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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編


9.17.1 概要

この機能は,ログのファイル出力を非同期でできるように変更する機能です。ここに記載している「非同期」とは,ログのファイル出力処理を専用でするスレッドを用意することで,ログのファイル出力以外の処理を実行するスレッドとは処理のタイミングを合わせることなく,ログをファイルに出力していくことを指します。ここでは例として,GC発生時に出力されるログファイルについて記載します。

GCの実行中は,プログラムの処理が停止します。日立JavaVMログファイル機能では,GCを実行しているスレッドが,GCの情報のログファイル出力処理もしているため,GCの情報をログファイルに出力する処理が完了するまで次の処理へ進むことができません。

そこで,この機能を有効にすることによって,GC情報のログファイル出力処理は専用のスレッドが実行するようになります。そのため,それ以外の処理を実行するスレッドがGC情報のログファイル出力処理の完了を待つことによる処理の遅延を削減することができます。

しかし,この機能を使用することでログの一部が欠けるおそれがあります。この機能は,一時的にログをバッファにためておき,その後ログファイルへ出力するという処理をしています。ログの出力量が非常に多い場合や,ファイル入出力処理が極端に遅い場合に,一部のログが出力されないおそれがあります。そのため,GCによるプログラムの処理の停止時間として100msec以下を達成するようなチューニングをしている場合は,この機能の使用を推奨します。一方で,100msec以下を達成するようなチューニングをしていない場合には,この機能の使用は推奨しません。