,プロジェクトAの提案資料コンテナはバージョン付き構成管理コンテナです。関連づけている発表資料,補足資料はバージョン付き文書,配布資料はバージョン付き構成管理コンテナです。提案資料コンテナでは,第1回目の提案をした段階の資料をコンテナのバージョン1,それ以降に変更した資料をコンテナのバージョン2で管理しています。提案資料コンテナのバージョン1で資料をFIXモードで管理することによって,第1回目の提案以降に資料がバージョンアップした場合も,常に第1回提案時点の状態の資料を参照できます。提案資料コンテナのバージョン2では資料をFLOATINGモードで管理することによって,常に各資料の最新バージョンを参照できます。

構成管理コンテナによる構成管理の例を次の図に示します。

図3-11 構成管理コンテナによる構成管理の例

[図データ]

同様に,第2回目の提案を実施してその状態を管理しておきたい場合は,バージョン2のコンテナの管理モードをFIXモードに変更すれば,第2回目提案時点の状態の資料を管理し続けることができます。この場合,提案資料コンテナをバージョンアップして,バージョン3の提案資料コンテナで資料をFLOATINGモードで管理すれば,そのコンテナをたどることで最新の資料を参照できます。

バージョン付き構成管理コンテナは,CdbrConfiguratedReferentialContainerクラスのオブジェクトとして作成します。バージョンなし構成管理コンテナは,CdbrVersionTraceableContainerクラスのオブジェクトとして作成します。

また,構成管理コンテナによる構成管理の対象になるのは次のオブジェクトです。

詳細については,「3.10 構成管理コンテナを使用した文書の構成管理」を参照してください。