EDMRptTraceコマンドの次に示す機能の処理方式について説明します。
EDMRptTraceコマンドの集計機能では,まず,トレースファイル中のトレースログを解析して,トレースログエントリごとにトレース表を作成します。その上で,サーバおよびクライアントのプログラムによる処理内容を,ユーザプログラムのプログラム名,プロセスIDおよびスレッドIDで分類・集計して,結果を標準出力(stdout)またはファイルに出力します。
トレース表の項目を次の表に示します。
表6-10 トレース表の項目
項目名 | 説明 |
---|---|
日付 | サーバまたはクライアントのプログラムが処理を実行した日付(年/月/日)。 |
時刻 | サーバまたはクライアントのプログラムが処理を実行した時刻(時:分:秒.ミリ秒)。 |
プロセスID | 解析対象によって,プロセスIDが異なります。
|
スレッドID | 解析対象によって,スレッドIDが異なります。
|
処理の種別 | enterまたはmsg。enterまたはmsgについては,「表4-4 messageに出力される処理の種別と処理の内容」を参照してください。 |
ユーザプログラムのホスト名 | トレースログに含まれるユーザプログラム情報の項目。クライアントトレースにはありません。 |
ユーザプログラムのプログラム名 | |
ユーザプログラムのプロセスID | |
ユーザプログラムのセッションID | |
プログラム識別子 | |
処理内容またはメッセージ | 処理の種別によって異なります。
|
トレース表の例を表6-11および表6-12に示します。なお,実際には,表6-11の右側に表6-12が続く形式の一つのトレース表として作成されます。クライアントトレースの場合,ユーザプログラム情報の項目を除いた形式のトレース表になります。
表6-11 トレース表の例(1/2)
日付 | 時刻 | プロセスID | スレッドID | 処理の種別 | ユーザプログラムのホスト名※ | ユーザプログラムのプログラム名※ |
---|---|---|---|---|---|---|
2000/06/19 | 02:18:19.388 | 00002541 | 00005488 | enter | ht01 | UAP01 |
2000/06/19 | 02:18:52.261 | 00002541 | 00005488 | enter | ht01 | UAP01 |
2000/06/19 | 02:19:16.420 | 00002541 | 00005488 | msg | - | - |
2000/06/19 | 02:19:16.420 | 00002541 | 00005488 | enter | ht01 | UAP01 |
表6-12 トレース表の例(2/2)
ユーザプログラムのプロセスID※ | ユーザプログラムのセッションID※ | プログラム識別子※ | 処理内容またはメッセージ |
---|---|---|---|
14455 | 545421asd(usr) | EDMS2225 | CedmRasMsg::cs_setMsgFormatter() |
14455 | 545421asd(usr) | EDMS2225 | CedmRasMsg::cs_setMsgFormatter() |
- | - | - | SELECT "dmaProp_OIID" FROM "mdmClass_CfgH" |
14455 | 545421asd(usr) | EDMS2225 | Edm_sys_open_directory() |
なお,トレース表は,EDMRptTraceコマンド実行時に-vtオプションを指定することによって出力できます。
トレースファイルには,複数のユーザプログラム情報が含まれています。EDMRptTraceコマンドのトレースファイル分割機能では,トレースファイルの内容を分割して別々のファイルに出力します。サーバトレース解析の場合はユーザプログラムのプログラム名とユーザプログラムのプロセスIDごとに,クライアントトレース解析の場合はユーザプログラムのスレッドIDごとに分割して出力します。その際,出力されるすべてのエントリは,出力結果の分類項目であるtidでソートされます。同じtidのエントリが複数ある場合は,その中でdateの昇順にソートされます。出力結果の分類項目のtidおよびdateについては,「6.3.3(2) トレースファイル分割機能の出力形式」を参照してください。
トレースファイル分割の概念を図6-6および図6-7に示します。
図6-6 トレースファイル分割の概念(サーバトレース解析の場合)
図6-7 トレースファイル分割の概念(クライアントトレース解析の場合)
トレースファイル分割機能で出力されるファイルの出力先のディレクトリとファイル名を次に示します。
トレースログエントリには,プログラムの処理内容を表す処理の種別が含まれています。EDMRptTraceコマンドのエントリ抽出機能では,抽出エントリ定義ファイルに指定された処理の種別によって,トレースログエントリを抽出して,結果を標準出力(stdout)またはファイルに出力します。