2.1.1 オブジェクト

Java クラスライブラリでは,次の2種類のオブジェクトを区別して理解しておく必要があります。

<この項の構成>
(1) Javaオブジェクト
(2) 文書空間オブジェクト

(1) Javaオブジェクト

Java言語上のオブジェクトです。Javaオブジェクトは,インターフェースを使用するための実体として,メモリ空間上に作成される概念的なオブジェクトです。

例えば,Javaオブジェクトには,セッションを管理するセッションオブジェクト,文書空間へのアクセスを管理する文書空間アクセスオブジェクト,文書空間オブジェクトの代理オブジェクトであるProxyオブジェクトなどがあります。

Javaオブジェクトの詳細については,「6. Java クラスライブラリの機能」を参照してください。

(2) 文書空間オブジェクト

データベース上に実体が存在するオブジェクトです。文書空間オブジェクトは, DMAオブジェクトによって構成されます。文書空間オブジェクトは,文書管理の用途に応じて,複数のDMAオブジェクトを,一つのまとまったオブジェクトとして扱います。文書空間オブジェクトの構成を次の図に示します。

図2-1 文書空間オブジェクトの構成

[図データ]

DMAオブジェクト
DMAが提唱するオブジェクトモデルに基づいたオブジェクトです。DocumentBrokerでは,DMAオブジェクトを組み合わせて使用することによって文書を管理しています。DMAオブジェクトは,文書空間オブジェクトの構成要素となります。DMAオブジェクトには,文書を表すオブジェクト,文書をまとめるフォルダの役目をするオブジェクト,文書のバージョンを管理するためのオブジェクトなどがあります。一つのDMAオブジェクトは,一つの DMAクラスを基に作成されます。
なお,このマニュアルでは,文書空間オブジェクトを構成するDMAオブジェクトのうち,代表的なDMAオブジェクトをトップオブジェクトといいます。また,トップオブジェクトのクラスをトップオブジェクトクラスといいます。