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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編


付録D.1 ビジネスプロセスの概要を設計する

業務の基本フローをハイレベル・ビジネスプロセスとして作成し,作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化します。

〈この項の構成〉

(1) ハイレベル・ビジネスプロセスを作成する

上流設計ツールでハイレベル・ビジネスプロセスを作成します。商品手配サンプルプログラムのビジネスプロセスの場合,システム化する業務は在庫引当と配送手配の2つのタスクなので,これを基本フローとして記述します。

商品手配サンプルプログラムのハイレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D‒1 ハイレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

(2) ミドルレベル・ビジネスプロセスを作成する

作成したハイレベル・ビジネスプロセスを具体化し,業務全体の流れが把握できるミドルレベル・ビジネスプロセスを作成します。ここでは,在庫引当タスクのあとに排他ゲートウェイを追加し,手配を受けた商品の在庫がない場合の業務エラーフローを追加します。作成したビジネスプロセスに対して顧客と検討を繰り返し,検討不足の業務フローや改善点があればブラッシュアップします。

商品手配サンプルプログラムのミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例を次に示します。

図D‒2 ミドルレベル・ビジネスプロセスの記述例

[図データ]

商品手配サンプルプログラムでは,次の表に示す要素でビジネスプロセスを実現することにします。

表D‒1 商品手配ビジネスプロセスを構成する要素

項番

名前

要素の種類

備考

1

受付

開始ノード

2

在庫引当

タスク

3

排他ゲートウェイ

在庫引当の結果を判定

4

配送手配

タスク

5

応答_手配成功

終了ノード

配送手配が成功したときの終了ノード

6

応答_在庫なしエラー

終了ノード

在庫がなかったときの終了ノード

(凡例)

−:名前はありません。

空欄:備考として説明する内容はありません。

また,この段階でサービスの粒度も検討します。ここでは,次の表に示すように在庫引当タスクと配送手配タスクをそれぞれ1つのサービスで実現することにします。

表D‒2 サービスの粒度の検討

項番

タスク

サービス(実装時のサービス名)

1

在庫引当

在庫引当サービス(InventoryManager)

2

配送手配

配送手配サービス(Delivery)