4.7.1 J2EEアプリケーションを実行するシステムで指定できるタグ
ここでは,J2EEアプリケーションを実行するシステムで指定できるタグについて説明します。
(1) Webシステムの属性定義
Webシステムの属性として定義できる内容を次の表に示します。
タグ名称 |
内容 |
簡易構築定義ファイル |
構成定義変更ファイル |
デフォルト |
|
---|---|---|---|---|---|
P |
U |
||||
web-system |
Webシステムを定義します。 複数のWebシステムを定義する場合は,<web-system>タグを複数指定します。 |
△※1 |
△ |
△※2 |
なし |
name |
Webシステムを識別するための名称を32文字以下で指定します。運用管理ドメイン内でユニークな名称を指定する必要があります。Smart Composer機能のコマンドの-sオプションには,ここで指定した名称を指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 |
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
addition-mode |
追加モードを指定します。
|
− |
− |
△ |
NORMAL |
display-name |
Webシステムの表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
− |
なし |
description |
Webシステムのコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
− |
なし |
(2) 負荷分散機の定義
負荷分散機の定義は,<load-balancer>以下のタグで定義します。定義できる内容を次の表に示します。
タグ名称 |
内容 |
簡易構築定義ファイル |
構成定義変更ファイル |
デフォルト |
|
---|---|---|---|---|---|
P |
U |
||||
load-balancer |
負荷分散機を定義します。 Smart Composer機能で負荷分散機の設定,および実サーバポートの開始・閉塞をしない場合は,負荷分散機の定義(<load-balancer>タグから</load-balancer>タグまで)は必要ありません。 |
△ |
− |
− |
なし |
name |
負荷分散機の名称を32文字以下で指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 |
△ |
− |
− |
なし |
load-balancer-type※1 |
負荷分散機の種類を次のどれかで指定します。
Smart Composer機能で負荷分散機の設定をする場合は,必ず指定してください。 |
◎ |
− |
− |
なし |
display-name |
負荷分散機の表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
− |
− |
なし |
description |
負荷分散機のコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
− |
− |
なし |
cookie-switching |
Cookieスイッチング機能を使用する場合に定義します。 この設定によって,一連のHTTPリクエストが一つのWebサーバまたはJ2EEサーバで処理されます。 |
△※2 |
− |
− |
なし |
cookie-switching-enabled |
Cookieスイッチング機能を使用する場合はtrueを,使用しない場合はfalseを指定します。 |
△ |
− |
− |
false |
cookie-name |
cookieの名称を指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」の組み合わせです。ただし,次の名前はWebコンテナが使用するため,大文字・小文字の区別なく使用できません。
BIG-IPの場合,1〜64文字の文字列で指定します。なお,先頭1文字は大文字または小文字の英字を指定する必要があります。 ACOSの場合,1〜63文字の文字列で指定します。 |
△ |
− |
− |
CMX_SERVER_ID |
server-id-rule |
08-53以降は,このタグに値を指定しないでください。値を指定した場合,指定された値は無効になります。 |
△ |
− |
− |
なし |
management-host |
負荷分散機に設定した管理IPアドレスまたはホスト名を指定します。管理IPアドレスはドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0〜255の整数を指定します。ホスト名に指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 複数のWebシステムで負荷分散機を共有する場合は,共有するWebシステムで同じ管理IPアドレスまたはホスト名を指定してください。 |
◎ |
− |
− |
なし |
redundant-management-host |
負荷分散機を冗長化したシステムの場合に,2台目の負荷分散機に設定した管理IPアドレスまたはホスト名を指定します。管理IPアドレスはドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0〜255の整数を指定します。ホスト名に指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 複数のWebシステムで負荷分散機を共有する場合は,共有するWebシステムで同じ管理IPアドレスまたはホスト名を指定してください。 |
△ |
− |
− |
なし |
virtual-server |
仮想サーバを定義します。 |
◎ |
− |
− |
なし |
virtual-server-name |
仮想サーバ名を1〜31文字で指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」,ピリオド「.」の組み合わせです。 複数のWebシステムで負荷分散機を共有する場合は,共有するWebシステムで仮想サーバ名が重複しないように指定してください。 |
◎ |
− |
− |
なし |
display-name |
仮想サーバの表示名を指定します。 |
△ |
− |
− |
なし |
description |
仮想サーバのコメントを指定します。 |
△ |
− |
− |
なし |
ip-address |
仮想サーバのIPアドレスを指定します。 複数のWebシステムで負荷分散機を共有する場合は,共有するWebシステムで仮想サーバのIPアドレスが重複しないように指定してください。 |
◎ |
− |
− |
なし |
http-port |
仮想サーバのhttpポート番号を1〜65535の間で指定します。 BIG-IP v9,ACOSの場合で,複数のWebシステムで負荷分散機を共有するときは,共有するWebシステムで仮想サーバのhttpポート番号が重複しないように指定してください。 |
◎ |
− |
− |
なし |
アプリケーションサーバのバージョン |
サポートしている負荷分散機 |
---|---|
09-50 |
BIG-IPv9,BIG-IPv10.1,BIG-IPv10.2,BIG-IPv11,ACOS |
09-00,08-70および08-53 |
BIG-IPv9,BIG-IPv10.1,BIG-IPv10.2,ACOS |
08-50 |
BIG-IPv9,ACOS |
08-00 |
Loadflowbal,BIG-IP,BIG-IPv9 |
(3) 物理ティアの定義
構築するシステムの構成に合わせて,物理ティアを定義します。物理ティアは<tier>以下のタグで定義します。定義できる内容を次の表に示します。
タグ名称 |
内容 |
簡易構築定義ファイル |
構成定義変更ファイル |
デフォルト |
|
---|---|---|---|---|---|
P |
U |
||||
tier |
物理ティアを定義します。 物理ティアには,combined-tier,http-tier,j2ee-tier,ctm-tier,およびfree-tierの5種類があります。それぞれの物理ティアは,単独,または複数を組み合わせて,Webシステムを構成します。 指定できる物理ティアの構成を次に示します。
|
◎ |
△※2 |
− |
なし |
tier-type |
物理ティアの種類を次のどれかで指定します。
|
◎ |
◎ |
− |
なし |
j2ee-server-count |
<tier-type>タグでctm-tierを指定した場合に,1ホストに配置するJ2EEサーバの数を0〜32の整数で指定します。
なお,Webシステムの構成変更時,J2EEサーバの数は変更できません。 |
△ |
− |
− |
1 |
configuration |
物理ティアに属するすべての論理サーバに適用するコンフィグレーションを,論理サーバの種類ごとに定義します。例えば,WebサーバとJ2EEサーバの二つのコンフィグレーションを定義する場合は,<configuration>タグを二つ定義し,一つをWebサーバ用,もう一つをJ2EEサーバ用として定義します。 |
△※3 |
◎※4 |
− |
なし |
logical-server-type |
コンフィグレーションを定義する論理サーバの種類を指定します。指定できる論理サーバの種類を次に示します。
物理ティアの種類によって,コンフィグレーションが定義できる論理サーバが異なります。
|
◎ |
◎ |
− |
なし |
server-no |
物理ティア内の特定のJ2EEサーバで,共通のコンフィグレーションを指定する場合に,J2EEサーバを識別するための番号を指定します。指定できる範囲は,1〜<j2ee-server-count>の指定値です。物理ティア内で番号が重複しないように指定してください。このタグは,<tier-type>タグでctm-tierを指定して,<j2ee-server-count>タグを指定した場合にだけ指定できます。 物理ティア内のすべてのJ2EEサーバで,共通のコンフィグレーションを指定する場合は,このタグを指定する必要はありません。 |
△ |
△ |
− |
なし |
param※5 |
論理サーバの環境を設定するパラメタを,パラメタ名と値で定義します。1種類のパラメタごとに<param>タグで囲んで定義します。 |
◎ |
◎ |
− |
なし |
param-name※5 |
論理サーバの環境を設定するパラメタの名称を指定します。 |
◎ |
◎ |
− |
なし |
param-value※5 |
<param-name>タグで指定したパラメタへの設定値を指定します。パラメタによっては,複数の値を設定する場合,<param-value>タグを複数指定します。 |
◎ |
△※6 |
− |
なし |
(4) サービスユニットの定義
サービスユニットは<unit>以下のタグに定義します。定義できる内容を次の表に示します。
タグ名称 |
内容 |
簡易構築定義ファイル |
構成定義変更ファイル |
デフォルト |
|
---|---|---|---|---|---|
P |
U |
||||
unit |
サービスユニットを定義します。 複数のサービスユニットを定義する場合は,<unit>タグを複数指定します。 |
◎ |
△※1 |
◎ |
なし |
name |
サービスユニットを識別するための名称を32文字以下で指定します。Webシステム内でユニークな名称を指定する必要があります。Smart Composer機能のコマンドの-unitオプションには,ここで指定した名称を指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 |
◎ |
△※2 |
◎ |
なし |
display-name |
サービスユニットの表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
description |
サービスユニットのコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
allocated-host |
サービスユニットを構成するホストのリファレンスを定義します。<allocated-host>タグは一つだけ指定します。free-tier構成のWebシステムでは,<allocated-host>タグを複数指定できます。 |
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
host-ref |
ホスト定義の<name>タグに指定したホスト名,構築済みのWebシステムで定義されているホスト名,または@myhostを指定します。 @myhostを指定していると,システム構築時に,ホストの定義の<host-name>タグの値が自動で設定されます。 なお,複数ホストがある場合,一つのサービスユニット内で同じホストを共有することはできません。 |
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
hosts-for |
<host-ref>タグで指定したホストが属する物理ティアの種類を,次のどれかで指定します。
|
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
define-server |
<hosts-for>タグで指定した物理ティアに属する論理サーバごとに,コンフィグレーションを定義します。例えば,<hosts-for>タグがhttp-tierの場合は,Webサーバ用と,パフォーマンストレーサ用にそれぞれ一つずつ論理サーバを定義できます。複数の論理サーバを定義する場合は,<define-server>タグを複数指定します。 |
△※3 |
◎ |
△※3 |
なし |
logical-server-name |
論理サーバまたはクラスタを識別するための名称を128文字以下で指定します。Smart Composer機能のコマンドの-sオプションには,ここで指定した名称を指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。 |
△ |
− |
△ |
cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番> |
display-name |
論理サーバの表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
description |
論理サーバのコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
logical-server-type |
コンフィグレーションを定義する論理サーバの種類を指定します。指定できる論理サーバの種類を次に示します。
ホストが属する物理ティアの種類によって,コンフィグレーションが定義できる論理サーバが異なります。
|
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
cluster-ref |
論理サーバをクラスタのメンバにする場合に,クラスタ名を指定します。 クラスタのメンバにする論理サーバがJ2EEサーバの場合はJ2EEサーバクラスタ名を,Webサーバの場合はWebサーバクラスタ名を指定します。 J2EEサーバおよびWebサーバ以外の論理サーバは,クラスタのメンバとして設定できません。 free-tier構成の場合だけに定義されます。 |
△ |
× |
× |
なし |
server-no |
サービスユニット内の特定のJ2EEサーバのコンフィグレーションを指定する場合に,J2EEサーバを識別するための番号を指定します。指定できる範囲は,1〜<j2ee-server-count>の指定値です。1ホスト内で番号が重複しないように指定してください。このタグは,物理ティアの定義で<j2ee-server-count>タグを指定した場合に,J2EEサーバのコンフィグレーションを指定するときは,必ず指定してください。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
configuration |
論理サーバごとに適用するコンフィグレーションを定義します。 なお,物理ティアの定義で定義した環境設定値で運用する場合は,<configuration>タグの定義は不要です。 <logical-server-type>でJ2EEサーバクラスタまたはWebサーバクラスタを指定していた場合は指定できません。 |
△ |
△ |
△ |
なし |
param※4 |
論理サーバの環境を設定するパラメタを,パラメタ名と値で定義します。1種類のパラメタごとに<param>タグで囲んで定義します。 |
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
param-name※4 |
論理サーバの環境を設定するパラメタの名称を指定します。指定できるパラメタ名については,「4.8 システムの構成パターンと定義する論理サーバ」を参照してください。 |
◎ |
◎ |
◎ |
なし |
param-value※4 |
<param-name>タグで指定したパラメタへの設定値を指定します。パラメタによっては,複数の値を設定する場合,<param-value>タグを複数指定します。それぞれのパラメタの設定値については,「4.8 システムの構成パターンと定義する論理サーバ」を参照してください。 |
◎ |
△※5 |
◎ |
なし |
(5) ホストの定義
使用するホストの情報は<host>以下のタグに定義します。定義できる内容を次の表に示します。
タグ名称 |
内容 |
簡易構築定義ファイル |
構成定義変更ファイル |
デフォルト |
|
---|---|---|---|---|---|
P |
U |
||||
host |
ホストを定義します。 複数のホストを定義する場合は,hostタグを複数指定します。ホストは複数のWebシステムで共有できます。 |
△※1 |
− |
△※2 |
なし |
host-name |
ホストを識別するための名称またはIPアドレスを32文字以下で指定します。 ホスト名に指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。管理IPアドレスはドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0〜255の整数を指定します。 IPアドレス変換できないホスト名を指定した場合,システム構築時にエラーとなります。 <host-name>タグには@myhostも指定できます。@myhostを指定すると,システム構築時に,構築先の環境の運用管理サーバマシンのホスト名に自動で置換されます。 |
◎ |
− |
◎ |
なし |
display-name |
ホストの表示名を128文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
− |
△ |
なし |
description |
ホストのコメントを1,024文字以下で指定します。指定する文字に制限はありません。 |
△ |
− |
△ |
なし |
agent-host |
運用管理エージェントのホスト名,またはIPアドレスを指定します。ホスト名を指定する場合は,32文字以下で指定します。指定できる文字は,英数字,アンダースコア「_」,ハイフン「-」の組み合わせです。IPアドレスを指定する場合は,ドット記法(xxx.xxx.xxx.xxx)で指定します。xxxには0〜255の整数を指定します。 <agent-host>タグには@myhostも指定できます。@myhostを指定していると,システム構築時に,ホストの定義の<host-name>タグの値が自動で設定されます。 |
△ |
− |
△ |
host-nameで指定した値 |
agent-port |
運用管理エージェントのポート番号を1〜65535の間で指定します。 |
△ |
− |
△ |
20295 |