ここでは,バージョンなしフォルダによる文書管理について説明します。なお,バージョンなしフォルダのリンクを管理するための操作の詳細については,「6.8.13 リンクの操作」を参照してください。
バージョンなしフォルダから文書およびフォルダに,直接型リンクおよび参照型リンクを設定した例を次の図に示します。なお,構成管理型リンクについては,「3.7 バージョン付きフォルダによる管理モデル」を参照してください。
図3-33 バージョンなしフォルダによるリンクの設定例
この例では,バージョンなしフォルダ「プロジェクトX」は,直接型リンクで文書をリンク付け,参照型リンクでフォルダをリンク付けています。直接型リンクでは,上位オブジェクトと下位オブジェクトの関係は1:nになるため,例えば,文書「報告書A」または「報告書B」は,フォルダ「プロジェクトX」と別のフォルダに対して,直接型リンクで同時にリンク付けることはできません。このため,文書「報告書A」または「報告書B」は,参照型リンクを使用して,フォルダ「作成者A」または「帳票」にリンク付けています。
リンクによって関連付けられた上位オブジェクトと下位オブジェクトは,双方向に参照できます。例えば,図3-33の場合は,フォルダ「プロジェクトX」からリンクを設定している文書「報告書A」,「報告書B」およびフォルダ「資料」を参照できます。また,文書「報告書A」からフォルダ「プロジェクトX」および「作成者A」を参照できます。
上位オブジェクトまたは下位オブジェクトを参照する場合は,上位オブジェクトまたは下位オブジェクトとの関連付けを表すリンクオブジェクトの一覧を取得します。リンクオブジェクトをたどって上位オブジェクトまたは下位オブジェクトを参照します。また,リンクオブジェクト取得時には,次の情報も取得できます。
ここでは,リンクの解除と,上位オブジェクトおよび下位オブジェクトの削除の関係について説明します。
上位オブジェクトからリンクを解除するか,リンクオブジェクト自身のインターフェースでリンクオブジェクトを削除します。
上位オブジェクトを削除すると,設定されていたリンクオブジェクトも削除されます。
下位オブジェクトを削除すると,設定されていたリンクオブジェクトも削除されます。ただし,リンクの種類によって,リンクオブジェクトが削除されない場合もあります。詳細については,「3.7.3(4) リンクの解除,上位オブジェクトおよび下位オブジェクトの削除」を参照してください。
バージョンなしフォルダおよびバージョンなしフォルダのリンクには,ユーザ定義プロパティを設定して管理できます。リンクのプロパティとは,リンクオブジェクトに設定するプロパティです。フォルダのプロパティとして「作成者」などを設定しておくと,フォルダの検索で使用できます。また,リンクオブジェクトのプロパティは,検索に使用したり,重要度などの値に応じてソートして,バージョンなしフォルダの下位オブジェクトに順序性を持たせたりできるので便利です。リンクオブジェクトのプロパティは,バージョンなしフォルダを指定して,上位オブジェクトまたはリンクオブジェクト自身のインターフェースを使用して設定します。