10.5.1　ステップ実行および再開

(1)　プロセスインスタンスの処理を中断できるアクティビティ

プロセスインスタンスの処理を中断できるアクティビティの種類を次の表に示します。

表10‒1　プロセスインスタンスの処理を中断できるアクティビティの種類

アクティビティの分類	アクティビティ	中断の可否
基本アクティビティ	開始アクティビティ	×
	受付アクティビティ	○
	応答アクティビティ	○
	サービス呼出アクティビティ	○
	Java呼出アクティビティ	○
	データ変換アクティビティ	○
	代入アクティビティ	○
	無操作アクティビティ	○
	フォルト送出アクティビティ	○
	補償アクティビティ	○
	待機アクティビティ	○
	検証アクティビティ	○
	終了アクティビティ	×
構造アクティビティ	スコープアクティビティ	○
	繰り返しアクティビティ	○
	分岐開始アクティビティ	○
	分岐終了アクティビティ	×
	並列処理開始アクティビティ	○
	並列処理終了アクティビティ	×

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(2)　ステップ実行および再開の操作

プロセスインスタンスをステップ実行，または再開するには，デバッグビューで中断しているアクティビティを選択し，実行したい操作のアイコンをクリックします。

ステップ実行および再開の操作と，デバッグの動作を次の表に示します。

表10‒2　ステップ実行および再開の操作と，デバッグの動作

ステップ実行の操作	アイコン	デバッグの動作
ステップイン		ステップインが実行されます。アクティビティごとにステップインを実行したときに中断するアクティビティについては，「(3)　ステップインを実行したときに中断するアクティビティ」を参照してください。
ステップオーバー		ステップオーバーが実行されます。アクティビティごとにステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティについては，「(4)　ステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ」を参照してください。
ステップリターン		ステップリターンが実行されます。アクティビティごとにステップリターンを実行したときに中断するアクティビティについては，「(5)　ステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ」を参照してください。
再開		次にブレークポイントを設定しているアクティビティまで，プロセスインスタンスの処理が再開されます。

なお，サービス呼出アクティビティからフォルト処理に移る場合，フォルト処理でプロセスインスタンスの処理を中断させるには，フォルト処理を行うアクティビティにブレークポイントを設定するか，ステップインを実行する必要があります。

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(3)　ステップインを実行したときに中断するアクティビティ

アクティビティごとにステップインを実行したときに中断するアクティビティを次の表および図に示します。

表10‒3　アクティビティごとにステップインを実行したときに中断するアクティビティ

アクティビティの分類	アクティビティ	説明
基本アクティビティ（補償アクティビティ以外）		次のアクティビティに進みます。
基本アクティビティ（補償アクティビティ）		補償アクティビティが実行する補償処理の最初のアクティビティに進みます。補償処理を行うアクティビティが存在しない場合は，補償アクティビティの次のアクティビティに進みます。
構造アクティビティ	スコープアクティビティ	スコープアクティビティ内で最初に処理されるアクティビティに進みます。
	繰り返しアクティビティ	繰り返しアクティビティ内で最初に処理されるアクティビティに進みます。
	分岐開始アクティビティ	分岐開始アクティビティから分岐終了アクティビティまでの間で，最初に処理されるアクティビティに進みます。
	並列処理開始アクティビティ	並列処理開始アクティビティから並列処理終了アクティビティまでの間で，最初に処理されるアクティビティに進みます。

図10‒2　基本アクティビティ（補償アクティビティ以外）でステップインを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒3　基本アクティビティ（補償アクティビティ）でステップインを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒4　構造アクティビティ（スコープ，繰り返し）でステップインを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒5　構造アクティビティ（分岐，並列）でステップインを実行したときに中断するアクティビティ

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(4)　ステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

アクティビティごとにステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティを次の表および図に示します。

表10‒4　アクティビティごとにステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

アクティビティの分類	アクティビティ	説明
基本アクティビティ（補償アクティビティ以外）		次のアクティビティに進みます。
基本アクティビティ（補償アクティビティ）		補償処理として定義したアクティビティを処理して次のアクティビティに進みます。補償アクティビティが実行する補償処理内にブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。
構造アクティビティ	スコープアクティビティ	スコープアクティビティの内部のアクティビティを処理して次のアクティビティに進みます。途中でブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。
	繰り返しアクティビティ	繰り返しアクティビティの内部のアクティビティを処理して次のアクティビティに進みます。途中でブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。
	分岐開始アクティビティ	分岐終了アクティビティの次のアクティビティまで処理します。途中でブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。
	並列処理開始アクティビティ	並列処理終了アクティビティの次のアクティビティまで処理します。途中でブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。

図10‒6　基本アクティビティ（補償アクティビティ以外）でステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒7　基本アクティビティ（補償アクティビティ）でステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒8　構造アクティビティ（スコープ，繰り返し）でステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒9　構造アクティビティ（分岐，並列）でステップオーバーを実行したときに中断するアクティビティ

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(5)　ステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

アクティビティごとにステップリターンを実行したときに中断するアクティビティについて説明します。

• 構造アクティビティ内の基本アクティビティで実行した場合は，所属する構造アクティビティの次のアクティビティまで処理します。

• 所属する構造アクティビティが，スコープアクティビティまたは繰り返しアクティビティの場合は，内部のアクティビティをすべて処理して，次のアクティビティに進みます。

• 所属する構造アクティビティが分岐開始アクティビティまたは並列処理開始アクティビティの場合は，対となる分岐終了アクティビティ，または並列処理終了アクティビティの次の位置まで処理します。

• フォルト処理内のアクティビティで実行した場合は，フォルトコネクションの接続元アクティビティの次のアクティビティまで処理します。

• 補償処理内のアクティビティで実行した場合は，補償処理を実行している補償アクティビティの次のアクティビティまで処理します。

• 中断しているアクティビティが次の条件にすべて当てはまる場合は，再開と同じ動作をします。

  • 構造アクティビティ内にない

  • フォルト処理内にない

  • 補償処理内にない

• 途中でブレークポイントが設定されている場合は，そこで中断します。

構造アクティビティ内の各アクティビティでステップリターンを実行したときに中断するアクティビティを次の図に示します。

図10‒10　構造アクティビティ内の基本アクティビティでステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒11　構造アクティビティ内の構造アクティビティ（スコープ，繰り返し）でステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒12　構造アクティビティ内の構造アクティビティ（分岐，並列）でステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒13　フォルト処理内のアクティビティでステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

図10‒14　補償処理内のアクティビティでステップリターンを実行したときに中断するアクティビティ

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