Java クラスライブラリで管理する文書には,次の種類があります。
また,論理構造を持つ文書として,XML文書を管理できます(ただし,AIXの場合を除きます)。
文書を管理する方法には,次の種類があります。
一つのファイルから構成される文書は,最も基本的な文書になります。
例えば,Wordで作成したファイル「報告書.doc」を,DocumentBrokerの文書のコンテンツ(Wordやテキストエディタなどのアプリケーションプログラムで作成された文書ファイル)として管理できます。
文書を更新する時に,履歴を残して管理できます。文書に対して,第1版,第2版などのバージョンを付けておくことで,過去のある時点での文書を取り出したり,その文書を基に新たな文書を作成したりできます。また,その文書が幾つのバージョンを持っているかということも管理できます。
この機能を,バージョン管理機能といいます。
複数の形式に対応するファイルを一つの文書のコンテンツとして管理できます。
この機能は,一つのファイルの内容を,対応するアプリケーションプログラムごとの複数の形式に変換した場合などに使用できます。
例えば,文書「報告書」のコンテンツとして,Wordで作成したファイル「報告書.doc」のほかに,「報告書.doc」をPDF形式に変換したファイル「報告書.pdf」も一緒に登録できます。これによって,ユーザの目的やユーザが使用するマシンの環境などの利用形態に応じて,Word形式のファイルをダウンロードしたり,PDF形式のファイルをダウンロードしたりできます。
この機能を,マルチレンディション機能といいます。
文書の実体であるコンテンツを,DocumentBrokerサーバが存在するマシンから接続できるファイルシステムの任意のディレクトリに格納し,文書のプロパティとコンテンツの格納先の情報(コンテンツロケーション)をデータベースに登録して管理します。コンテンツロケーションには,コンテンツの格納先の基点となるディレクトリパス(コンテンツ格納先ベースパス)からの相対パスが登録されます。コンテンツの格納先を移行する場合などは,データベースに影響を与えることなく,コンテンツ格納先ベースパスを変更するだけで,コンテンツの格納領域を変更できます。また,コンテンツをデータベースに格納しないため,データベースの容量を削減できます。
この機能を,リファレンスファイル管理機能といいます。
XML文書とは,XML形式のファイル(XMLファイル)を文書のコンテンツとして登録した文書です。XMLファイルは,タグによって定義された論理構造を持っています。Java クラスライブラリでは,任意のタグに囲まれた文字列を文書のプロパティの値として割り当てて管理したり,特定の構造に含まれる文字列を指定した検索を実行したりできます。
この機能を,XML文書管理機能といいます。
文書をほかの文書と関連付けて管理できます。ある文書の中で,ほかの文書を参照する記述がある場合などに,文書間にリンクを設定しておくことで,参照元の文書から参照先の文書をたどることができます。また,参照先の文書から参照元の文書をたどることもできます。
Java クラスライブラリでは,文書と文書,文書とフォルダなどの関連づけを表すリンクをオブジェクト(リンクオブジェクト)として管理できます。
文書は,フォルダに格納してまとめて管理したり,フォルダに格納した文書を,別の観点から分類して管理したりできます。
Java クラスライブラリでは,複数の文書をまとめて管理するために,フォルダというオブジェクトを使用します。フォルダと文書にリンクを設定することによって,文書をフォルダにまとめて格納して管理したり,文書を複数の観点から分類して管理したりできます。設定するリンクの種類によって,フォルダと文書は1:n(nは1以上の整数)の関係で関連付けたり,m:n(m,nは1以上の整数)の関係で関連付けたりできます。
例えば,文書をプロジェクト単位でまとめて管理したい場合,プロジェクトごとにフォルダを作成して,1:nの関係でフォルダと文書のリンクを設定すれば,プロジェクトごとに文書を管理できます。また,フォルダに格納された文書を作成者とテーマで分類して管理したい場合,作成者を表すフォルダとテーマを表すフォルダをそれぞれ作成して,m:nの関係でフォルダと文書のリンクを設定すれば,文書を作成者やテーマごとに分類して管理できます。
また,フォルダとフォルダを関連付けることによって,フォルダや分類に階層を持たせることもできます。
フォルダでは,文書の特定のバージョンを管理することもできます。文書やフォルダのバージョンを指定して管理するには,構成管理機能を持つフォルダを使用します。構成管理機能とは,管理している文書やフォルダの,ある時点でのバージョン構成の状態を管理する機能です。例えば,管理する複数の文書が,それぞれ異なるタイミングでバージョンアップする場合などに,構成管理機能を使用します。
構成管理機能を持つフォルダでは,それぞれの文書の最新のバージョンを参照できるようにしたり,文書のバージョンアップに関係なく常にバージョン1やバージョン2など特定のバージョンの文書を参照できるようにしたりできます。ある文書は常に最新のバージョンを参照して,別の文書は特定のバージョンを参照し続ける,ということもできます。
また,このフォルダをバージョンアップすることで,フォルダごとに関連付けている文書やフォルダのバージョン構成をまとめて管理できます。例えば,バージョン1のフォルダからたどる文書をバージョン1で固定したり,バージョン2のフォルダで管理する文書は常に最新のバージョンをたどるようにしたりできます。
Java クラスライブラリでは,文書やフォルダにさまざまな属性を付けて管理できます。この属性をプロパティといいます。文書やフォルダにプロパティを定義すると,プロパティを指定して文書やフォルダを検索できるので便利です。
プロパティには,システムによって定義されるプロパティと,ユーザが任意に追加定義するプロパティがあります。例えば,「報告書.doc」を管理する場合,ユーザが追加したプロパティの値として,「作成者」,「担当部署」,「コメント」などの情報も一緒に管理できます。
バージョン管理できる文書およびフォルダでは,バージョンに共通するプロパティと,個々のバージョンのプロパティを個別に管理できます。また,リンクオブジェクトにプロパティを設定して管理することもできます。
Java クラスライブラリでは,複数の文書やフォルダを一括して管理できます。このため,複数の文書のプロパティを一括して取得したり,複数の文書を一括して削除したりできます。