1.1.1 開発から実運用までの流れ
サービスプラットフォームを利用したシステムの開発から実運用までの流れを次の図に示します。
- 注※
-
これらの作業を開発環境で一括して実行することもできます。ただし,一括実行は,システム開発時,または単体テストから結合テスト時を対象としています。詳細については,「8.5 HCSCコンポーネントをHCSCサーバに配備して開始する処理の一括実行」を参照してください。
このマニュアルでは,図中の「開発環境」で実施する作業の手順について説明しています。運用環境および実行環境で実施する作業については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」を参照してください。
図中の各作業の概要を次に説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) サービス部品の作成
サービスプラットフォームで利用するサービス部品を作成します。サービス部品にはインターフェース情報が定義されている必要があります。利用できるサービス部品の種類などについては,「2.6 利用できるサービス部品の種類と適用範囲」を参照してください。
(2) Service Architectのインストール
開発環境として利用するマシンにService Architectをインストールします。
インストールの詳細については,「2.1.2 インストール」を参照してください。
(3) 開発環境の構築
開発環境の構築では,Eclipseのアーカイブファイルを入手し,セットアップします。
詳細については,「2.1 開発環境を使用するためのセットアップ」の手順2および手順3を参照してください。
(4) SOAPモードの設定
システムで使用するSOAPモードを設定します。SOAPモードには,SOAP1.1モードおよびSOAP1.1/1.2併用モードがあります。なお,SOAP1.1モードはJ2EEサーバの互換モードが推奨モードの場合は使用できません。
SOAPモードの概要および設定方法については,「2.2.2 使用するSOAPモード」を参照してください。
(5) プロジェクトの作成
HCSCTEを組み込んだEclipseで,HCSCTEのプロジェクトを作成します。HCSCコンポーネントを開発する前に,プロジェクトを作成して,プロパティを設定します。
プロジェクトの作成の詳細については,「3.1.1 プロジェクトを作成する」を,プロパティの設定の詳細については,「3.1.2 プロパティを設定する」を参照してください。
(6) リポジトリのインポート
運用環境で簡易セットアップをして設定したリポジトリを,開発環境にインポートします。
リポジトリのインポート方法の詳細については,「3.2.3 リポジトリをインポートする」を参照してください。
(7) HCSCコンポーネントの作成
事前に作成したサービス部品を呼び出すサービスアダプタ,複数のサービス部品を呼び出すビジネスプロセス,サービスリクエスタからの実行要求を受け付けるユーザ定義受付などのHCSCコンポーネントを作成します。
なお,それぞれのHCSCコンポーネントを定義する前に,サービス部品を呼び出す電文の形式である電文フォーマットを作成します。
(a) 電文フォーマットの作成
サービス部品を呼び出す電文の形式(電文フォーマット)を作成します。電文フォーマットは,呼び出すサービス部品の種類および利用する電文の種類で作成方法が異なります。
電文フォーマットの作成については,「4. 電文フォーマットの作成」を参照してください。電文フォーマット(バイナリフォーマット定義ファイル)を作成するときに使用する画面については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.1 バイナリフォーマット定義画面」を参照してください。電文フォーマット(バイナリフォーマット定義ファイル)を作成するときに使用するダイアログについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.3 バイナリフォーマット定義に関連するダイアログ」を参照してください。
なお,DBアダプタ(データベースを操作するためのサービスアダプタ)を利用する場合の電文フォーマットの作成には,コマンドを利用します。コマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「csamkxmls(DBアダプタ用のXMLフォーマット定義ファイルの生成)」を参照してください。
(b) サービスアダプタの定義
サービス部品(データベースの操作を含む)を呼び出すためのサービスアダプタを作成し,詳細を定義します。
サービスアダプタの定義の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3. サービスアダプタの定義」を参照してください。サービスアダプタを定義するときに使用する画面,ダイアログの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.2 サービスアダプタ定義画面」を参照してください。
(c) ビジネスプロセスの定義
ビジネスプロセスを作成し,詳細を定義します。
ビジネスプロセスの定義の詳細については,「5. ビジネスプロセスの定義」を参照してください。
また,ビジネスプロセスを定義するときに使用する画面,ダイアログの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.3 ビジネスプロセス定義画面」を参照してください。
(d) データ変換定義の作成
サービス部品を呼び出す要求電文の電文フォーマットと,呼び出すサービス部品側の電文フォーマットが異なる場合には,データ変換定義を作成します。
データ変換定義の作成の詳細については,「7. データ変換の定義」を参照してください。
また,データ変換定義を作成するときに使用する画面,ダイアログの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.4 データ変換定義画面」を参照してください。
(e) ユーザ定義受付の定義
サービス部品実行要求を受け付け,応答を返すインターフェースとして任意の形式を定義する場合,ユーザ定義受付を定義します。また,ユーザ定義受付でリクエストを受け付けることができるHCSCコンポーネントは,ビジネスプロセスだけです。
ユーザ定義受付には次の2種類があります。使い分ける必要がない場合はユーザ定義受付と表記します。
- ユーザ定義受付(呼出先固定)
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特定のビジネスプロセスの配下に追加するユーザ定義受付です。
- ユーザ定義受付(呼出先選択)
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任意のビジネスプロセスを呼び出せるユーザ定義受付です。ユーザ定義受付(呼出先選択)は,HTTP受付で使用できます。
ユーザ定義受付(呼出先選択)の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録L ユーザ定義受付(呼出先選択)の定義」を参照してください。
ユーザ定義受付の定義の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「2. ユーザ定義受付の定義」を参照してください。
また,ユーザ定義受付を定義するときに使用する画面,ダイアログの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.5 ユーザ定義受付定義画面」を参照してください。
(8) パッケージング
作成したHCSCコンポーネントは,EARファイルにパッケージングして,運用環境から実行環境に配備できる状態にします。
HCSCコンポーネントのパッケージングについては,「8. HCSCコンポーネントのパッケージングと配備定義」を参照してください。
(9) 配備定義
パッケージングしたHCSCコンポーネントを,運用環境から実行環境にどのように配備するかを定義(配備定義)し,システム構成定義を更新します。
配備定義する方法については,「8. HCSCコンポーネントのパッケージングと配備定義」を参照してください。
(10) リポジトリのエクスポート
HCSCコンポーネントの作成,パッケージング,および配備定義をしたリポジトリを,運用環境にエクスポートします。
リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「3.2.2 リポジトリをエクスポートする」を参照してください。
(11) サービスリクエスタの作成
実行環境で業務担当者からのサービス部品の実行要求を受け付け,HCSCコンポーネントに実行要求を送信するためのサービスリクエスタを作成します。
サービスリクエスタの作成の詳細については,「9. サービスリクエスタの作成」を参照してください。