2.2.1 データベースとReliable Messagingの使用有無
サービスプラットフォームのどの機能を使用し,どのような運用をしたいかによって,データベースとReliable Messagingの使用有無が異なります。使用する機能ごとに,データベースとReliable Messagingの使用有無を次の表に示します。
使用したい機能 |
データベース |
Reliable Messaging |
|
---|---|---|---|
同期受付を使用したい |
× |
× |
|
非同期受付(標準受付(MDB(WS-R)),標準受付(MDB(DBキュー)))を使用したい |
× |
× |
|
同期サービスアダプタを使用したい |
× |
× |
|
非同期サービスアダプタ(MDB(WS-R)アダプタ,MDB(DBキュー)アダプタ)を使用したい |
○ |
○ |
|
ビジネスプロセスを使用したい |
永続化するビジネスプロセスを使用したい |
○ |
× |
永続化しないビジネスプロセスを使用したい※1 |
× |
× |
|
プロセスインスタンスの実行履歴を管理したい※2 |
○ |
× |
|
DBアダプタを使用したい |
×※3 |
× |
この表から,データベースとReliable Messagingの使用有無による構成形態は,次の3つのパターンがあることがわかります。
-
データベースとReliable Messagingの両方を使用する
-
データベースとReliable Messagingの両方を使用しない
-
データベースを使用してReliable Messagingを使用しない
それぞれパターンによって,システム構築時の実行環境に関する設定内容などが異なります。各パターンでの実行環境の設定内容については,「2.3 実行環境に関する設定」を参照してください。
なお,データベースとReliable Messagingの使用有無の設定は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルで定義します。また,データベースを使用しない場合はデータベースの設定が不要で,Reliable Messagingを使用しない場合はReliable Messagingの設定が不要です。
- 注意事項
-
実行環境または運用環境でアクセスする次のディレクトリおよびファイルには,適切にアクセス権を付与してください。
-
サービスプラットフォームのインストールディレクトリ
-
コマンドの引数で指定するディレクトリおよびファイル
-
HCSCで使用する各種定義ファイルに指定するディレクトリおよびファイル
-
- 〈この項の構成〉
(1) テーブル分割機能の使用有無
プロセスインスタンスの実行履歴を管理する場合,サービスプラットフォームでシステムを構築する前に,テーブル分割機能の使用有無と分割構成を明確にし,使用するデータベースを検討する必要があります。
ここでは,テーブル分割機能に関する検討事項を説明します。テーブル分割機能の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 解説」の「7.3 HiRDBと連携した実行履歴の管理」を参照してください。
(a) テーブル分割機能の使用方法の検討
テーブル分割機能と,使用するデータベースの関係を次の表に示します。
テーブル分割機能の使用方法 |
HiRDB Server |
その他のDBMS |
|
---|---|---|---|
HiRDB/Single Server |
HiRDB/Parallel Server |
||
日付データ(月)で分割する場合 |
○ |
○ |
× |
日付データ(月)で分割し,さらに複数のサーバに分散して管理する場合 |
× |
○※ |
× |
テーブル分割機能を使用しない場合 |
○ |
○ |
○ |
(b) テーブルの分割構成の検討
テーブル分割機能を使用する場合は,次の点を基に1か月当たりのデータ量(見込み値)を検討し,分割構成を決めてください。
-
バックエンドサーバを何台使うか
-
何か月分のデータをまとめて扱うか
-
何か月単位で循環させるか(何か月分のデータをデータベースに残すか)
(c) HCSCサーバのセットアップ
テーブル分割機能を利用する場合は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルで次のように定義する必要があります。
db-tbl-split-key=MONTH db-tbl-split-corcheck-use=ON sql-scriptfilename=テーブル分割を定義したSQLスクリプトファイルのパス※
- 注※
-
クラスタ内で1台目のHCSCサーバをセットアップする際に必要な定義です。
1台目のHCSCサーバセットアップ時にテーブル分割機能の対象となるテーブル,インデクス,およびビュー表の作成が完了するため,2台目以降のHCSCサーバセットアップ時にはSQLスクリプトファイルの設定は必須ではありません。
SQLスクリプトファイルの詳細については,「付録D.2(2) RDエリア名または表領域名の変更」を参照してください。
HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.4.3 HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。