ここでは,文書間リンクを設定した文書管理について説明します。直接型リンク,参照型リンクおよび構成管理型リンクを設定した文書管理については,「3.6 バージョンなしフォルダによる管理モデル」および「3.7 バージョン付きフォルダによる管理モデル」を参照してください。
なお,リンクを管理するための操作の詳細については,「6.8.13 リンクの操作」を参照してください。
文書間リンクを設定した文書の例を次の図に示します。
図3-30 文書間リンクを設定した文書の例
この例では,「論文」をリンク元文書,「参考文献1」,「参考文献2」および「引用元論文」をリンク先文書として文書間リンクを設定しています。
なお,設定したリンクオブジェクトは,リンク元文書が管理します。したがって,リンクオブジェクトのプロパティを設定したり,リンクを解除したりする場合は,リンク元文書またはリンクオブジェクト自身のインターフェースで操作します。
文書間リンクによって関連付けられた文書は,双方向に参照できます。例えば,図3-30の場合に,リンク元文書「論文」からリンク先文書「参考文献1」,「参考文献2」および「引用元論文」の一覧を取得して参照できます。また,リンク先文書「参考文献1」からリンク元文書「論文」を参照できます。
リンク元文書またはリンク先文書を参照する場合は,リンク元文書またはリンク先文書との関連付けを表すリンクオブジェクトの一覧を取得します。リンクオブジェクトをたどってリンク元文書またはリンク先文書を参照します。また,リンクオブジェクト取得時には,次の情報も取得できます。
また,一覧取得時には,すでにリンク先文書が削除されているリンクオブジェクトも取得できます。
ここでは,リンクの解除と,リンク元文書およびリンク先文書の削除の関係について説明します。
リンク元文書からリンクを解除するか,リンクオブジェクト自身のインターフェースでリンクオブジェクトを削除します。
リンク元文書を削除すると,設定されていたリンクオブジェクトも削除されます。また,バージョン付き文書の1バージョンに当たるバージョンなし文書がリンク元文書の場合に,バージョン付き文書からそのバージョンを削除したときも,バージョンなし文書に設定していたリンクは解除されて,リンクオブジェクトも削除されます。ただし,リンク先文書は削除されません。
リンク先文書を削除した場合,設定されていたリンクオブジェクトは削除されません。したがって,リンク元文書には,リンク先文書が削除されているリンクオブジェクトも残ります。この場合,リンク元文書からリンクオブジェクトを削除してください。
リンク先文書との関連付けを表すリンクオブジェクトの一覧を取得すれば,リンク先文書が削除されていないかを確認できます。
リンク元文書,リンク先文書および文書のリンクには,ユーザ定義プロパティを設定して管理できます。リンクのプロパティとは,リンクオブジェクトに設定するプロパティです。リンクオブジェクトのプロパティは,リンク元文書やリンク先文書を分類したり,リンク元文書やリンク先文書のプロパティと組み合わせた管理に使用したりできます。リンクオブジェクトのプロパティは,リンク元文書またはリンクオブジェクト自身のインターフェースを使用して設定します。また,リンクオブジェクトのプロパティは検索に使用できます。検索では,ユーザ定義プロパティのほか,文書間リンクを表すDMAのRelationshipオブジェクトのプロパティとして設定されている,DMAが規定したプロパティ(dmaProp_またはedmProp_で始まる識別子を持つプロパティ)も使用できます。
プロパティを設定した文書間リンクの例を次の図に示します。
図3-31 プロパティを設定した文書間リンクの例
この例では,リンクオブジェクトにユーザ定義プロパティとして,「Type」と「参照日」を設定しています。例えば,リンクオブジェクトのプロパティ「Type」によって,リンク先文書を「参照」と「引用」に分類したりできます。また,リンクオブジェクトのプロパティ「参照日」とリンク先文書のプロパティ「更新日」を比較して,参照後に文書が更新されたかどうかを確認したりできます。また,これらのプロパティを使用して,「リンクオブジェクトの『Type』が『参照』であり,『文書名』が『論文』である文書を検索する」というようなedmSQL検索を実行することもできます。edmSQL検索については,「4. 検索機能」を参照してください。edmSQL検索に指定するedmSQLの文法については,「5. edmSQLの文法」を参照してください。