この節では,EDMRptAclogコマンドの目的と機能について説明します。
EDMRptAclogコマンドは,DocumentBrokerで構築した文書管理システムへのユーザのアクセス状況を把握することで,システムの管理・運用に役立てていただくことを目的としています。このため,EDMRptAclogコマンドは,DocumentBrokerが出力したアクセスログファイルの内容を解析・分類・集計して,レポートを出力します。
EDMRptAclogコマンドは次に示す機能を提供しています。
各機能の概要を次に示します。
アクセスログファイルに残された記録を,アクセスログといいます。集計機能は,このアクセスログの内容を,ユーザ名およびオブジェクト名で分類・集計して,その結果を出力します。
集計機能の詳細については,「6.2.2(1)集計機能の処理方式(EDMRptAclogコマンドの集計方法)」を参照してください。また,集計機能の出力形式については,「6.2.3(1) 集計機能の出力形式」を参照してください。
なお,キーとなる項目で集計する場合,キーとなる項目を,集計キー定義ファイルにあらかじめ定義しておく必要があります。集計キー定義ファイルについては,「4.1.4 集計キー定義ファイル」を参照してください。
アクセスログには,アクセス対象となったオブジェクトの情報が,次に示すDocumentBroker内部で生成された識別子で出力されます。
なお,このマニュアルでは,アクセスログに出力されるOIID以外の識別子を操作対象識別子と呼びます。
OIID変換機能は,アクセスログに出力されたOIIDを,そのOIIDが示すオブジェクトのプロパティの値(文書名など)に変換します。また,操作対象識別子変換機能は,アクセスログに出力された操作対象識別子を,その操作対象識別子が示すオブジェクトのプロパティの値(文書名など)に変換します。
OIIDや操作対象識別子はDocumentBroker内部で生成される識別子であるため,ユーザはOIIDや操作対象識別子を見ても,その識別子がどのオブジェクトを示しているかわかりません。OIID変換,操作対象識別子変換をすることで,アクセスログ中のアクセス対象となったオブジェクトがわかるようになります。
OIID変換,操作対象識別子変換の結果については,「表6-4 アクセスログ表の例」または「6.2.3(2) OIID変換機能,操作対象識別子変換機能(-cオプション指定)の出力形式」を参照してください。
なお,一つのオブジェクトには,複数のプロパティが含まれているのが普通です。したがって,OIID変換,操作対象識別子変換をするためには,オブジェクトに含まれている複数のプロパティのうちOIID変換,操作対象識別子変換をするプロパティを,プロパティ拡張情報ファイルにあらかじめ定義しておく必要があります。プロパティ拡張情報ファイルついては,「4.1.2 プロパティ拡張情報ファイル」を参照してください。
また,OIID変換を実行するかどうか,どの操作対象識別子に対して操作対象識別子変換を実行するかどうかを,動作環境定義ファイルで定義します。動作環境定義ファイルについては,「4.1.6 動作環境定義ファイル」を参照してください。
エントリとは,ソフトウェアで扱う一つの単位となる情報です。EDMRptAclogコマンドは,アクセスログファイルに記録されている一つ一つのアクセスログをエントリとして扱います。
アクセスログエントリには,アクセスの内容を表すメソッド名と引数が含まれています。エントリ抽出機能は,メソッド名と引数によってアクセスログエントリを抽出して,その結果を出力します。
エントリ抽出機能の出力形式については,「6.2.3(3) エントリ抽出機能の出力形式」を参照してください。
なお,エントリを抽出する場合,抽出するエントリのメソッド名と引数を,抽出エントリ定義ファイルにあらかじめ定義しておく必要があります。抽出エントリ定義ファイルについては,「4.1.5 抽出エントリ定義ファイル」を参照してください。