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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編


7.3.3 性能解析トレースファイルの出力情報(性能解析トレースの場合)

性能解析トレースでは,各機能レイヤのトレース情報を収集します。

各機能レイヤが出力する情報を次の表に示します。なお,CTMとそれ以外の機能レイヤでは,取得項目が異なります。また,付加情報の有無など,取得ポイントごとに,出力される項目は異なります。各取得ポイントで出力される項目の詳細については,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

表7‒4 性能解析トレースファイルに出力する情報(性能解析トレースの場合)

トレース情報のヘッダ

説明

値の範囲

PRF

そのプロセスのレコードの状態(正常または異常)。

次のどちらかが出力されます。

正常:Rec

異常:ErrRec

Process

トレース情報を取得したプロセスのプロセスID。

10けたの10進数が出力されます。

Thread

トレース情報を取得したプロセス内スレッドのスレッドID,およびスレッドのハッシュ値※1

スレッドID:20けた以内の10進数が出力されます。

ハッシュ値:10けた以内の10進数が出力されます。

Trace

トレース情報を取得したプロセス内スレッドでのトレース通番。

10けたの10進数が出力されます。

ProcessName

プロセス名。

32文字以内のプロセスを表す文字列※2が出力されます。

Event

トレース取得ポイントを示すイベントID。

6けたの16進数(6けたには,"0x"も含みます)が出力されます※3

Date

トレース情報を取得した年月日。

年月日が「yyyy/mm/dd」のフォーマットで出力されます。

yyyy:年

mm:月

dd:日

Time

トレース情報を取得した時刻(時:分:秒)。

時刻が「hh:mm:ss」のフォーマットで出力されます。

hh:時

mm:分

ss:秒

Time(msec/usec/nsec)

トレース情報を取得した時刻(ミリ秒/マイクロ秒/ナノ秒)。

時刻が「ms/us/ns」のフォーマットで出力されます。

ms:ミリ秒

us:マイクロ秒

ns:ナノ秒

Rc

リターンコード。

16けたの16進数(16けたには,"0x"も含む)が出力されます。

正常:0

異常:1(または0以外)

ClientAP IP※4

トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのIPアドレス。

IPアドレスが,「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。

ClientAP PID※4

トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのプロセスID。

10けたの10進数が出力されます。

ClientAP CommNo.※4

トレース情報を取得したクライアントアプリケーションの通信番号。

18けたの16進数(18けたには,"0x"も含みます)が出力されます。

RootAP IP※5

トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス。

IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。

RootAP PID※5

トレース情報を取得したルートアプリケーションのプロセスID。

10けたの10進数が出力されます。

RootAP CommNo.※5

トレース情報を取得したルートアプリケーションの通信番号。

18けたの16進数(18けたには,"0x"も含む)が出力されます

SendSCD IP※5

リクエスト要求元CTMのIPアドレス。

IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。

SendSCD PID※6

リクエスト要求元CTMのプロセスID。

10けたの10進数が出力されます。

ReceiveSCD IP※6

リクエスト要求先CTMのIPアドレス。

IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。

ReceiveSCD PID※6

リクエスト要求先CTMのプロセスID。

10けたの10進数

INT

取得ポイントごとのインタフェース名。

33文字以内の文字列※7が出力されます。

OPR

取得ポイントに関連するオペレーション情報。

33文字以内の文字列※7が出力されます。

LookupName※6

ルックアップ名。

33文字以内の文字列※7が出力されます。

OPT※8

取得ポイントごとの付加情報。

514文字以内の16進数値文字列が出力されます。

ASCII

取得ポイントごとの付加情報をASCII文字出力。

OPTの内容が514文字以内のASCII文字列として出力されます。

注※1

CTMで取得したトレース情報には,スレッドのハッシュ値は出力されない場合があります。

注※2

プロセス名称は次のように決定されます。

  • EJBクライアントアプリケーションの場合

    EJBクライアントアプリケーションのシステムプロパティejbserver.server.prf.processNameに指定された名称。

    このシステムプロパティを指定していない場合,またはこのプロパティにnull文字を指定した場合は,"EJBClient"になります。

  • J2EEサーバ,バッチサーバ,およびWebコンテナサーバの場合

    サーバ名がプロセス名称となります。

  • CTMの場合

    CTMの各プロセス名称となります。

注※3

イベントIDは,機能レイヤのトレース取得ポイントごとに割り当てられています。詳細は,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

注※4

クライアントアプリケーション情報の構成要素です。

注※5

ルートアプリケーション情報の構成要素です。Webコンテナで出力されるトレースポイントでは,トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス,プロセスID,および通信番号が「0.0.0. 0/0/0x0000000000000000」と出力される場合があります。詳細は「7.7.7 ルートアプリケーション情報を利用したログ調査」を参照してください。

なお,HTTP ServerをIPv4とIPv6のデュアルスタック環境で動作させて運用する場合,ルートアプリケーションのプロセスIDには,IPv4アドレスが出力されます。また,クライアントのアドレスがIPv6の場合で33文字以上のときは,トレース情報のイベントID「0x8000」および「0x8100」を編集して出力します。

  • イベントID「0x8000」の場合:"先頭から32文字"+"*"

  • イベントID「0x8100」の場合:"先頭から16文字"+"*"+"後ろから16文字"

この場合,イベントID「0x8000」および「0x8100」の両方を参照すると,クライアントのアドレス全体を取得できます。

注※6

CTMの場合だけ出力される情報です。CTM以外のレイヤでは,「****」が表示されます。なお,バッチアプリケーションを実行するシステムではスケジュールグループ名が表示されます。

注※7

インタフェース名,オペレーション名,およびルックアップ名が32文字を超える場合,次のどれかの方法で,33文字になって出力されます。詳細については,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。

先頭32文字+*

先頭16文字+*+末尾16文字

*+末尾32文字

注※8

機能レイヤによっては,「OPT」に入り口時刻が出力されるトレース取得ポイントがあります。入り口時刻とは,そのトレース取得ポイントのトレースに対応する入り口トレースが出力された時間を示します。

なお,入り口時刻は,「1970年1月1日00:00:00」からの通算時間が16バイトの値で出力されます。前半の8バイトの値は秒単位を,後半の8バイトの値はマイクロ秒単位を示します。