8.2.1 トレース取得ポイント
トレース取得ポイントは大きく分けて,J2EEサーバの開始・終了時でのトレース取得と,各機能レイヤでの処理中のトレース取得およびアプリケーションのメソッドの開始・終了時でのトレース取得があります。
- 〈この項の構成〉
(1) J2EEサーバの開始・終了時のトレース取得
J2EEサーバの開始処理の完了時,およびJ2EEサーバの終了処理の開始時に,トレース情報を取得できます。取得できるイベントIDと参照先を次に示します。
-
イベントID
0x8FFE〜0x8FFF
-
参照先
J2EEサーバの開始・終了時のトレース取得の詳細については,「8.24 J2EEサーバの開始・終了時のトレース取得ポイント」を参照してください。
(2) 各機能レイヤでのトレース取得
取得できるイベントIDと機能レイヤの対応を次の表に示します。
イベントID |
機能レイヤ |
図中の番号※ |
参照先 |
---|---|---|---|
0x1101〜0x1102 0x1301〜0x1302 0x1401〜0x1406 0x2002〜0x2003 0x2101〜0x2104 0x3000〜0x3008 |
CTM |
5 |
|
0x8202〜0x8203 0x8206〜0x8210 0x8214〜0x8216 0x8219〜0x8225 0x8234〜0x8252 0x8302〜0x8303 0x8306〜0x8310 0x8314〜0x8316 0x8319〜0x8325 0x8334〜0x8352 |
Webコンテナ |
2 |
|
0x8401〜0x840A 0x8425〜0x8428 0x842D〜0x8434 0x8453〜0x8454 0x8460〜0x846D 0x8470〜0x8477 0x8490〜0x8491 0x84A0〜0x84D9 0x8C41 |
EJBコンテナ |
6 |
|
0x8603〜0x861C |
JNDI |
4 |
|
0x8435〜0x843F 0x8811〜0x8820 0x8C41 |
JTA |
7 |
|
0x8B00〜0x8B01 0x8B80〜0x8B89 0x8B8A〜0x8C03 0x8C10〜0x8C13 0x8C20〜0x8C41 0x8C60〜0x8C65 0x8C80〜0x8C93 0x8CC0〜0x8CD9 0x8CDA〜0x8CE3 0x8D00〜0x8D19 0x8D1A〜0x8D25 0x8D42〜0x8D4D 0x8D60〜0x8D63 0x8D80〜0x8D89 0x8D8A〜0x8D8F 0x8D90〜0x8D99 |
DB Connector,JCAコンテナ |
8 |
|
0x8E01〜0x8E06 |
RMI |
3 |
|
0x9400〜0x9413 |
OTS |
9 |
|
0x9C00〜0x9C03 |
標準出力/標準エラー出力/ユーザログ |
− |
|
0x9D00,0x9D01 |
DI |
10 |
|
0xA100,0xA101 |
バッチアプリケーション実行機能 |
11 |
|
0xD100〜0xD10F 0xD110〜0xD11F 0xD120〜0xD12F 0xD130〜0xD13F 0xD140〜0xD14F 0xD150〜0xD15F 0xD160〜0xD16F 0xD170〜0xD17F 0xD180〜0xD18F 0xD190〜0xD19F 0xD1A0〜0xD1AF 0xD1B0〜0xD1BF 0xD1C0〜0xD1CF 0xD1D0〜0xD1DF 0xD1E0〜0xD1EF 0xD1F0〜0xD1FF |
JPA |
12 |
|
0x842F 0x8430〜0x8432 0x8825 0x8826 0x8B86,0x8B87 0x8B8A〜0x8B93 0xAA00〜0xAA06 0xAA08〜0xAA0D 0xAA10〜0xAA19 |
TP1インバウンド連携機能 |
14 |
|
0xA600〜0xA60F 0xA610〜0xA619 0xA61E,0xA61F 0xA620〜0xA62F 0xA630〜0xA63F 0xA640〜0xA64F 0xA650〜0xA65F 0xA660〜0xA667 0xA61A,0xA61B 0xA668〜0xA66F 0xA670〜0xA67F 0xA686〜0xA68D 0xA692〜0xA69B 0xA69E,0xA69F 0xA6A0,0xA6A1 0xA6A6〜0xA6AB |
CJMSプロバイダ |
15 |
|
0xAD00〜0xAD15 0xAD80〜0xAD93 |
JavaMail |
16 |
|
0xAF20〜0xAF2D |
JSF 2.3 |
17 |
|
0xb002〜0xb009 |
CDI |
18 |
|
0xD000〜0xD005 |
JAX-RS |
19 |
|
0xD020〜0xD04D |
Java Batch |
20 |
|
0xE100〜0xE147 |
WebSocket |
21 |
|
0xD050〜0xD057 |
Concurrency Utilities |
22 |
PRFトレースを出力する機能レイヤとトレース取得ポイントについて,システムの構成ごとに次の図に示します。
トレース取得ポイントは,各機能レイヤ内でさらに詳細に分かれており,トレース取得ポイントによって,PRFトレース取得レベルが異なります。各機能レイヤの詳細なトレース取得ポイント,およびPRFトレース取得レベルについては,表8-2の参照先を参照してください。
- 参考
-
表8-2に示した機能レイヤのほか,Application Serverのプロセス,構成ソフトウェアおよび関連プログラムでも,PRFトレースが取得できるものがあります。
表8-2に示した以外でPRFトレースを取得できる機能レイヤとイベントIDの対応を,次の表に示します。
表8‒3 表8-2に示した以外でPRFトレースを取得できるイベントIDと機能レイヤの対応 イベントID
機能レイヤ
0x9000〜0x90FF
0xA400〜0xA4FF
SOAP通信基盤
0x9100〜0x91FF
-
TP1 Connector
-
TP1/Client/J
0x9200〜0x92FF
TP1/MQ Access
0x9300〜0x93FF
Reliable Messaging
0x9800〜0x9B6E
HCSCサーバ
0x9E00〜0x9EFF
Service Coordinator Interactive Workflow
0x9F00〜0x9FFF
HCSCサーバ(Object Accessアダプタ)
0xA000〜0xA0FF
HCSCサーバ(ファイルアダプタ)
0xA200〜0xA2FF
HCSCサーバ(Message Queueアダプタ)
0xAB00〜0xABFF
0xAC00〜0xACFF
HCSCサーバ(FTPアダプタ)
0xA400〜0xA4FF
JAX-WSエンジン
0xE000〜0xE0FF
Elastic Application Data store
-
(3) アプリケーションのメソッドの開始・終了時トレース取得
アプリケーションのメソッドの開始時,および終了時にトレース情報を取得できます。取得できるトレース情報を次に示します。
-
メソッドの開始時刻,終了時刻
-
識別ID
-
パッケージ名,クラス名,メソッド名
-
メソッドで実行された最後の行の行番号
-
発生した例外またはエラーのクラス名
トレース情報の詳細については,「8.25 アプリケーションのトレース取得ポイント」を参照してください。
(4) 各トレースのリターンコード
各トレースのリターンコードは入口トレースの場合,常に「0」が出力されます。
出口トレースおよび呼び出し後トレースの場合,次のように出力されます。
正常終了:0
異常終了:0以外