1.2.1 永続版リソースアダプタの概要
永続版リソースアダプタでは,メッセージやキューの属性情報,システムステータスなどをDBで管理し永続化しています。永続化とは,不揮発性の記憶媒体にデータを保存し,変化しない状態にすることです。
永続版リソースアダプタの概要を次の図に示します。
永続版リソースアダプタには,次に示す特長があります。
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高信頼のメッセージ管理
Reliable Messagingがメッセージを登録するキューは,DBのテーブル上に作成されます。DBにメッセージを永続化することで,メッセージの再現性を保持し,高信頼のメッセージ管理ができます。
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高信頼なメッセージ通信
確実に1回の配送保証,または順序保証のQoS(通信品質)を,ユーザが通信相手ごとに選択できます。
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JMSインタフェースの採用
Reliable MessagingはアプリケーションにJMSインタフェースを提供します。JMSインタフェースは,Javaでのメッセージング通信のためのAPIです。
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インターネット経由のシステム連携
通信手段としてSOAPおよびHTTPを利用します。HTTPは幅広く利用されているプロトコルです。多くの企業のファイアウォールはHTTP(80番ポート)による内外の通信を許可しているので,ファイアウォールを介した接続が比較的容易に実現できます。また,SSLを使用すると,秘密性,完全性などのセキュリティ機能を実現できます。
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WS-Reliabilityによる通信のサポート
オープンで高信頼な通信プロトコルであるWS-Reliability によって,Reliable Messaging間での通信や,WS-Reliabilityに準拠した他ベンダのシステムとの通信ができます。WS-Reliabilityは標準化団体OASISで標準化された仕様です。
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DB Connector for Reliable Messagingとのコネクション共有
Reliable MessagingとDB Connector for Reliable Messagingが同じDBに接続する場合,Reliable MessagingとDB Connector for Reliable Messagingのコネクションを共有することによって,DBのコネクションの有効利用とトランザクションの1相コミット化による性能向上の両方を実現できます。