付録C.1 上流設計ツールを利用したシステム開発の概要
上流設計ツールとサービスプラットフォームを組み合わせた場合のシステム開発の流れと,成果物のイメージを次の図に示します。
SOAに基づいたシステムの開発は,ビジネスプロセス開発とサービス開発の2つから成り,それぞれの成果物をドリルダウンしながら並行に作業を進めます。
各開発の作業手順とその内容を次の表に示します。
手順 |
ビジネスプロセス開発の作業 |
サービス開発の作業 |
---|---|---|
1 |
●ビジネスプロセスの概要設計(顧客向け) システム化する業務の内容や範囲を顧客と検討するため,業務の基本フローをハイレベル・ビジネスプロセス,およびミドルレベル・ビジネスプロセスとして作成します。 |
●サービスの抽出 ビジネスプロセス設計と並行して,業務を処理するサービスの粒度を検討します。 |
2 |
●ビジネスプロセスの概要設計(開発向け) ビジネスプロセスを詳細化し,ローレベル・ビジネスプロセスにします。詳細化では,再利用性や可読性を考慮したフローの階層化や,業務例外への対応,コメントの追加などをします。 |
●サービスの概要設計 サービスのインターフェース(サービスが公開するオペレーションの一覧)を決定し,概要WSDLを作成します。 |
3 |
●ビジネスプロセスの詳細化(開発向け) サービスの抽出および概要設計の結果を受けて,ビジネスプロセスにメッセージ定義やメッセージ変換の処理を追加します。また,実際に動かすことを想定したシステム例外への対応処理なども追加します。 |
●サービスの詳細設計 サービスのオペレーションが使用するメッセージの構造やサービスの処理方式を決定し,実装します。 |
上流設計ツールとサービスプラットフォームを組み合わせてシステムを開発する場合,手順1および手順2の範囲で上流設計ツールを使用し,手順3からサービスプラットフォームの開発環境を使用します。上流設計ツールから開発環境への設計の引き継ぎは,BPELファイルを通して行います。