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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


7.7.18 SFTPアダプタ実行時の障害対策

SFTPアダプタに関する障害情報には次の種類があります。

これらの障害情報について説明します。

〈この項の構成〉

(1) メッセージログ

メッセージログのJ2EEサーバの稼働ログに,SFTPアダプタで発生した各種情報がメッセージとして出力されます。

メッセージログの出力内容や出力先については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。

(2) 保守用ログ

SFTPアダプタでの保守用ログについて説明します。

●保守用ログの出力形式

保守用ログの出力形式を次の図に示します。

図7‒156 保守用ログの出力形式(SFTPアダプタ)

[図データ]

●出力される内容

保守用ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒207 保守用ログに出力される内容(SFTPアダプタ)

項目

内容

番号

保守用ログの出力通番が表示されます。

日付

保守用ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

時刻

保守用ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子として,SFTPアダプタを示す「SFTPADP」が出力されます。また,バージョン情報が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID,種別

表示されません。

出力種別

保守用ログの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • BGN:メソッドの開始

  • END:メソッドの終了

  • CAL:メソッドの呼び出し

  • RET:メソッドの戻り

  • THR:例外のスロー

  • CTH:例外のキャッチ

  • DBG:デバッグ情報

クラス名

保守用ログを取得するクラス名が出力されます。

メソッド名

保守用ログを取得するメソッド名が出力されます。

入出力情報

保守用ログを取得するメソッドの入出力情報(引数の値,戻り値,例外名など)が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

●保守用ログの出力先
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\SFTPADP\maintenance\<サービスID>

保守用ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒208 保守用ログのファイル名(SFTPアダプタ)

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscsftpadpmtd_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscsftpadpmtd_<HCSCサーバ名>_.log

なお,ログファイルの面数は,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.methodtrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.methodtrace.filesizeプロパティで指定します。

SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.16.1 SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(3) 性能解析トレース

性能解析トレースを取得するには設定が必要です。設定の詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(a) 性能解析トレースの出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

(b) 出力される内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表7‒209 性能解析トレースファイルに出力される内容(SFTPアダプタ)

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

取得ポイントの詳細は,項目「(c) 性能解析トレースの取得ポイント」を参照してください。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

オプション情報

サービスID

HCSCコンポーネントのサービスIDが出力されます。

オペレーション

次のどれかが出力されます。

  • PUT

  • GET

  • GETINFO

SFTPコマンド名

cd,get,lsなどが出力されます。

転送ファイル名またはパス

PUTオペレーションの場合は,ローカルファイル名が出力されます。

GETオペレーションの場合は,リモートファイル名が出力されます。

GETINFOオペレーションの場合は,リモートパスが出力されます。

転送サイズ

転送ファイルのサイズがバイト単位で出力されます。

転送前後コマンドやGETINFOオペレーションの場合は出力されません。

任意時刻からのナノ秒

java.lang.SystemクラスのnanoTimeメソッドの戻り値が出力されます。

例外クラス名

例外が発生したクラス名が出力されます。

(c) 性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図7‒157 性能解析トレースの取得ポイント(SFTPアダプタ)

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は上の図の番号と対応しています。

表7‒210 性能解析トレースの取得ポイント(SFTPアダプタ)

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0xAB0A

1

リクエスト受付時

B

0xAB0C

2

SFTPコマンド(転送コマンド・リストコマンド以外)の実行時

A

0xAB0D

3

SFTPコマンド(転送コマンド・リストコマンド以外)のリプライ時

A

0xAB0E

4

転送コマンドまたはリストコマンド実行時

A

0xAB0F

5

転送コマンドまたはリストコマンドリプライ時

A

0xAB0B

6

レスポンス送信時

B

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

B:「詳細」であることを示します。

(4) SFTPプロトコルトレース

SFTPプロトコルトレースは,SFTPアダプタとSFTPサーバ間のSFTP通信のトレースであり,必ず出力されます。次に示す処理の内容を出力します。

SFTPプロトコルトレースについて説明します。

(a) 出力形式

SFTPプロトコルトレースの出力形式を次の図に示します。

図7‒158 SFTPプロトコルトレースの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

SFTPプロトコルトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7‒211 SFTPプロトコルトレースに出力される内容

項目

内容

番号

SFTPプロトコルトレースの出力通番が出力されます。

日付

SFTPプロトコルトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

時刻

SFTPプロトコルトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子として,SFTPアダプタを示す「SFTPADP」が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

出力されません。

種別

SFTPプロトコルトレースの種別が出力されます。

  • CON:接続または切断

  • CMD:コマンド実行

  • REP:応答行

  • EXP:エラー応答行(異常終了時だけ)

リクエストID

受付で作成されたリクエストIDが出力されます。共通フォルダを使用している場合は,リクエストIDが存在しないため「****」が出力されます。

IPv4でリクエストIDが作成された場合は,最大49桁で出力され,リクエストIDの右側には不足分の半角スペースが設定されます。

トレース情報

SFTPプロトコルトレース情報として,次に示す内容が出力されます。

  • 種別がCONの場合

    接続時:Connected to <接続先> Port <ポート番号>

    切断時:Disconnected to <接続先> Port <ポート番号>

  • 種別がCMDの場合

    SFTPコマンドおよび引数

  • 種別がREPの場合

    <コマンド名> command successful

  • 種別がEXPの場合

    エラーメッセージ

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

(c) 出力先

SFTPプロトコルトレースの出力先を次に示します。

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\SFTPADP\<サービスID>

SFTPプロトコルトレースのトレースファイル名を次の表に示します。

表7‒212 SFTPプロトコルトレースのトレースファイル名

トレースファイルの出力モード

トレースファイル名

ラップアラウンドモードの場合

sftpprotocoltrace_<面数>.log

シフトモードの場合

sftpprotocoltrace_.log

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

なお,ログファイルの面数は,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.sftpprotocoltrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.sftpprotocoltrace.filesizeプロパティで指定します。

詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.16.1 SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(5) 例外ログ

トレースの開始以降に発生した例外情報(スタックトレース)を例外ログとして別のファイルに出力します。例外ログでは,出力ファイルのパスと出力レベルは設定しないで,出力ファイルのサイズと面数を設定します。また,例外ログファイルは保守用ログと同じディレクトリに出力されます。

SFTPアダプタの例外ログについて説明します。

(a) 出力形式

例外ログの出力形式を次の図に示します。

図7‒159 例外ログの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

例外ログに出力される内容を次の表に示します。

表7‒213 例外ログに出力される内容(SFTPアダプタ)

項目

内容

番号

例外ログの出力通番が表示されます。

日付

例外ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

時刻

例外ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子として,SFTPアダプタを示す「SFTPADP」が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

空白

スタックトレース情報

スタックトレース情報が出力されます。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

(c) 出力先

例外ログの出力先を次に示します。保守用ログと同じパスです。

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\SFTPADP\maintenance\<サービスID>

例外ログのログファイル名を次の表に示します。

表7‒214 例外ログのログファイル名

ログファイルの出力モード

ログファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscsftpadpexp_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscsftpadpexp_<HCSCサーバ名>_.log

なお,ログファイルの面数は,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.exptrace.filenumプロパティで指定します。ログファイルのサイズは,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルのsftpadp.exptrace.filesizeプロパティで指定します。

SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.16.1 SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

(6) ユーザ認証情報管理コマンドのメッセージログ

ユーザ認証情報管理コマンドの実行時の情報(通知・エラーなど)が,メッセージとしてユーザ認証情報管理コマンドのメッセージログに出力されます。このログを参照することで,過去に実行したコマンドの障害情報や稼働情報を確認できます。

ユーザ認証情報管理コマンドのメッセージログについては,「7.4.8 ユーザ認証情報管理コマンドのメッセージログ」を参照してください。