6.2.1 EDMRptAclogコマンド(アクセスログの解析)

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) オプション
(4) コマンド引数
(5) 注意事項

(1) 機能

EDMRptAclogコマンドは,指定されたアクセスログファイルを解析し,指定された項目でアクセス回数を分類・集計して結果を出力します。また,結果を出力する際,アクセスログ中のOIID,操作対象識別子をオブジェクトのプロパティの値に変換します。

(2) 形式

EDMRptAclog
      〔-k 集計キー定義ファイル名〕
      〔-s '開始時刻'〕
      〔-e '終了時刻'〕
      〔-d 集計間隔〕
      〔-c〕
      〔-t〕
      〔-v〕
      〔-vt〕
      〔-o 出力ファイル名〕
      〔-x 抽出エントリ定義ファイル名〕
      〔アクセスログファイル名 ...〕
      〔ディレクトリ名 ...〕

(3) オプション

-k 集計キー定義ファイル名
キーとなる項目によってアクセス回数を集計する場合に,キーとなる項目を指定した集計キー定義ファイルのファイル名を指定します。集計キー定義ファイルについては,「4.1.4 集計キー定義ファイル」を参照してください。
このオプションは,次に示す事項に留意して指定してください。
  • ファイルパスは,フルパスまたは相対パスのどちらでも指定できます。フルパスで指定されていない場合は,カレントディレクトリ下を探します。
  • ハイフン(-)で始まるファイル名は指定できません。ただし,フルパスで指定された場合は処理できます。
  • ファイル名に空白が含まれている場合,次に示す記号でファイル名全体を囲めば指定できます。
    ・UNIXの場合:シングルクォーテーション(')またはダブルクォーテーション(")
    ・Windowsの場合:ダブルクォーテーション(")
  • 指定されたファイルがない場合や指定されたファイルがディレクトリの場合,エラーになります。
-s '開始時刻'
アクセス回数を集計する期間の開始時刻を指定します。指定した時刻以降のアクセスログエントリが集計対象になります。指定した時刻は,集計期間の対象になります。例えば,12:00:00.000と指定した場合,12:00:00.000からが集計期間になります。
開始時刻は次に示す形式で指定してください。

'yyyy/mm/dd hh:mm〔:ss.sss〕'

yyyy
日付の年の値を指定します。
mm
日付の月の値を指定します。指定できる値の範囲は,1月を1として01~12です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
dd
日付の日にちの値を指定します。指定できる値の範囲は01~31です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
hh
時間の時の単位の値を指定します。指定できる値の範囲は00~23です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
mm
時間の分の単位の値を指定します。指定できる値の範囲は00~59です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
ss
時間の秒の単位の値を指定します。指定できる値の範囲は00~59です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
sss
時間のミリ秒の単位の値を指定します。指定できる値の範囲は000~999です。範囲外の値を指定するとエラーになります。
このオプションは,次に示す事項に留意して指定してください。
  • 開始時刻は次に示す記号で囲んで指定します。
    ・UNIXの場合:シングルクォーテーション(')またはダブルクォーテーション(")
    ・Windowsの場合:ダブルクォーテーション(")
  • 指定を省略した場合,集計対象は最も古いアクセスログエントリからになります。
  • 指定した時刻が-eオプションで指定した終了時刻以降の場合,エラーになります。
  • 年/月/日および時:分は省略できません。秒.ミリ秒は省略できますが,秒だけやミリ秒だけは省略できません。秒.ミリ秒を省略した場合,デフォルト値として00.000が仮定されます。
-e '終了時刻'
アクセス回数を集計する期間の終了時刻を指定します。指定した時刻より前のアクセスログエントリが集計対象になります。指定した時刻は,集計期間の対象になりません。例えば,12:45:00.000と指定した場合,12:44:59.999までが集計期間になります。
終了時刻の指定形式は-sオプションの開始時刻と同じです。-sオプションの開始時刻の説明を参照してください。
このオプションは,次に示す事項に留意して指定してください。
  • 終了時刻は次に示す記号で囲んで指定します。
    ・UNIXの場合:シングルクォーテーション(')またはダブルクォーテーション(")
    ・Windowsの場合:ダブルクォーテーション(")
  • 指定を省略した場合,集計対象は最も新しいアクセスログエントリまでになります。
  • 指定した時刻が-sオプションで指定した開始時刻以前の場合,エラーになります。
  • 指定した時刻を満たさないアクセスログエントリは,集計対象から外されます。
    例えば,アクセスログファイル中の最初のアクセスログエントリの時刻が12:00:00.000で,最後のアクセスログエントリの時刻が13:00:00.000だとします。このとき,-eオプションに12:45:00.000を指定してEDMRptAclogコマンドを実行した場合,12:00:00.000から 12:44:59.999までのアクセスログエントリは集計・出力対象になります。しかし,12:45:00.000から13:00:00.000までのアクセスログエントリは集計・出力対象になりません。
-d 集計間隔
アクセス回数を集計する時間の幅を,分単位の整数で指定します。指定できる値の範囲は1~43200です。例えば,-d 15と指定すると,15分間ごとのアクセス回数が集計されます。
このオプションは,次に示す事項に留意して指定してください。
  • 整数以外を指定した場合,および0以下の値を指定した場合はエラーになります。
  • 集計・出力対象のアクセスログエントリは,-sオプション,-eオプションとの組み合わせによって変わります。
    例えば,アクセスログファイル中の最初のアクセスログエントリの時刻が12:00:00.000で,最後のアクセスログエントリの時刻が13:00:00.000だとします。
    このとき,-dオプションに45,-eオプションに12:45:00.000を指定してEDMRptAclogコマンドを実行した場合,12:00:00.000から12:44:59.999までのアクセスログエントリが集計・出力対象になります。しかし,12:45:00.000から13:00:00.000までのアクセスログエントリは集計・出力対象になりません。
    また,このとき,-dオプションに45を指定し,-eオプションを省略してEDMRptAclogコマンドを実行した場合,12:00:00.000から12:44:59.999までのアクセスログエントリが最初のインターバルの集計・出力対象になり,12:45:00.000から13:00:00.000までのアクセスログエントリは次のインターバルの集計・出力対象になります。
-c
集計はしないで,アクセスした時間順にアクセスログを並べて出力する場合に指定します。このとき,動作環境定義ファイルで指定されているオブジェクト変換モードに応じて,アクセスログ中のOIID,操作対象識別子がオブジェクトのプロパティの値に置き換えられます。
-t
アクセス回数のSUBTOTAL(-kオプションで指定した集計キー定義ファイルの第1キーごとの小計)とTOTAL(総計)を出力する場合に指定します。
なお,このオプションの指定は,アクセス回数を集計する際のキー項目が二つある場合(集計キー定義ファイルの[Key User]セクションと[Key Object]セクションを指定した場合)に有効です。
例えば,集計キー定義ファイルで,[Key User]セクションと[Key Object]セクションを指定した場合,[Key User]セクションが第1キーになり,ユーザごとのSUBTOTALとTOTALが出力されます。
次の場合には,SUBTOTALとTOTALは出力されません。
  • -kオプションを省略する場合
  • キー項目が一つの場合(集計キー定義ファイルで,[Key User]セクション,[Key Object]セクションのどちらかを指定した場合)
-v
結果をCSV形式で出力する場合に指定します。
-vt
アクセスログ表を出力する場合に指定します。アクセスログ表については,「6.2.2(1) 集計機能の処理方式(EDMRptAclogコマンドの集計方法)」を参照してください。
アクセスログ表は,-vオプションを指定しなくても,CSV形式で出力されます。
-o 出力ファイル名
結果をファイルに出力する場合に,出力するファイル名を指定します。ファイルパスは,フルパス,相対パスまたはファイル名だけのどの方法でも指定できます。ファイル名だけを指定した場合,カレントディレクトリに出力されます。
指定を省略する場合,結果は標準出力(stdout)に出力されます。
-x 抽出エントリ定義ファイル名
エントリを抽出する場合に,抽出するエントリのメソッド名と引数を指定した抽出エントリ定義ファイルのファイル名を指定します。抽出エントリ定義ファイルについては,「4.1.5 抽出エントリ定義ファイル」を参照してください。
このオプションを-cオプションと同時に指定した場合,エントリが抽出されると同時に,アクセスログ中のOIIDは,オブジェクトのプロパティの値に変換されます。
このオプションは,次に示す事項に留意して指定してください。
  • ファイルパスは,フルパスまたは相対パスのどちらでも指定できます。フルパスで指定されていない場合は,カレントディレクトリ下を探します。
  • ハイフン(-)で始まるファイル名は指定できません。ただし,フルパスで指定された場合は処理できます。
  • ファイル名に空白が含まれている場合,次に示す記号でファイル名全体を囲めば指定できます。
    ・UNIXの場合:シングルクォーテーション(')またはダブルクォーテーション(")
    ・Windowsの場合:ダブルクォーテーション(")
  • 指定されたファイルがない場合や指定されたファイルがディレクトリの場合,エラーになります。

(4) コマンド引数

アクセスログファイル名
解析対象のアクセスログファイルを指定します。
ディレクトリ名
解析対象のディレクトリを指定します。ただし,サブディレクトリ下のファイルは解析対象に含まれません。ディレクトリパスは,1023バイト以内で指定してください。指定したディレクトリの下にファイルがある場合は,そのファイル名も含めたパスが,1023バイト以内になるようにしてください。
 
コマンド引数は,次に示す事項に留意して指定してください。
  • ファイルパスおよびディレクトリパスは,フルパスまたは相対パスのどちらでも指定できます。フルパスで指定されていない場合は,カレントディレクトリ下を探します。
  • ハイフン(-)で始まるファイル名およびディレクトリ名は指定できません。ただし,フルパスで指定された場合は処理できます。
  • ファイル名またはディレクトリ名に空白が含まれている場合,次に示す記号でファイル名全体またはディレクトリ名全体を囲めば指定できます。
    ・UNIXの場合:シングルクォーテーション(')またはダブルクォーテーション(")
    ・Windowsの場合:ダブルクォーテーション(")
  • ファイル名およびディレクトリ名の最後のパスの区切り(UNIXの場合「/」,Windowsの場合「¥」)がある場合,標準エラー出力(stderr)にメッセージが出力されます。
  • 次の場合,標準エラー出力(stderr)にメッセージが出力されます。
    ・指定したファイルまたはディレクトリがない場合
    ・指定したディレクトリが一つで,そのディレクトリに処理対象のファイルがない場合
    ・指定したディレクトリが複数で,すべてのディレクトリに処理対象のファイルがない場合
  • アクセスログファイルを指定する場合,アクセスログファイルを160個まで指定できます。なお,複数のファイルを指定した場合,その中にアクセスできないファイルが一つでもあるときは,処理を中止してメッセージを出力します。また,同じファイルを重複して指定しても,そのファイルに対する処理は1回だけになります。
  • ディレクトリを指定する場合,複数のディレクトリを指定できます。なお,指定したディレクトリ下のファイル総数が160を超えた場合,および指定したディレクトリ下にアクセスできないファイルが一つでもある場合は,処理を中止してメッセージを出力します。また,同じディレクトリを重複して指定しても,そのディレクトリ下のファイルに対する処理は1回だけになります。
  • アクセスログファイルは,ASCIIコードで構成されています。
  • この指定を省略する場合,EDMRptAclogコマンドのアクセスログファイル格納ディレクトリ(UNIXの場合「DocumentBroker実行環境ディレクトリ/aru/input/spool/aclog」,Windowsの場合「DocumentBrokerインストールディレクトリ¥Server¥aru¥input¥spool¥aclog」)にある「EDMAccess_"NO".log」("NO"は1~16の通し番号)という名称のファイルが対象になります。
    このとき,処理できるファイルの数は160個ではなく,上記のファイル名に該当するファイルの数になります。
  • EDMRptAclogコマンドは,DocumentBrokerがアクセスログファイルを生成するディレクトリにあるファイルを対象にして実行できません。EDMRptAclogコマンドを実行する前に,DocumentBrokerが生成したアクセスログファイルを,EDMRptAclogコマンドのアクセスログファイル格納ディレクトリにコピーして,コマンド引数でのアクセスログファイルの指定を省略することをお勧めします。アクセスログファイルのコピーについては,「4.1.1 アクセスログファイル」を参照してください。

(5) 注意事項

EDMRptAclogコマンドに関するそのほかの注意事項を次に示します。