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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編


付録B.6 トラブルシューティング

ここでは,汎用カスタムアダプタの運用時に発生する障害と考えられる原因と対処方法を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 汎用カスタムアダプタの配備に関するトラブルシューティング

汎用カスタムアダプタを配備できない場合の原因,原因の特定および対策を次に示します。

(a) 原因

汎用カスタムアダプタのデプロイに失敗する場合,主に次の原因が考えられます。

  1. カスタムアダプタ用アプリケーション統合属性ファイルの形式または内容に誤りがある。

  2. 3.3.17 汎用カスタムアダプタを定義する」に示す正しい手順に従っていないため,誤りがあるEARファイルを登録した。

(b) 原因の特定

デプロイ時に表示されるコンソールログを確認してください。

  • 次のようなメッセージが表示されていた場合:

    KEOS50007-E An exception occurred during the operation. (Cosminexus Manager 
    name = <マネージャ識別名>, object name = jp.co.Hitachi.soft.csc.msg:type=
    CSCMsgAdapterBuilder, operation = setup, details = The application attributes 
    file is invalid. (<詳細情報>) ErrorCode=KDEC10031-E)

    原因の1.または2.のおそれがあります。

    具体的な原因については,<詳細情報>を確認してください。

(c) 対策

次の対処をしてください。

  • カスタムアダプタ用アプリケーション統合属性ファイルの形式または内容に誤りがないか確認してください。誤りがある場合は,ファイルを再作成してください。アプリケーション統合属性ファイルについては,「付録B.2(3) カスタムアダプタ用アプリケーション統合属性ファイル」を参照してください。

  • 使用しているEARファイルの形式または内容に誤りがないか確認してください。誤りがある場合は,ファイルを再作成してください。EARファイルの作成方法については,「3.3.17(6) EARファイルの作成」を参照してください。

(2) 汎用カスタムアダプタの開始に関するトラブルシューティング

汎用カスタムアダプタを開始できない場合の原因,原因の特定および対策を次に示します。

(a) 原因

汎用カスタムアダプタの開始に失敗する場合,主に次の原因が考えられます。

  1. 登録されているすべてのJARファイルのルートフォルダに,カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルが配置されていない。

  2. カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルの形式に誤りがある。

  3. カスタムアダプタプロパティファイルの形式に誤りがある。

  4. プロトコルコンバータJARファイルにプロトコルコンバータのクラスファイルが含まれていない。

  5. カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルで,プロトコルコンバータの指定に誤りがある,または存在しないプロトコルコンバータを指定している。

  6. プロトコルコンバータにpublicなデフォルトコンストラクタがない。

  7. プロトコルコンバータのstartメソッドで例外が発生した。

(b) 原因の特定

メッセージログファイルを確認してください。

  • メッセージログに次のようなメッセージが記録されていた場合:

    KDEC02513-E An attempt to read the file has failed. (adapter name = 
    <アダプタ名>, file name =<ファイル名>, information =<詳細情報>)

    埋め文字と原因の対応を次の表に示します。

    表B‒5 KDEC02513-E発生時の原因

    ファイル名

    詳細情報

    原因

    framework_properties.xml

    InputStream is null

    原因の1.のおそれがあります。

    InvalidPropertiesFormatException

    原因の2.のおそれがあります。

    defs/customadapter_properties.xml

    InvalidPropertiesFormatException

    原因の3.のおそれがあります。

  • メッセージログに次のようなメッセージが記録されていた場合:

    KDEC03015-E An initialization error occurred in the protocol converter. 
    (adapter name = <アダプタ名>, information =<原因となった例外名>)

    埋め文字と原因の対応を次の表に示します。

    表B‒6 KDEC03015-E発生時の原因

    原因となった例外名

    原因

    ClassNotFoundException

    原因の4.または5.のおそれがあります。

    IllegalAccessException

    原因の6.のおそれがあります。

    CSCMsgCustomAdapterException

    原因の7.のおそれがあります。

(c) 対策

原因が1.〜2.の場合,次の対処をしてください。
  • カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルの形式または内容に誤りがないか確認してください。誤りがある場合は,ファイルを再作成してください。カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルの詳細は,「付録B.2(1) カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイル」を参照してください。

  • カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルをプロトコルコンバータJARファイルの中の指定された場所に配置しているか確認してください。指定された場所に配置されていない場合は,正しい場所に配置し直してください。

原因が3.の場合,次の対処をしてください。
  • カスタムアダプタプロパティファイルの形式または内容に誤りがないか確認してください。誤りがある場合は,ファイルを再作成してください。カスタムアダプタプロパティファイルの詳細は,「付録B.2(2) カスタムアダプタプロパティファイル」を参照してください。

原因が4.〜5.の場合,次の対処をしてください。
  • プロトコルコンバータJARファイルにプロトコルコンバータのクラスファイルが含まれているか確認してください。含まれていない場合は,jarコマンドを使用して,プロトコルコンバータクラスファイルとそれが使用するクラスファイルおよび,カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルをJARファイルにアーカイブしてください。プロトコルコンバータJARファイルの作成方法については,「3.3.17(5)(a) プロトコルコンバータJARファイルの作成」を参照してください。

  • カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルで,プロトコルコンバータ名をパッケージ名付きで指定しているか確認してください。誤りがある場合は,プロトコルコンバータ名をパッケージ名付きで指定し直してください。

  • カスタムアダプタ開発フレームワーク動作定義ファイルで,プロトコルコンバータ名を指定するentry要素のkey属性の値はclassnameか確認してください。誤りがある場合は,key属性がclassnameであるentryタグに,プロトコルコンバータのクラス名を記述してください。

原因が6.の場合,次の対処をしてください。
  • プロトコルコンバータにpublicなデフォルトコンストラクタを定義しているか確認してください。定義されていない場合は,publicなデフォルトコンストラクタを定義してください。

原因が7.の場合,次の対処をしてください。
  • プロトコルコンバータのstartメソッドの処理を確認してください。処理内容に誤りがある場合は,実装し直してください。startメソッドの形式については,「付録B.1(2)(a) CSCMsgCustomAdapterContextインターフェース」を参照してください。

  • 使用している環境や設定がプロトコルコンバータの開始できる状態か確認してください。

(3) プロトコルコンバータからの操作に関するトラブルシューティング

プロトコルコンバータからファイルの操作をしようとするとjava.security.AccessControlException例外が発生する場合の原因,原因の特定および対策を次に示します。

(a) 原因

Javaのセキュリティ機能によって,ファイルアクセスが禁止された可能性があります。

(b) 原因の特定

プロトコルコンバータの中で,ファイルアクセス時にjava.security.AccessControlExceptionが送出されることを確認してください。

(c) 対策

次の対策をしてください。

  • コンテナ拡張ライブラリを使用する

    コンテナ拡張ライブラリの利用については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「19.2 コンテナ拡張ライブラリの利用」を参照してください。コンテナ拡張ライブラリの実装については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「19.3.2 コンテナ拡張ライブラリの作成と利用の流れ」を参照してください。

  • セキュリティポリシーファイルの設定を書き換える

    セキュリティポリシーの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「8.8.2 セキュリティポリシーの設定」を参照してください。

  • ユーザログ機能を使用する(ファイルアクセスの目的がログ出力の場合)

    ユーザログ機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「8.12 ユーザログ機能を使用する場合の注意事項」を参照してください。