3.1 文書管理で使用するオブジェクトと管理方法

DocumentBrokerによる文書管理で使用するオブジェクトと,そのオブジェクトを使用した管理方法について説明します。

DocumentBrokerの文書管理では,文書とコンテナというオブジェクトを使用します。文書およびコンテナを表すオブジェクトには複数の種類があり,それぞれに特長があります。DocumentBrokerによって文書管理を実現するためには,まず,それぞれのオブジェクトの特長を理解して,実現したい業務に合ったオブジェクトを使用する必要があります。

DocumentBrokerで扱う文書およびコンテナのオブジェクトの種類を,次の表に示します。

表3-1 DocumentBrokerで扱う文書およびコンテナ

文書とコンテナの種類クラスライブラリのオブジェクトオブジェクト名
文書
バージョン付き文書
バージョンなし文書CdbrDocument
CdbrVersionableDocument
コンテナ構成管理機能がないコンテナバージョンなしコンテナCdbrReferentialContainer
構成管理機能があるコンテナ(構成管理コンテナ)バージョンなし構成管理コンテナCdbrVersionTraceableContainer
バージョン付き構成管理コンテナCdbrConfiguratedReferentialContainer

なお,それぞれのオブジェクトをまとめて,次のような総称で表記することがあります。

文書
「バージョンなし文書」と「バージョン付き文書」の総称として使用します。
コンテナ
「バージョンなしコンテナ」,「バージョンなし構成管理コンテナ」および「バージョン付き構成管理コンテナ」の総称として使用します。
構成管理コンテナ
「バージョンなし構成管理コンテナ」と「バージョン付き構成管理コンテナ」の総称として使用します。

また,バージョンなし文書およびバージョン付き文書には,管理するコンテントの種別によって,次の種類があります。

シングルファイル文書
マルチファイル管理機能,リファレンスファイル管理機能およびFile Link連携機能を使用しないコンテントを管理している文書のことです。
この文書では,データベースに登録されている一つのファイルをコンテントとして管理しています。
マルチファイル文書
マルチファイル管理機能を使用しているコンテントを管理している文書のことです。
この文書では,データベースに登録されている複数のファイルをコンテントとして管理しています。
リファレンスファイル文書
リファレンスファイル管理機能を使用しているコンテントを管理している文書のことです。
この文書では,任意のディレクトリに登録されているコンテントを管理しています。データベースでは,そのコンテントロケーションを管理しています。
File Link文書
File Link連携機能を使用しているコンテントを管理している文書のことです。
この文書では,HiRDB File Linkのファイルサーバ上にある一つのファイル,または一つのディレクトリおよびそのサブディレクトリ下のすべてのファイルをコンテントとして管理しています。データベースではそのコンテントへのリンク情報を管理しています。

この節では,これらのオブジェクトを利用して実現できる文書管理の概要について説明します。ここでは,次のように文書を管理しているプロジェクトを例にして説明します。

図3-1 文書管理の例

[図データ]

<この節の構成>
3.1.1 文書(バージョンなし文書)
3.1.2 文書(バージョン付き文書)
3.1.3 マルチレンディション文書
3.1.4 マルチファイル文書
3.1.5 リファレンスファイル文書
3.1.6 File Link文書
3.1.7 文書間リレーション
3.1.8 XML文書管理
3.1.9 コンテナ
3.1.10 構成管理コンテナ
3.1.11 独立データ