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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


10.2.2 作業フォルダとリクエストIDの生成

作業フォルダを使用する受付が,クライアントからリクエストを受け付けると,リクエストごとにリクエストIDと作業フォルダが生成されます。

〈この項の構成〉

(1) リクエストIDの生成

リクエストごとに一意となるリクエストIDが生成されます。リクエストIDの形式は次のとおりです。

リクエストIDの生成規則
リクエストID=<受付ID><クライアントのIPアドレス><日付><時刻><追番><分割キー><HCSCサーバ名>
表10‒3 リクエストIDの形式

項番

項目

桁数

内容

備考

1

<受付ID>

8桁

受付IDです。

受付IDが8桁に満たない場合は,受付IDの右側に足りない分の"-"が付加されます。

2

<クライアントのIPアドレス>

12桁(IPv4の場合),または32桁(IPv6の場合)

要求元のクライアントのIPアドレスです。

  • IPv4の場合

    IPアドレスの各バイトを10進数3桁で表し,結合した文字列になります。

    IPアドレスのそれぞれのバイトが3桁に満たない場合は,各バイトの左側に足りない分の「0」が設定されます。

  • IPv6の場合

    IPアドレスの各バイトを16進数4桁で表し,結合した文字列になります。

    IPアドレスの各バイトが4桁に満たない場合は,各バイトの左側に足りない分の「0」が設定されます。

    英字は小文字で表記されます。

3

<日付>

8桁

受付がリクエストを受け付けた日付を表す文字列。"yyyyMMdd"形式の文字列となります。

4

<時刻>

9桁

受付がリクエストを受け付けた時刻を表す文字列。ミリ秒単位までを示す"HHmmssSSS"形式の文字列となります。

5

<追番>

3桁

ほかのリクエストの処理のために,項番3,項番4の部分が全く同じリクエストIDが現在使用されていない場合は,"000"となります。

ほかのリクエストの処理のために項番3,項番4の部分が全く同じリクエストIDが現在使用されている場合は,この追番を1ずつインクリメントして重複しないリクエストIDとなる3桁の数値が使用されます。

もし"999"まで試行しても重複しない追番が設定できなかった場合は,項番3,項番4を変えて"000"で採番し直します。

6

<分割キー>

1桁

HCSCサーバ名が付加されていることを示す分割キーワード。"/"を使用します。

7

<HCSCサーバ名>

8桁

受付がデプロイされているHCSCサーバの名称。

HCSCサーバ名が8桁に満たない場合でも,"-"による文字埋めはしません。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

リクエストIDの例を次に示します。

  1. IPv4アドレスの場合

    受付ID:RCP01

    クライアントのIPアドレス:10.200.30.4

    実行日時:2011/1/2 14:03:05.012

    HCSCサーバ名:HCSC

    図10‒1 IPv4アドレスの場合のリクエストID

    [図データ]

  2. IPv6アドレスの場合

    受付の受付ID:RCP01

    クライアントのIPアドレス:40AB:0:0:0:AE:800:201:17

    実行日時:2011/1/2 14:03:05.012

    HCSCサーバ名:HCSC

    図10‒2 IPv6アドレスの場合のリクエストID

    [図データ]

(2) 作業フォルダの生成

次の規則に従って作業フォルダルート以下にフォルダが生成されます。

  1. 作業フォルダルート以下に,HCSCサーバ名をフォルダ名とするフォルダが生成されます。このフォルダをHCSCサーバフォルダと呼びます。

  2. HCSCサーバフォルダ以下に,受付IDをフォルダ名とするフォルダが生成されます。このフォルダを受付IDフォルダと呼びます。

  3. 受付IDフォルダ以下に,フォルダが生成されます。このフォルダを作業フォルダと呼びます。作業フォルダ名は,リクエストIDの<クライアントのIPアドレス>から<追番>までの値が使用されます。

ただし,HTTP受付では,例外として32桁すべて「0」で命名された特殊な作業フォルダも別途起動時に生成されます。これは,受信したデータをすべてメモリ上に展開することによるメモリ圧迫を避けるため,HTTP受付処理前に一時的に受信データをすべてファイルに出力する際に使用するフォルダです。通常の作業フォルダとは用途が異なります。