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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ Webサービスセキュリティ構築ガイド


3.3 暗号化/復号化機能を設定する

暗号化/復号化機能は,送受信するメッセージを,暗号化/復号化する機能です。暗号化機能はメッセージの送信時に,復号化機能はメッセージ受信時に使用します。

暗号化/復号化機能を使用する場合のプログラムの構成を次の図に示します。矢印およびその番号は,送受信するデータの処理の流れを示しています。

図3‒2 Webサービスセキュリティ機能使用時のプログラム構成(暗号化/復号化)

[図データ]

暗号化/復号化機能を使用する際の,Webサービスセキュリティ機能定義ファイルの設定項目を次に示します。

<送信側>
SecurityConfig
├─ BindingConfig
└┬ RequestSenderConfig/ResponseSenderConfig
 └┬ SenderPortConfig
  └┬ RoleConfig
   └─ EncryptionConfig
<受信側>
SecurityConfig
├─ BindingConfig
└┬ RequestReceiverConfig/ResponseReceiverConfig
 └┬ ReceiverPortConfig
  └─ DecryptionConfig

暗号化/復号化機能を使用する際の,Webサービスセキュリティ方針定義ファイルの設定項目を次に示します。

PolicyConfig
└┬ RequestReceiverConfig/ResponseReceiverConfig
 └┬ ReceiverPortConfig
  └─ DecryptionPolicyConfig

設定する要素の詳細については,「付録B 定義ファイルの項目の詳細」を参照してください。

Windowsの場合,定義ファイルのサンプルは,次のディレクトリに格納されていますので,これらを参考に定義ファイルを作成してください。なお,作成した定義ファイルの格納場所については,「3.9 Webサービスセキュリティ機能の実装手順(SOAPアプリケーション開発支援機能を使用する場合)」を参照してください。

<Application Serverのインストールディレクトリ>/wss/samples/c4web/ の下
encryption/message/client/WEB-INF/classes
encryption/message/service/WEB-INF/classes
encryption/rpc/client/WEB-INF/classes
encryption/rpc/service/WEB-INF/classes

また,Windowsの場合,コーディングのサンプルは,次のディレクトリに格納されていますので,参考にしてください。

<Application Serverのインストールディレクトリ>/wss/samples/c4web/ の下
encryption/SecretKey
encryption/message/client/WEB-INF/classes/messagesampleclient
encryption/message/service/WEB-INF/classes/messagesampleservice
encryption/rpc/client/WEB-INF/classes/localhost
encryption/rpc/service/WEB-INF/classes/localhost
暗号化の設定情報について
  • 暗号化に必要な情報は,Webサービスセキュリティ機能定義ファイルに指定された設定情報から取得します。

  • 暗号化に関する仕様のサポート範囲については,「付録A.3 XML暗号標準仕様のサポート範囲」を参照してください。

復号化の設定情報について

復号化に必要な情報は,Webサービスセキュリティ機能定義ファイル,およびWebサービスセキュリティ方針定義ファイル指定された設定情報から取得します。

暗号化/復号化に用いる共通鍵は,環境設定ファイルで指定した共通鍵ファイルを使用します。環境設定ファイルの詳細については,「3.8.2 環境設定ファイルの設定項目」を参照してください。

注意事項

暗号化/復号化で使用する鍵ファイルは,読み取り権限を限定するなど,第三者に読み取られないようにご注意ください。

〈この節の構成〉