3.2.1 レンディション管理の概要

ここでは,レンディション管理の概要について説明します。

<この項の構成>
(1) レンディションの種類
(2) レンディションのコンテンツの管理
(3) マルチレンディション文書の用途
(4) DocumentBroker Rendering Optionとの連携

(1) レンディションの種類

Java クラスライブラリでは,バージョンなし文書またはバージョン付き文書に1個または複数のレンディションを登録して管理します。レンディション管理モデルでは,次の二つのレンディションを区別して扱います。

なお,このマニュアルでは,2種類のレンディションを合わせてレンディションといいます。レンディションの種類によって説明が異なる場合は,それぞれ「マスタレンディション」,「サブレンディション」と記述して区別します。それぞれについて説明します。

マスタレンディション
主要なレンディションです。レンディションを1個だけ登録した場合は,そのレンディションがマスタレンディションになります。
サブレンディション
マスタレンディション以外のレンディションです。

文書をマルチレンディション文書として管理する場合,一つの文書に対して,1個のマスタレンディションおよび最大9個のサブレンディションを登録できます。Java クラスライブラリでは,文書の作成時,コンテンツの更新時またはレンディションの追加時に,レンディションを登録できます。また,文書の作成時またはレンディションの追加時には,複数のレンディションを一括して登録できます。

サブレンディションは,削除できます。ただし,マスタレンディションは削除できません。また,サブレンディションをマスタレンディションに変更することもできます。この場合,それまでマスタレンディションだったレンディションはサブレンディションに変更されます。

(2) レンディションのコンテンツの管理

文書のコンテンツ(Wordやテキストエディタなどのアプリケーションプログラムで作成された文書ファイル)は,プロパティおよびレンディションタイプ(MIME形式)の情報をあわせて,レンディションとして文書に登録して管理します。

文書のコンテンツに対しては,次の操作ができます。

(3) マルチレンディション文書の用途

バージョンなし文書またはバージョン付き文書に複数のレンディションを登録して,マルチレンディション文書として管理すると,次のような場合に使用できます。

アクセス制御モデルについては,「3.10 アクセス制御モデル」を参照してください。

(4) DocumentBroker Rendering Optionとの連携

DocumentBroker Rendering Optionと連携すると,登録済みのマスタレンディションのコンテンツを基に,別のレンディションタイプのファイルを自動作成してサブレンディションのコンテンツとして登録できます。この機能をレンディション変換といいます。また,DocumentBroker Rendering Optionにレンディション変換を要求する機能をレンディション変換要求機能といいます。レンディションにコンテンツが登録されていない場合や,サブレンディションのコンテンツが登録されたあとにマスタレンディションのコンテンツが更新された場合などにレンディション変換要求機能を使用すれば,コンテンツの同期を取りながら複数のレンディションを管理できます。

DocumentBroker Rendering Optionの変換対象のレンディションタイプ,対応するファイルの拡張子とアプリケーションプログラムのバージョンなど,DocumentBroker Rendering Optionの詳細については,マニュアル「DocumentBroker Rendering Option システム導入・運用ガイド」を参照してください。