ここでは,リファレンスファイル文書を管理するための,リファレンスファイル管理機能の概要について説明します。
リファレンスファイル管理機能とは,文書の実体であるコンテンツを任意のディレクトリに格納し,文書のプロパティとコンテンツロケーションだけをデータベースで管理する機能です。
この機能には,次のような特長があります。
リファレンスファイル管理機能では,バージョンなし文書およびバージョン付き文書をリファレンスファイル文書として管理できます。
コンテンツを任意のディレクトリに登録し,そのコンテンツの格納先を,コンテンツロケーションとしてデータベースに登録します。コンテンツロケーションには,ユーザが管理するコンテンツのコンテンツ格納先ベースパスを基点とする相対パス(コンテンツ格納先パス)を登録します。コンテンツは,DocumentBrokerの機能で操作します。
リファレンスファイル管理機能を使用する場合,データベースとコンテンツの整合性を考慮する必要があります。このため,1メソッド1トランザクションとすることを前提としています。文書作成をn件連続で実行し,エラーが発生したときは,ロールバックしたあとにコンテンツだけが存在する状態となります。また,文書削除をn件連続で実行し,エラーが発生したときは,ロールバックしたあとにコンテンツの存在しない文書が残ります。
なお,リファレンスファイル管理機能では,オブジェクトとコンテンツが不整合となる場合があります。不整合となる場合の内容を,次の表に示します。
表3-8 オブジェクトとコンテンツが不整合となる場合
機能 | エラー発生個所 | 不整合の内容 | 対処 |
---|---|---|---|
文書の作成 | コンテンツを登録したあとのエラー | 登録コンテンツが残ります。 | 再度実行して文書を作成してください。 |
文書の更新 | 更新前のコンテンツを削除したあと,更新後のコンテンツを登録するまでのエラー | コンテンツの存在しないオブジェクトが残ります。 | 文書を削除したあと,更新後のコンテンツを使用して文書を作成してください。 |
更新後のコンテンツを登録したあとのエラー | コンテンツの存在しないオブジェクトが残り,登録コンテンツが残ります。 | 文書を削除したあと,更新後のコンテンツを使用して文書を作成してください。 | |
文書の削除 | コンテンツを削除したあとのエラー | コンテンツの存在しないオブジェクトが残ります。 | 再度実行して文書を削除してください。 |
バージョンのチェックアウト | コンテンツを複写したあとのエラー | 複写したコンテンツが残ります。 | チェックアウトを取り消し,コンテンツを削除したあと,ロールバックを実行してください。 |
バージョンの削除 | コンテンツを削除したあとのエラー | コンテンツの存在しないオブジェクトが残ります。 | 再度実行してバージョンを削除してください。 |
チェックアウトの取り消し | コンテンツを削除したあとのエラー | コンテンツの存在しないオブジェクトが残ります。 | 再度実行してチェックアウトを取り消してください。 |