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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.3.2 FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送

この転送パターンでは,FTPクライアントから転送コマンドのRETRコマンドを使用して,FTPサーバからFTPクライアントにファイルを送信します。

この転送パターンでは中間ファイルの格納先に作業フォルダと共通フォルダが利用できます。

それぞれのファイル転送の流れを次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 作業フォルダを利用したファイル転送の流れ

ファイル転送の流れを次の図に示します。

図8‒6 FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送の流れ(作業フォルダを利用する場合)

[図データ]

図中の制御,転送データ,およびビジネスプロセスの流れについて説明します。次の番号は,図中の番号と対応しています。

  1. FTPクライアントが転送コマンド(RETRコマンド)を実行します。

  2. 転送コマンドを受け取ったFTPインバウンドアダプタがFTP受付を呼び出します。

  3. FTP受付が作業フォルダを作成します。

  4. FTP受付がビジネスプロセスを呼び出します。このとき,FTPクライアントから受け取った情報(転送コマンドなど)は,要求電文に格納されてビジネスプロセスに渡されます。

  5. ビジネスプロセスからFTPアダプタが呼び出されたあと,FTPアダプタはFTPサーバからファイルを取得し,作業フォルダ内に中間ファイルとして出力します。

  6. ビジネスプロセスからファイル操作アダプタが呼び出されたあと,ファイル操作アダプタは作業フォルダ内の中間ファイルを読み込んで,レイアウト変換やコード変換などの処理をします。

  7. ビジネスプロセスで応答アクティビティが実行されたあと,FTP受付に中間ファイルの情報を含んだ応答電文が渡されます。

  8. 応答電文で示された中間ファイルのデータが,作業フォルダからFTPクライアントに転送されます。

  9. FTP受付が作業フォルダおよび作業フォルダ中の中間ファイルを削除します。

  10. FTP受付からFTPインバウンドアダプタに応答を返します。

  11. 応答を受け取ったFTPインバウンドアダプタは,FTPクライアントに転送コマンドの実行結果を返します。

(2) 共通フォルダを利用したファイル転送の流れ

ファイル転送の流れを次の図に示します。

図8‒7 FTPサーバからFTPクライアントへのファイル転送の流れ(共通フォルダを利用する場合)

[図データ]

図中の制御,転送データ,およびビジネスプロセスの流れについて説明します。次の番号は,図中の番号と対応しています。

  1. FTPクライアントが転送コマンド(RETRコマンド)を実行します。

  2. 転送コマンドを受け取ったFTPインバウンドアダプタがFTP受付を呼び出します。

  3. FTP受付がビジネスプロセスを呼び出します。このとき,FTPクライアントから受け取った情報(転送コマンドなど)は,要求電文に格納されてビジネスプロセスに渡されます。

  4. ビジネスプロセスからFTPアダプタが呼び出されたあと,FTPアダプタはFTPサーバからファイルを取得し,共通フォルダ内に中間ファイルとして出力します。

  5. ビジネスプロセスからファイル操作アダプタが呼び出されたあと,ファイル操作アダプタは共通フォルダ内の中間ファイルを読み込んで,変換処理(レイアウト変換やコード変換など)をします。

  6. ビジネスプロセスで応答アクティビティが実行されたあと,FTP受付に中間ファイルの情報を含んだ応答電文が渡されます。

  7. 応答電文で示された中間ファイルのデータが,共通フォルダからFTPクライアントに転送されます。

  8. FTP受付からFTPインバウンドアダプタに応答を返します。

  9. 応答を受け取ったFTPインバウンドアダプタは,FTPクライアントに転送コマンドの実行結果を返します。