7.3.3 性能解析トレースファイルの出力情報(性能解析トレースの場合)
性能解析トレースでは,各機能レイヤのトレース情報を収集します。
各機能レイヤが出力する情報を次の表に示します。なお,CTMとそれ以外の機能レイヤでは,取得項目が異なります。また,付加情報の有無など,取得ポイントごとに,出力される項目は異なります。各取得ポイントで出力される項目の詳細については,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。
トレース情報のヘッダ |
説明 |
値の範囲 |
---|---|---|
PRF |
そのプロセスのレコードの状態(正常または異常)。 |
次のどちらかが出力されます。 正常:Rec 異常:ErrRec |
Process |
トレース情報を取得したプロセスのプロセスID。 |
10けたの10進数が出力されます。 |
Thread |
トレース情報を取得したプロセス内スレッドのスレッドID,およびスレッドのハッシュ値※1。 |
スレッドID:20けた以内の10進数が出力されます。 ハッシュ値:10けた以内の10進数が出力されます。 |
Trace |
トレース情報を取得したプロセス内スレッドでのトレース通番。 |
10けたの10進数が出力されます。 |
ProcessName |
プロセス名。 |
32文字以内のプロセスを表す文字列※2が出力されます。 |
Event |
トレース取得ポイントを示すイベントID。 |
6けたの16進数(6けたには,"0x"も含みます)が出力されます※3。 |
Date |
トレース情報を取得した年月日。 |
年月日が「yyyy/mm/dd」のフォーマットで出力されます。 yyyy:年 mm:月 dd:日 |
Time |
トレース情報を取得した時刻(時:分:秒)。 |
時刻が「hh:mm:ss」のフォーマットで出力されます。 hh:時 mm:分 ss:秒 |
Time(msec/usec/nsec) |
トレース情報を取得した時刻(ミリ秒/マイクロ秒/ナノ秒)。 |
時刻が「ms/us/ns」のフォーマットで出力されます。 ms:ミリ秒 us:マイクロ秒 ns:ナノ秒 |
Rc |
リターンコード。 |
16けたの16進数(16けたには,"0x"も含む)が出力されます。 正常:0 異常:1(または0以外) |
ClientAP IP※4 |
トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのIPアドレス。 |
IPアドレスが,「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。 |
ClientAP PID※4 |
トレース情報を取得したクライアントアプリケーションのプロセスID。 |
10けたの10進数が出力されます。 |
ClientAP CommNo.※4 |
トレース情報を取得したクライアントアプリケーションの通信番号。 |
18けたの16進数(18けたには,"0x"も含みます)が出力されます。 |
RootAP IP※5 |
トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス。 |
IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。 |
RootAP PID※5 |
トレース情報を取得したルートアプリケーションのプロセスID。 |
10けたの10進数が出力されます。 |
RootAP CommNo.※5 |
トレース情報を取得したルートアプリケーションの通信番号。 |
18けたの16進数(18けたには,"0x"も含む)が出力されます |
SendSCD IP※5 |
リクエスト要求元CTMのIPアドレス。 |
IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。 |
SendSCD PID※6 |
リクエスト要求元CTMのプロセスID。 |
10けたの10進数が出力されます。 |
ReceiveSCD IP※6 |
リクエスト要求先CTMのIPアドレス。 |
IPアドレスが「aaa.bbb.ccc.ddd」のフォーマットで出力されます。 |
ReceiveSCD PID※6 |
リクエスト要求先CTMのプロセスID。 |
10けたの10進数 |
INT |
取得ポイントごとのインタフェース名。 |
33文字以内の文字列※7が出力されます。 |
OPR |
取得ポイントに関連するオペレーション情報。 |
33文字以内の文字列※7が出力されます。 |
LookupName※6 |
ルックアップ名。 |
33文字以内の文字列※7が出力されます。 |
OPT※8 |
取得ポイントごとの付加情報。 |
514文字以内の16進数値文字列が出力されます。 |
ASCII |
取得ポイントごとの付加情報をASCII文字出力。 |
OPTの内容が514文字以内のASCII文字列として出力されます。 |
- 注※1
-
CTMで取得したトレース情報には,スレッドのハッシュ値は出力されない場合があります。
- 注※2
-
プロセス名称は次のように決定されます。
-
EJBクライアントアプリケーションの場合
EJBクライアントアプリケーションのシステムプロパティejbserver.server.prf.processNameに指定された名称。
このシステムプロパティを指定していない場合,またはこのプロパティにnull文字を指定した場合は,"EJBClient"になります。
-
J2EEサーバ,バッチサーバ,およびWebコンテナサーバの場合
サーバ名がプロセス名称となります。
-
CTMの場合
CTMの各プロセス名称となります。
-
- 注※3
-
イベントIDは,機能レイヤのトレース取得ポイントごとに割り当てられています。詳細は,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。
- 注※4
-
クライアントアプリケーション情報の構成要素です。
- 注※5
-
ルートアプリケーション情報の構成要素です。Webコンテナで出力されるトレースポイントでは,トレース情報を取得したルートアプリケーションのIPアドレス,プロセスID,および通信番号が「0.0.0. 0/0/0x0000000000000000」と出力される場合があります。詳細は「7.7.7 ルートアプリケーション情報を利用したログ調査」を参照してください。
なお,HTTP ServerをIPv4とIPv6のデュアルスタック環境で動作させて運用する場合,ルートアプリケーションのプロセスIDには,IPv4アドレスが出力されます。また,クライアントのアドレスがIPv6の場合で33文字以上のときは,トレース情報のイベントID「0x8000」および「0x8100」を編集して出力します。
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イベントID「0x8000」の場合:"先頭から32文字"+"*"
-
イベントID「0x8100」の場合:"先頭から16文字"+"*"+"後ろから16文字"
この場合,イベントID「0x8000」および「0x8100」の両方を参照すると,クライアントのアドレス全体を取得できます。
-
- 注※6
-
CTMの場合だけ出力される情報です。CTM以外のレイヤでは,「****」が表示されます。なお,バッチアプリケーションを実行するシステムではスケジュールグループ名が表示されます。
- 注※7
-
インタフェース名,オペレーション名,およびルックアップ名が32文字を超える場合,次のどれかの方法で,33文字になって出力されます。詳細については,「8. 性能解析トレースのトレース取得ポイントとPRFトレース取得レベル」を参照してください。
先頭32文字+*
先頭16文字+*+末尾16文字
*+末尾32文字
- 注※8
-
機能レイヤによっては,「OPT」に入り口時刻が出力されるトレース取得ポイントがあります。入り口時刻とは,そのトレース取得ポイントのトレースに対応する入り口トレースが出力された時間を示します。
なお,入り口時刻は,「1970年1月1日00:00:00」からの通算時間が16バイトの値で出力されます。前半の8バイトの値は秒単位を,後半の8バイトの値はマイクロ秒単位を示します。