ここでは,文書間リレーションを設定して文書を管理する例について説明します。
文書間リレーションを設定した文書の例を次の図に示します。
ここでは,文書「論文」から文書「参考文献1」,「参考文献2」および「引用元文書」に対して文書間リレーションを設定します。
図3-35 文書間リレーションを設定した文書の例
なお,設定したリレーションは,リレーション元文書が管理します。したがって,リレーションを操作する場合は,リレーション元文書から操作します。なお,リレーションを指定した操作をする場合には,リレーション識別子が使用できます。リレーション識別子は,リレーションを設定した時に取得できます。この識別子を使用して,リレーションを指定した操作や,リレーションのプロパティを取得および設定できます。
文書間リレーションによって関連づけられた文書は,双方向に参照できます。例えば,図3-35の場合に,「論文」からリレーション先の文書である「参考文献1」,「参考文献2」および「引用元文書」を参照できます。また,「参考文献1」から,リレーション元の文書として「論文」を参照できます。
リレーション先文書またはリレーション元文書を参照するための情報は,リレーション情報として取得します。リレーション情報とは,次の情報です。
また,リレーション先文書がすでに削除されている場合は,リレーション識別子とリレーションのプロパティだけがリレーション情報として取得できます。
ここでは,リレーションを削除した場合に削除されるオブジェクトについて説明します。
リレーションを削除する場合は,リレーション元文書に接続した状態で,削除するリレーションを指定してRemoveRelationメソッドをコールします。このとき,リレーション元文書およびリレーション先文書は削除されません。
リレーション元文書を削除すると,設定していたリレーションも削除されます。
また,バージョン付き文書の1バージョンに当たるバージョンなし文書がリレーション元文書の場合に,バージョン付き文書からそのバージョンを削除したときも,バージョンなし文書に設定されていたリレーションが削除されます。
ただし,リレーション先文書は削除されません。
リレーション先文書を削除した場合,リレーションおよびリレーション元文書は削除されません。したがって,リレーション元文書には,リレーション先文書がないリレーションが設定されたまま残ります。このリレーションを削除する場合は,リレーション元文書に接続して,RemoveRelationメソッドをコールしてください。
リレーション先文書がないリレーションは,リレーション元文書からGetRelationListAndLockメソッドまたはGetRelationListメソッドによって,リレーション情報の一覧を取得することで確認できます。