3.3.6 J2EEサーバのログ取得の設定
ここでは,J2EEサーバのログ取得で設定できる項目について説明します。
J2EEサーバのログは,ログの出力先,ログサイズ,ログレベル,ログの出力先ファイルの切り替え方法およびログの出力先ファイルの切り替え時刻を変更できます。変更できる項目と,項目に対応する簡易構築定義ファイルのパラメタを次の表に示します。
なお,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.systemlog.enabledパラメタでtrue(デフォルト値)を指定した場合,またはこのパラメタの指定を省略した場合は,J2EEサーバの起動,停止および異常終了のメッセージがイベントログ(UNIXの場合は,syslog)に出力されます。
- 注意事項(UNIXの場合)
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J2EEサーバの起動,停止および異常終了のメッセージをsyslogに出力するためには,syslogの設定で,facility「daemon」に対するpriorityを「info」または「debug」に設定する必要があります。また,syslogのログ出力先およびログファイル名は,syslogの設定に依存します。
syslogおよびsyslogの設定に関する詳細については,OS付属のマニュアルで,syslogdまたはsyslog.confの説明を参照してください。
簡易構築定義ファイルに指定するパラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.3 簡易構築定義ファイル」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) ログの出力先の変更
J2EEサーバのログの出力先を変更する場合は,簡易構築定義ファイルでログの出力先ディレクトリを指定します。
- ログの出力先の変更
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デフォルトのログ出力先を次に示します。
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Windowsの場合
<作業ディレクトリ>\ejb\<サーバ名>\logs
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UNIXの場合
<作業ディレクトリ>/ejb/<サーバ名>/logs
なお,作業ディレクトリのデフォルトは,<製品のインストールディレクトリ>\CC\server\public(Windowsの場合),または/opt/Cosminexus/CC/server/public(UNIXの場合)です。
作業ディレクトリおよびJ2EEサーバのログの出力先は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,次のパラメタを指定すると変更できます。
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ejb.public.directory
J2EEサーバの作業ディレクトリのパスを指定します。
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ejb.server.log.directory
J2EEサーバのログの出力先ディレクトリを指定します。
- 設定例(物理ティアの定義の場合)
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Windowsの場合
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejb.server.log.directory</param-name> <param-value>C:\CClogs\server\MyServer</param-value> </param> : </configuration>
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UNIXの場合
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejb.server.log.directory</param-name> <param-value>/CClogs/server/MyServer</param-value> </param> : </configuration>
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- カレントディレクトリ
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ログ出力先を相対パスで指定する場合のカレントディレクトリを次に示します。
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Windowsの場合
<作業ディレクトリ>\ejb\<サーバ名称>
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UNIXの場合
<作業ディレクトリ>/ejb/<サーバ名称>
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- 注意事項
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ログの出力先を変更した場合は,J2EEサーバを起動する前に,変更後のログの出力先ディレクトリを作成しておいてください。
変更後のログの出力先ディレクトリがない場合は,J2EEサーバの起動時にKDJE40024-Eのメッセージが出力されて異常終了します。また,サーバ管理コマンドの実行時にKDJE37209-E,KDJE37210-E,KDJE37211-Eのメッセージが出力されて異常終了します。
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同一ホスト内で複数のJ2EEサーバを起動させている場合は,ログ出力先が同じディレクトリにならないように,ディレクトリにサーバ名称を含めるなど,サーバごとにユニークなディレクトリ名になるようにしてください。なお,パラメタの値に同じディレクトリを指定した場合は,動作の保証はしません。
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ログの出力先を変更して作業ディレクトリ以外にログを出力する場合,ログファイルはサーバのアンセットアップ時に削除されません。ログファイルを削除したい場合には,手動で削除してください。
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簡易構築定義ファイルでログの出力先を設定していても,JavaVM起動パラメタでJavaVMの保守情報およびGCのログ出力先が設定されていると,JavaVM起動パラメタの設定が優先されますので,注意してください。
JavaVM起動パラメタは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に定義します。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。
- <param-name>タグ
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add.jvm.arg
- <param-value>タグ
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XX:HitachiJavaLog:<JavaVMの保守情報およびGCのログ出力先>
JavaVM起動パラメタを指定している場合は,JavaVMの保守情報およびGCのログ出力先に設定したディレクトリに,JavaVMの保守情報およびGCのログファイルが出力されます。
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ログ出力先には,UNC名を含むパスは指定できません。
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(2) ログサイズの変更
J2EEサーバのログサイズを変更する場合は,簡易構築定義ファイルで,ログファイルの面数,およびログファイル1面当たりの最大サイズを設定します。
- ログファイル面数の変更
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J2EEサーバのログファイルの面数は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>.filenumパラメタで指定します。
- 設定例(物理ティアの定義の場合)
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.channels.define.MessageLogFile.filenum</param-name> <param-value>3</param-value> </param> : </configuration>
- ログファイル1面当たりの最大サイズの変更
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J2EEサーバのログファイル1面当たりの最大サイズ(単位:バイト)は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名>.filesizeパラメタで指定します。
- 設定例(物理ティアの定義の場合)
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.channels.define.MessageLogFile.filesize</param-name> <param-value>2097152</param-value> </param> : </configuration>
(3) ログレベルの変更
J2EEサーバのログレベルは,ログの重要度を表します。ログレベルには,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の四つがあります。ログレベルを設定すると,設定したレベルのログが出力されます。デフォルトでは,Errorレベルのログだけが取得されます。通常はデフォルトのまま利用してください。
ログレベルは,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバの<configuration>タグ内に,ejbserver.logger.enabled.*パラメタで設定します。ejbserver.logger.enabled.*の<param-value>タグにはレベル名を,「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」の文字列で一つ,または複数設定します。複数設定する場合には,レベル名の文字列の間をコンマ(,)で区切ります。
- 設定例(物理ティアの定義の場合)
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1.
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.enabled.*</param-name> <param-value>Error</param-value> </param> : </configuration>
2.
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.enabled.*</param-name> <param-value>Error,Warning</param-value> </param> : </configuration>
3.
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.enabled.*</param-name> <param-value>Error,Warning,Information</param-value> </param> : </configuration>
4.
<configuration> <logical-server-type>j2ee-server</logical-server-type> <param> <param-name>ejbserver.logger.enabled.*</param-name> <param-value>Error,Warning,Information,Debug</param-value> </param> : </configuration>
- 注意事項
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記述例の1.,2.,3.,4.の順に,取得できるログの件数が増加していきます。複数のログレベルを設定してログを取得すると,性能が劣化し,ログファイルの面の切り替えが頻繁に起こるようになります。
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レベル名に「Error」,「Warning」,「Information」,「Debug」以外の文字列,または空の値を設定した場合は,KDJE90009-Wのメッセージが出力されます。Errorレベルのログは取得されます。
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- ログレベルの推奨設定
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ログレベルの推奨設定を次に示します。
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通常運用時
レベル名に「Error」を指定します。
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通常運用時(verbose)
通常運用時よりも詳細な情報を取得する場合には,レベル名に「Error,Warning」を指定します。
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テスト時
レベル名に「Error,Warning,Information」を指定します。
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障害調査時
レベル名に「Error,Warning,Information,Debug」を指定します。
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