3.3.6 XML Schemaのインポート
xsd:import要素を定義することで,同じWSDL内のXML Schema,および別ファイルのXML Schemaをインポートできます。XML Schemaのインポートでは,異なる名前空間に属するXML Schemaをインポートできます。
XML Schemaのインポートの概念を次の図に示します。
なお,名前空間「http://www.w3.org/2001/XMLSchema」はインポートしないでください。
(1) xsd:import要素の有効範囲
XML Schemaをインポートすることで,インポート対象のXML Schemaの要素および属性を参照できます。XML Schemaの型定義を参照する場合,同じファイル内に参照する型定義がなくても,型定義を記述したXML Schemaのファイルをインポートすれば参照できます。
XML Schemaの要素および属性を参照できる場合の例を示します。
対象となるXML Schemaをインポートしない場合は,ほかの名前空間に属するXML Schemaの要素および属性を参照できません。また,別のファイルを介して,間接的にXML Schemaの要素および属性を参照することはできません。
XML Schemaの要素および属性を参照できない場合の例を示します。
(2) xsd:import要素の書式
xsd:import要素の書式と属性を示します。
- 書式
<xsd:import namespace="インポートする名前空間のURI" [schemaLocation="インポート対象のXML Schemaのファイル名"]/>
注 [ ]は定義を省略できることを表します。
- 属性
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namespace
インポート対象のXML Schemaが属する名前空間のURIを定義します。この属性の定義は必須です。
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schemaLocation
インポート対象のXML Schemaのファイル名を定義します。同じWSDLファイル内のXML Schemaをインポートする場合,および次のURIをインポートする場合は,この属性の定義を省略します。
・http://schemas.xmlsoap.org/soap/encoding/
・http://www.w3.org/2003/05/soap-encoding
・http://xml.apache.org/xml-soap
・http://ws-i.org/profiles/basic/1.1/xsd
schemaLocation属性に定義できるのは相対パスだけです。したがって,絶対パスや,http://やftp://などのプロトコルで始まるURIは定義できません。また,相対パスにショートカットを含めることはできません。
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- 相対パスに指定する文字に関する注意
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相対パスに指定する文字の使用可否を次の表に示します。次の表にない文字を使用する場合は,パーセントエンコードする必要があります。
表3‒7 相対パスに指定する文字の使用可否 分類
文字
そのまま使用できる文字
(指定時にパーセントエンコード不要)
半角英数字(A〜Z,a〜z,0〜9)および次の文字
- . _ ~ /
使用できない文字
(パーセントエンコードしても指定不可)
半角スペースおよび次の文字
? : * % | < > " [ ] & +
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「#」はパーセントエンコードすると指定できます。ただし,ファイル名の先頭には指定できません。
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相対パスに指定した文字は,大文字と小文字は区別されません。
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パーセントエンコードした文字の16進コード(%xx)のAからFは,大文字を使用してください。
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パーセントエンコードする場合,正しくパーセントエンコードされているか確認してください。不完全な文字列は指定できません。
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(3) xsd:import要素の構文
xsd:import要素の構文,および定義時の注意事項を示します。
(a) xsd:import要素の記述位置
xsd:import要素は,次に示す規則に従って記述してください。
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xsd:schema要素の子要素として記述してください。
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xsd:annotation要素よりもあとに記述してください。
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xsd:annotation要素およびxsd:include要素を除く,ほかのすべての要素よりも前に記述してください。
(b) インポート対象のXML Schemaの定義
インポート対象のXML Schemaでは,ルート要素をxsd:schema要素にしてください。また,インポート対象のxsd:schema要素のtargetNamespace属性は,次に示す規則に従って記述してください。
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インポート元のxsd:import要素のnamespace属性と同じ値を定義してください。
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インポート元のtargetNamespace属性と異なる値を定義してください。
(c) 複数のXML Schemaのインポート
xsd:schemaの子要素にxsd:import要素を複数行記述することで,複数のXML Schemaをインポートできます。
schemaLocation属性の値が異なれば,namespace属性の値がそれぞれ同じ場合でも,異なる場合でもインポートできます。schemaLocation属性の値が同じ場合は,どちらもインポートできません(schemaLocation属性の値が同じxsd:import要素は複数行記述できません)。schemaLocation属性を省略する場合は,namespace属性の値が同じxsd:import要素を複数行記述できません。
(4) xsd:import要素の定義例
別ファイルのXML Schemaをインポートする場合,および同じWSDL内のXML Schemaをインポートする場合の定義例を示します。
(a) 別ファイルのXML Schemaをインポートする場合
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DataInfo.wsdl(インポート元)
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <wsdl:definitions targetNamespace="http://dictionary.com" xmlns:intf="http://dictionary.com" xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"> <wsdl:types> <xsd:schema targetNamespace="http://dictionary.com"> <xsd:import namespace="http://date.dictionary.com" schemaLocation="Date.xsd"/> ... </xsd:schema> </wsdl:types> ... </wsdl:definitions>
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Date.xsd(インポート対象)
<?xml version="1.0" ?> <xsd:schema targetNamespace="http://date.dictionary.com" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"> <xsd:complexType name="DateInfo"> <xsd:sequence> <xsd:element name="fromDate" nillable="true" type="xsd:string"/> <xsd:element name="toDate" nillable="true" type="xsd:string"/> </xsd:sequence> </xsd:complexType> </xsd:schema>
(b) 同じWSDL内のXML Schemaをインポートする場合
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <wsdl:definitions targetNamespace="http://dictionary.com" xmlns:intf="http://dictionary.com" xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"> <wsdl:types> <xsd:schema targetNamespace="http://dictionary.com" xmlns:tns2="http://date.dictionary.com" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"> <xsd:import namespace="http://date.dictionary.com"/> <xsd:complexType name="Data"> <xsd:sequence> <xsd:element name="date" nillable="true" type="tns2:DateInfo"/> <xsd:element name="title" nillable="true" type="xsd:string"/> </xsd:sequence> </xsd:complexType> </xsd:schema> <xsd:schema targetNamespace="http://date.dictionary.com" xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"> <xsd:complexType name="DateInfo"> <xsd:sequence> <xsd:element name="fromDate" nillable="true" type="xsd:string"/> <xsd:element name="toDate" nillable="true" type="xsd:string"/> </xsd:sequence> </xsd:complexType> </xsd:schema> </wsdl:types> ... </wsdl:definitions>