ここでは,クラスライブラリの特長と機能について説明します。
DocumentBrokerでは,DMAのオブジェクトモデルに基づいたオブジェクトを使用して,文書を管理します。DocumentBrokerでは,DMAのオブジェクトモデルに基づいたオブジェクト(DMAオブジェクト)を組み合わせて使用することによって,高度な文書管理機能を実現しています。
DMAオブジェクトを一つ一つ意識してクライアントアプリケーションを設計するためには複雑なプログラミングが必要です。DocumentBroker Development Kitでは,より単純なプログラミングによってクライアントアプリケーションを設計できるように,クラスライブラリを提供しています。クラスライブラリには,次のような特長があります。
- 複数のDMAオブジェクトをまとめて,一つのオブジェクトとして操作できます。
例えば,DMAオブジェクトには文書を表現するオブジェクト,文書の表現形式を管理するオブジェクト,文書のコンテント(内容)に相当するオブジェクトなどがあります。一つの文書を操作するためには,これらのDMAオブジェクトをすべて操作する必要があります。
クラスライブラリでは,「文書」「フォルダ」など,文書管理に使用するコンポーネントに必要なDMAオブジェクトを,まとまった一つのオブジェクトとして扱うことができます。このため,文書を表す一つのオブジェクトを操作することで,文書を表現するオブジェクト,文書の表現形式を管理するオブジェクト,文書のコンテントに相当するオブジェクトなどを含んだ,一つの文書が操作できます。
- 文書管理に必要な操作が,メソッドとして提供されています。
DMAオブジェクトは,プロパティの値を設定,変更することで操作します。文書管理の操作を実現するためには,文書を構成する複数のDMAオブジェクトに対して,それぞれ適切なプロパティを設定する必要があります。
クラスライブラリでは,文書管理に必要な操作をメソッドとして提供しています。クラスライブラリのメソッドをコールすることによって,その操作に必要なプロパティがDMAオブジェクト上に設定されます。このため,それぞれのDMAオブジェクトのプロパティをすべて意識して操作する必要はありません。
クラスライブラリのオブジェクトは,ひな形となるクラスライブラリのクラスを基に作成します。このクラスは,実現する機能ごとに,複数のDMAのクラスから構成されています。クラスライブラリのクラスを基にオブジェクトを作成することによって,その機能を実現するのに必要な複数のDMAオブジェクトが作成されます。
クラスライブラリのオブジェクトとDMAオブジェクトの関係について,図1-2に示します。
図1-2 クラスライブラリのオブジェクトとDMAオブジェクトの関係
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