uCosminexus DocumentBroker Version 3 オブジェクト操作ツール
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dbrdelcntr(コンテナの削除)
機能
コンテナを削除します。OIIDファイルに複数のOIIDを指定すると,複数のコンテナを一括して削除できます。
操作クラス
- CdbrReferentialContainerクラス
- CdbrVersionTraceableContainerクラス
- CdbrConfiguratedReferentialContainerクラス
形式
dbrdelcntr 〔 -l { DCR 〔 -R 〕 | RCR | VCR | ALL } |
-v { バージョン識別子 | バージョン識別子ファイル } 〕
〔 -k Reference
{ { { 〔 -a { RELATIVE | NONE } 〕
〔 -b コンテント格納先ベースパス 〕
〔 -y 削除ディレクトリのルートパス 〕 } |
〔 -i リファレンス情報ファイル 〕 }
〔 -z 〕 } 〕
{ OIID | OIIDファイル }
オプション
- -l { DCR | RCR | VCR | ALL }
- 包含するオブジェクトとの間に設定されているコンテインメントの種別を指定します。このオプションを省略した場合は,コンテナに包含されているオブジェクトを削除しないで,操作対象に指定したコンテナだけを削除します。
- DCR
- 直接型のコンテインメントでコンテナに包含されているオブジェクトを削除します。
- RCR
- 参照型のコンテインメントでコンテナに包含されているオブジェクトを削除します。
- VCR
- 構成管理型のコンテインメントでコンテナに包含されているオブジェクトを削除します。
- ALL
- コンテインメントの種別に関係なくコンテナに包含されているオブジェクトを削除します。
- -R
- 操作対象となるコンテナに包含されているコンテナに対して,直接型のコンテインメントでコンテナに包含されているオブジェクトを再帰的に削除します。このオプションは-l DCRオプションを指定した場合だけ有効です。-l DCRオプションを指定していない場合にこのオプションを指定するとエラーになります。
- -v { バージョン識別子 | バージョン識別子ファイル }
- バージョン付き構成管理コンテナの場合,削除するバージョンのバージョン識別子を指定します。このオプションを省略した場合は,すべてのバージョンおよびバージョン付き構成管理コンテナ自身が削除されます。
- バージョンなしコンテナおよびバージョンなし構成管理コンテナを削除するときにこのオプションを指定するとエラーになります。
- バージョン識別子
- 削除するバージョンのバージョン識別子を指定します。
- バージョン識別子ファイル
- 削除するバージョンのバージョン識別子を記述したバージョン識別子ファイルのファイルパスを指定します。ファイルパスは,絶対パスまたは相対パスのどちらでも指定できます。ただし,「DBRVTVERSION」という文字列および「acl://」で始まるパスは指定できません。なお,バージョン識別子ファイルに記述できるバージョン識別子の数は一つだけです。
- -k Reference
- コンテナに包含されているリファレンスファイル文書を削除します。このオプションは,-lオプションを指定した場合だけ有効です。
- -lオプションを省略してこのオプションを指定すると,エラーになります。また,実行環境制御ファイルのReferenceセクションでContentDeleteModeエントリの指定がSpecifyであり,かつリファレンスファイル文書がコンテナに包含されている場合,このオプションを省略するとエラーになります。
- コンテナ内で,リファレンスファイル文書を,シングルファイル文書,マルチファイル文書やFileLink文書と混在して使用する場合,このオプションの指定を省略してリファレンスファイル文書を削除するには,実行環境制御ファイルのReferenceセクションで,ContentDeleteModeエントリにAutoを指定してください。ContentDeleteModeエントリにAutoを指定することで,自動的にリファレンスファイル文書かどうかを判別して,リファレンスファイル文書を削除します。ただし,ContentDeleteModeエントリの指定がAutoの場合でも,実行環境制御ファイルに,リファレンス情報としてリファレンス種別,コンテント格納先ベースパスおよび削除ディレクトリのルートパスを指定してください。
- 削除するコンテナとコンテナに包含されるリファレンスファイル文書の,リファレンス情報が同じかどうかで,リファレンスファイル文書の削除方法が異なります。削除方法を次に示します。
- 削除するコンテナごとのリファレンス情報が同一の場合
-aオプション,-bオプションおよび-yオプションを指定してください。
- 削除するコンテナごとにリファレンス情報が異なる場合
コンテナごとのリファレンス情報をリファレンス情報ファイルに指定し,-iオプションを指定してください。
- 削除するコンテナ内でリファレンス情報が異なる場合
このコマンドで,コンテナ内のリファレンスファイル文書のすべては削除できません。
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書の削除方法の詳細は,「表5-8 リファレンスファイル文書を扱う場合のオブジェクトの削除方法」を参照してください。
- このオプションを指定した場合も,シングルファイル文書,マルチファイル文書,またはFileLink文書を削除できます。
- -a { RELATIVE | NONE }
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合に,リファレンスファイル文書のリファレンス種別を指定します。
- -kオプションを省略してこのオプションを指定した場合,またはこのオプションと同時に-iオプションを指定した場合,エラーになります。このオプションを省略した場合,実行環境制御ファイルの,ReferenceセクションのDefaultReferenceTypeエントリの指定を使用します。
- RELATIVE
- コンテントの格納先をファイルシステム上の領域とし,コンテントロケーションを相対パスで管理するオブジェクトです。
- NONE
- コンテントがなく,コンテントロケーションを管理しないオブジェクトです。
- RELATIVEを指定すると,リファレンス種別がNONEのリファレンスファイル文書も削除できます。
- -b コンテント格納先ベースパス
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合に,コンテント格納先ベースパスを指定します。このオプションは,実行環境制御ファイルまたは-aオプションで,リファレンス種別の指定がRELATIVEの場合に有効です。
- オプション引数には,コンテントが格納されているディレクトリの基点となるパスを指定します。例えば,コンテナに包含されるリファレンスファイル文書の基点となるパスが「/drv01/dir01/userdir」ディレクトリの場合,このオプションに「/drv01/dir01/userdir」を指定します。このオプションの指定の末尾に,パスのデリミタ「/」(UNIXの場合)または「\」(Windowsの場合)を記述する必要はありません。
- -kオプションの指定を省略してこのオプションを指定した場合,またはこのオプションと-iオプションを同時に指定した場合,エラーになります。このオプションを省略した場合,実行環境制御ファイルの,ReferenceセクションのDefaultContentBasePathエントリの指定を使用します。
- コンテナとコンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合,リファレンスファイル文書のコンテント格納先ベースパスが,すべて一致している必要があります。また,-Rオプションを指定した場合も,コンテナの下位のコンテナに包含されるリファレンスファイル文書のコンテント格納先ベースパスが,すべて一致している必要があります。コンテナ内でコンテント格納先ベースパスが異なる場合の,リファレンスファイル文書の削除方法については,「表5-8 リファレンスファイル文書を扱う場合のオブジェクトの削除方法」を参照してください。
- このオプションに指定したコンテント格納先ベースパスは,ContentLocationプロパティに格納されたコンテント格納先を示す相対パスと結合して,絶対パスとして使用されます。
- Windowsの場合,コンテント格納先ベースパスにUNC形式のパスを使用することもできます。例えば,「server01」というマシンのネットワーク上で共有しているフォルダ「share」をコンテント格納先ベースパスに指定する場合は,このオプションに「\\server01\share」を指定します。
- -y 削除ディレクトリのルートパス
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合,リファレンスファイル文書とリファレンスファイル文書が格納されているディレクトリを同時に削除するときは,削除ディレクトリのルートパスを指定します。ただし,コンテント格納先ベースパスの上位のディレクトリは指定できません。
- このオプションは,実行環境制御ファイルまたは-aオプションで,リファレンス種別の指定がRELATIVEの場合に有効です。
- オプション引数には,削除するディレクトリのルートパスを指定します。例えば,「/drv01/dir01/userdir/user01/<DocumentBrokerがコンテントを管理するためのディレクトリ>/<登録ファイル名>」のディレクトリ中の「user01」ディレクトリ以下を削除する場合は,「user01」ディレクトリのルートパスとして「/drv01/dir01/userdir」を指定します。また,コンテント格納先ベースパスに「/drv01/dir01/userdir」ディレクトリを指定している場合,コンテント格納先ベースパスの上位のディレクトリとなる「/drv01/dir01」は,削除ディレクトリのルートパスに指定できません。なお,このオプションの指定の末尾に,パスのデリミタ「/」(UNIXの場合)または「\」(Windowsの場合)を記述する必要はありません。
- -kオプションの指定を省略してこのオプションを指定した場合,またはこのオプションと-iオプションを同時に指定した場合,エラーになります。このオプションを省略した場合,実行環境制御ファイルの,ReferenceセクションのDefaultDeleteRootPathエントリの指定を使用します。
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合,削除するすべてのリファレンスファイル文書の,コンテントの絶対パスの基点となるパスを指定します。-Rオプションを指定する場合も,すべてのリファレンスファイル文書のコンテントの絶対パスの基点となるパスを指定します。コンテントの絶対パスには,コンテント格納先ベースパスとContentLocationプロパティに格納されたコンテント格納先を示す相対パスを結合したパスが使用されます。
- DocumentBrokerがコンテントを管理するためのディレクトリは,このオプションおよび実行環境制御ファイルのReferenceセクションのDefaultDeleteRootPathエントリで,削除ディレクトリのルートパスの指定を省略した場合も,コンテントと同時に削除されます。
- Windowsの場合,削除ディレクトリのルートパスにUNC形式のパスを使用することもできます。例えば,「server01」というマシンのネットワーク上で共有しているフォルダ「share」を削除ディレクトリのルートパスに指定する場合は,このオプションに「\\server01\share」を指定します。
- -i リファレンス情報ファイル
- コンテナごとにコンテント格納先ベースパスが異なる運用で,複数のコンテナを一括して,コンテナに包含されているリファレンスファイル文書を削除する場合に,リファレンス情報ファイルのファイルパスを指定します。ファイルパスは,絶対パスまたは相対パスのどちらでも指定できます。
- -kオプションの指定を省略してこのオプションを指定した場合,またはこのオプションを,-aオプション,-bオプションおよび-yオプションと同時に指定した場合,エラーになります。
- リファレンス情報ファイルには,コンテナごとに,リファレンスファイル文書のリファレンス情報として,リファレンス種別,コンテント格納先ベースパス,および削除ディレクトリのルートパスを記述します。リファレンス情報ファイルに記述する指定順序は,OIIDファイルで指定するOIIDの順序と一致させてください。また,リファレンス情報ファイルに指定するセクション数は,OIIDファイルに指定するOIIDの数と一致させてください。リファレンス情報ファイルの記述形式については,「3.8 リファレンス情報ファイル」を参照してください。
- -z
- コンテナに包含されているリファレンスファイル文書を削除する場合に,トランザクションをコンテナに包含されているオブジェクト単位に分割して実行します。
- このオプションを指定すると,コマンドの実行時にエラーが発生しても,リファレンスファイル文書のコンテントとオブジェクトの不整合が起きません。このオプションを指定しない場合,トランザクションは,コマンド引数で指定するコンテナ単位に分割して実行します。-kオプションの指定を省略してこのオプションを指定した場合,エラーになります。
コマンド引数
- OIID
- 削除するコンテナのOIIDを指定します。
- OIIDファイル
- 削除するコンテナのOIIDを記述したOIIDファイルのファイルパスを指定します。OIIDファイルには,複数のOIIDが指定できます。ただし,-vオプションを指定している場合,記述できるOIIDの数は一つだけです。
- OIIDファイルのファイル名はオブジェクトのOIID形式以外であれば任意です。ファイルパスは,絶対パスまたは相対パスのどちらでも指定できます。ただし,「dma://」で始まるパスは指定できません。
実行例
図5-1に示すオブジェクト構成を前提としてOBJ_11を削除した場合の,削除対象となる下位オブジェクトとオプション指定との関係を表5-3に示します。
図5-1 オブジェクト構成
![[図データ]](figure/zu050100.gif)
表5-3 -lオプションの指定と削除対象になる下位オブジェクト
| -lオプションの指定 |
削除されるオブジェクト |
コンテインメントによる包含関係が解除されるオブジェクト |
| 指定なし |
OBJ_11 |
OBJ_21,OBJ_22,OBJ_23 |
| -l DCR |
OBJ_11,OBJ_21 |
OBJ_22,OBJ_23,OBJ_31,OBJ_32,OBJ_33 |
| -l DCR -R |
OBJ_11,OBJ_21,OBJ_31 |
OBJ_22,OBJ_23,OBJ_32,OBJ_33 |
| -l RCR |
OBJ_11,OBJ_22 |
OBJ_21,OBJ_23,OBJ_34,OBJ_35,OBJ_36 |
| -l VCR |
OBJ_11,OBJ_23 |
OBJ_21,OBJ_22,OBJ_37,OBJ_38,OBJ_39 |
| -l ALL |
OBJ_11,OBJ_21,OBJ_22,OBJ_23 |
OBJ_31,OBJ_32,OBJ_33,OBJ_34,OBJ_35,OBJ_36,OBJ_37,OBJ_38,OBJ_39 |
注意事項
- バージョン付き構成管理コンテナまたはバージョンなし構成管理コンテナを包含しているバージョンなしコンテナに対して,-lオプションを指定すると,エラーになります。
- -lオプションの指定によって削除されたコンテナと,そのコンテナに包含されるオブジェクトの間に設定されていた包含関係はすべて解除されます。
- コンテインメントの種別に関係なく,-lオプションを指定した場合は,ほかのオブジェクトを包含している場合でも,包含されるオブジェクトは削除されます。
- -lオプションの指定によって削除される下位オブジェクトが文書の場合に,文書に文書間リレーションが設定されているとき,リレーションは次のように扱われます。
- 削除される下位オブジェクトがリレーション元文書の場合,リレーションも削除されます。
- 削除される下位オブジェクトがリレーション先文書の場合,リレーションは削除されません。
- -vオプション指定時には,複数のオブジェクトを一括して削除できません。指定したバージョンを削除できるコンテナは一つだけです。OIIDファイルに複数のOIIDを指定した場合はエラーになります。
- -vオプションのオプションの引数に「DBRVTVERSION」を指定するとエラーになります。
- バージョンなしコンテナの場合に,-lVCRオプションを指定すると,下位オブジェクトは削除されないで,バージョンなしコンテナだけが削除されます。
- バージョン付き構成管理コンテナと同時に削除できるのは,最新バージョンに包含されているオブジェクトです。
- リファレンスファイル文書の場合,コンテントの格納先には,DocumentBrokerサーバから接続可能であり,かつDocumentBrokerサーバから参照可能なディレクトリを設定してください。
- リファレンスファイル文書を扱うコンテントの操作でエラーになると,オブジェクトとコンテントの状態が不整合となり,メッセージKMBR30201-E(要因コード3,86)が出力される場合があります。この場合は,再度,dbrdelcntrコマンド(コンテナの削除)を実行してオブジェクトを削除してください。また,メッセージの詳細については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 メッセージ」を参照してください。
- リファレンスファイル文書を削除する場合に,誤って異なるリファレンスファイル文書のコンテント格納先ベースパスを指定すると,オブジェクトは削除され,コマンドは正常終了します。ただし,コンテントは削除されないため,必要に応じて手動で削除してください。
- リファレンスファイル文書を削除する場合に,リファレンスファイル文書かどうかを自動的に判別して削除するときは,実行環境制御ファイルのReferenceセクションでContentDeleteModeエントリにAutoを指定します。
また,ContentDeleteModeエントリの指定がSpecifyの場合は,-kオプションの指定に従ってリファレンスファイル文書を削除します。そのため,-kオプションの指定を省略するとエラーになります。
ContentDeleteModeエントリの指定とdbrdelcntrコマンド(コンテナの削除)の実行結果については,「表3-2 ContentDeleteModeエントリの指定とdbrdelcntrコマンド,dbrdeldocコマンドの実行結果」を参照してください。
- -lオプションを指定して,コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合,コンテナごとにリファレンスファイル文書のコンテント格納先ベースパスが同一である必要があります。
コンテナ内に,異なるコンテント格納先ベースパスのリファレンスファイル文書が混在している場合は,コンテント格納先ベースパスが同一のリファレンスファイル文書に絞り込んで,同一のコンテント格納先ベースパスごとにdbrdeldocコマンド(文書の削除)でリファレンスファイル文書を削除します。そのあと,dbrdelcntrコマンド(コンテナの削除)でコンテナを削除してください。リファレンスファイル文書の削除の詳細については,「表5-8 リファレンスファイル文書を扱う場合のオブジェクトの削除方法」を参照してください。
- -iオプションとOIIDファイルを指定して,複数のコンテナを一括して削除する場合,-iオプションで指定したリファレンス情報ファイルのセクション数とOIIDファイルのOIIDの数が異なると,エラーになります。
- コンテナに包含されるリファレンスファイル文書を削除する場合,-k Referenceオプションおよび-zオプションを指定します。これらのオプションを指定することで,トランザクションがコンテナに包含されるオブジェクト単位に分割して実行され,エラー発生時のオブジェクトとコンテントの不整合を防ぐことができます。-zオプションを指定しない場合,トランザクションは,コマンド引数で指定するコンテナ単位に分割して実行されます。
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