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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド


8.4.1 Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発

Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発の流れ

Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発の流れを,次の図に示します。

図8‒3 Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発の流れ

[図データ]

それぞれの作業の概要を次に示します。

  1. Javaプロジェクトの作成

    Webサービスクライアントの開発に使用するJavaプロジェクトを作成します。詳細は,「8.4.1(2) Javaプロジェクトの作成」を参照してください。

  2. WSDLファイルの取得

    WSDLファイルを取得します。または,公開されているWSDLファイルのURLを取得します。詳細は,「8.4.1(3) WSDLファイルの取得」を参照してください。

  3. Javaソースの生成

    Webサービスクライアントを実装するためのJavaソースを生成します。詳細は,「8.4.1(4) Javaソースの生成」を参照してください。

  4. Webサービスクライアントの実装

    生成されたJavaソースを利用して,Webサービスクライアントを実装します。詳細は,「8.4.1(5) Webサービスクライアントの実装」を参照してください。

  5. Javaアプリケーションのデバッグ

    Javaアプリケーションをデバッグします。詳細は,「8.4.1(6) Javaアプリケーションのデバッグ」を参照してください。

以降,この流れに沿ってJavaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発の手順を説明します。

(2) Javaプロジェクトの作成

Javaアプリケーションを使用したWebサービスクライアントの開発に使用するJavaプロジェクトを作成します。Javaプロジェクトを作成する手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから[ファイル]−[新規]−[プロジェクト]を選択します。

    [新規プロジェクト]ダイアログが表示されます。

  2. [Java プロジェクト]を選択して,[次へ]ボタンをクリックします。

    [Java プロジェクトの作成]ページが表示されます。

  3. 必要な項目を指定して,[終了]ボタンをクリックします。

    Javaプロジェクトが作成されます。

なお,JAX-WSエンジンを使用し,JavaアプリケーションでWebサービスを実行するためには,プロジェクトのビルドパスに外部Jarを設定したり,Javaアプリケーションの実行構成,またはデバッグ構成にVM引数を設定したりする必要があります。それぞれの設定手順を次に示します。

(3) WSDLファイルの取得

呼び出そうとしているWebサービスのメタ情報が記述されたWSDLファイルを取得します。またはWSDLファイルのURLが公開されている場合はそのURLを取得します。

(4) Javaソースの生成

取得したWSDLファイルを基に,Webサービスクライアントの開発や実行に必要なJavaソース(サービスクラス,SEI,およびJava Bean(スタブ))を生成します。Javaソースは,Eclipseを使って生成できます。Javaソースを生成する手順を次に示します。

  1. [プロジェクト・エクスプローラー]ビューで,Webサービスクライアントの開発に使用するプロジェクトを選択します。

  2. Eclipseのメニューから[ファイル]−[新規]−[その他]を選択します。

    [新規]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  3. [Cosminexus Web サービス]−[Web サービス・クライアント]を選択して,[次へ]ボタンをクリックします。

    [Web サービス・クライアント]ダイアログの[Web サービス・クライアント]ページが表示されます。

    [図データ]

  4. 次の項目を指定します。

    項目名

    指定値

    プロジェクト

    ワークスペースのJavaプロジェクト名を選択します。

    WSDL ファイル

    WSDLファイル,またはWSDLファイルのURLを指定します。

    Java ソース・フォルダー

    Javaソースを生成するフォルダを指定します。

    次に示す操作や設定をした場合,[Web サービス・クライアント]ダイアログを表示すると,[Java ソース・フォルダー]が空欄となり,以降の操作ができなくなります。そのため,[Java ソース・フォルダー]には,プロジェクトルート以外を設定してください。

    • Webサービスクライアント開発にJavaプロジェクトを使用する際,Javaプロジェクト作成時に[新規 Java プロジェクト]ダイアログの[プロジェクト・レイアウト]に[プロジェクト・フォルダをソースおよびクラス・ファイルのルートとして使用]を選択した場合

    • Webサービスクライアントの開発に使用するプロジェクトの[プロパティ]ダイアログの[Java のビルド・パス]ページで,[ソース]タブの[ビルド・パス上のソース・フォルダ]にプロジェクトルートを設定した場合

    また,[プロジェクト]および[Java ソース・フォルダー]に入力した値を変更すると,次に示す項目の値が初期状態に戻ります。

    • [プロジェクト]の値を変更した場合

      [WSDL ファイル],[Java ソース・フォルダー],[Java パッケージ],[バインディング・ファイル],および[WSDL ロケーション]の値が初期状態に戻ります。

    • [Java ソース・フォルダー]の値を変更した場合

      [WSDL ファイル],[Java パッケージ],[バインディング・ファイル],および[WSDL ロケーション]の値が初期状態に戻ります。

    なお,必要に応じて,次の項目を指定してください。

    項目名

    指定値

    Java パッケージ

    生成するJavaソースのパッケージ名を指定します。

    バインディング・ファイル

    バインディングファイルを指定します。

    WSDL ロケーション

    javax.xml.ws.WebServiceClientアノテーションの,wsdlLocation要素に設定する値を指定します。

    各項目の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「14.1.1 cjwsimportコマンド」も合わせて参照してください。

  5. [終了]ボタンをクリックします。

    処理が実行されたことを示すメッセージが表示され,Javaソースが生成されます。

    注意事項

    Webサービスのバージョンアップなどの理由で,呼び出されるWebサービスのWSDLファイルやバインディングファイルが修正され,[Web サービス・クライアント]ダイアログでJavaソースを再生成する場合,必ず[Java ソース・フォルダー]に指定するフォルダに出力ファイルと同名のファイルがないか確認してください。

    出力ファイルと同名のサービスクラス,SEIまたはJava Bean(スタブ)がある場合,上書きされます。

(5) Webサービスクライアントの実装

生成されたJavaソースを利用して,Webサービスクライアントを実装します。Webサービスクライアントの実装例については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「3.6 Webサービスクライアントの実装」を参照してください。

(6) Javaアプリケーションのデバッグ

作成したJavaアプリケーションをデバッグします。Javaアプリケーションのデバッグ構成にVM引数を設定し,[デバッグ]ボタンをクリックします。Javaアプリケーションのデバッグ構成のVM引数の設定については,「8.4.1(2) Javaプロジェクトの作成」を参照してください。