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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)


12.2.1 usrconf.cfg(Javaアプリケーション用オプション定義ファイル)

〈この項の構成〉

(1) 形式

次のようにキーを指定します。

<キー名称> = <値>
指定方法
  • 改行までが値になります。

  • #で始まる行はコメントとみなされます。

  • 値が存在しない行を定義した場合,その行は無視されます。

  • 値の後ろには,空白やコメントなどの文字列は追加できません。追加した場合,不正な値と解釈されます。

(例) <キー名称> = <値> #<コメント>

  • 値にスペースを含むパスを指定する場合,パスをダブルクォーテーション(”)で囲む必要はありません。

  • 実行時の文字エンコーディングと異なる文字エンコーディングでは記述できません。

(2) ファイルの格納先

注※

ユーザ定義ファイル格納先環境変数(CJCLUSRCONFDIR)で指定したディレクトリです。ユーザ定義ファイル格納先環境変数が設定されていない場合,カレントディレクトリが参照されます。EJBクライアントアプリケーションの実行に必要な環境変数の設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「3.3.4 EJBクライアントアプリケーションの実行に必要な環境変数の設定」を参照してください。

(3) 機能

cjclstartapコマンドを使用する場合に,Javaアプリケーションを実行するJavaVMの起動オプションを指定します。

Javaアプリケーションを実行中に,このファイルの内容を変更した場合,変更した内容は,次回Javaアプリケーションを起動したときに反映されます。

(4) 指定できるキー

指定できるキーとデフォルト値を次に示します。このキーに不正な値を指定した場合は,動作は保証されません。

ポイント

ここでは,次の内容について説明します。

  • Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルで指定できるキーの概要

    指定できるキーのうち,J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルと共通のキーについては,ここでは詳細を説明しません。

    共通のキーの詳細については,「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。参照する場合には,「J2EEサーバ」を「Javaアプリケーション」と読み替えてください。

    なお,J2EEサーバ用のキーと指定内容が異なる場合には,ここでキーの詳細について説明します。

  • J2EEサーバ用のキーとの差異(J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルのキーと指定内容が異なる場合)

    Javaアプリケーション用のキーとJ2EEサーバ用のキーの指定内容が異なる場合には,キーの詳細について説明します。差異の有無は「差異」列に表記します。

表12‒2 usrconf.cfgに指定できるキーとデフォルト値(Javaアプリケーション)

キー名称

差異

内容

デフォルト値

add.jvm.arg

なし

指定されたオプションを使ってJavaVMを起動します。

add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプションについては,「14.1 JavaVM拡張オプションの一覧」および「14.5 Application Serverで指定できるJava HotSpot VMのオプション」を参照してください。

デフォルト値については「12.2.1(6) Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するJavaVMオプションのデフォルト値」を参照してください。

add.class.path

あり

Javaアプリケーションの実行に必要なクラスパスを指定します。

EJBアプリケーションごとの実行に必要なクラスパス(stubs.jar,<数字>.jar,<ユーザクラス>.jar)を指定します。

なお,スペースを含むパスを指定する場合,パスをダブルクォーテーション(")で囲む必要はありません。また,ダブルクォーテーションでの指定は有効となりません。

add.library.path

なし

JNI用の共有ライブラリを指定します。

cpp.library.version

なし

プロセス内で使用するlibstdc++ライブラリのバージョンを指定します。なお,このキーは,Linux用です。

指定できる文字列を次に示します。

6:

libstdc++.so.6ライブラリを使用します。Red Hat Enterprise Linux以外のプラットフォームで設定しても無効です。

09-00以降では,設定できるのは「6」だけです。

6

ejb.client.directory.shareable

独自

同じカレントディレクトリまたは,同じログ出力先ディレクトリを使用する複数のcjclstartapコマンドを同時に起動するかどうかを指定します。

trueを指定した場合:

同時に起動します。

falseを指定した場合:

同時に起動しません。

true

ejb.client.ejb.log

独自

ejb.client.log.directoryキーに指定したディレクトリの下の,Javaアプリケーションが出力するメッセージのログ出力先のディレクトリ名を,1〜16バイトで指定します。

指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),およびハイフン(-)です。

16バイトを超える文字列を指定した場合,KDJE40051-Wのメッセージが出力されます。

ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。

ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.ejb.logを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。

  • 稼働ログ

  • 障害発生時の例外情報

  • 保守情報

system

ejb.client.log.appid

独自

Javaアプリケーションが出力するメッセージのログ出力先のサブディレクトリ名を1〜16バイトで指定します。

指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),およびハイフン(-)です。

16バイトを超える文字列を指定した場合,KDJE40051-Wのメッセージが出力されます。

ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。

ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.log.appidを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。

  • 稼働ログ

  • 障害発生時の例外情報

  • 保守情報

ejbcl

ejb.client.log.directory

独自

Javaアプリケーションのログ出力先のパスを1〜180バイトの範囲で指定します。

パスは絶対パスまたはカレントディレクトリからの相対パスで指定します。

指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア(_),ハイフン(-)およびパス区切り文字です。

180バイトを超えるパス(相対パスを指定したときは,カレントディレクトリまでの絶対パスと相対パスの合計)を指定した場合,KDJE40059-Wのメッセージが出力され,デフォルト値が使用されます。デフォルト値が180バイトを超える場合は,ログの初期化に失敗し,異常終了します。

Windowsの場合,UNC名を含むパスは指定できません。UNIXの場合,nfsマウントされたディスク上へのパスは指定できません。

ディレクトリにアクセス権がない場合や,ファイル名を指定した場合は,KDJE40052-Eのメッセージが出力され,Javaアプリケーションが終了します。

ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)にejbserver.client.log.directoryを指定した場合,次のログファイルの出力先はユーザプロパティファイルの指定が優先されます。

  • 稼働ログ

  • ログ稼働ログ

  • 障害発生時の例外情報

  • 保守情報

カレントディレクトリ/logs

ejb.client.log.lockInterval

独自

次に示す対象ログファイルの排他処理のパラメタを指定します。

  • cjclstartapコマンドの稼働ログ

  • 起動プロセス標準出力情報

  • 起動プロセス標準エラー情報

排他処理には,UNIXとWindowsで違いがあります。

UNIXの場合

ログファイルの排他取得に失敗したときのリトライ間隔(単位:ミリ秒)を1〜2147483647の整数値で指定します。

Windowsの場合

1〜2147483647の整数値を指定します。指定したejb.client.log.lockRetryCountの値とejb.client.log.lockIntervalの値を掛けた値が排他取得のタイムアウト時間(単位:ミリ秒)になります。掛けた値が2147483647を超えた場合,ejb.client.log.lockRetryCountとejb.client.log.lockIntervalのデフォルト値を掛けた値が排他取得のタイムアウト時間になります。

UNIX/Windows共通

範囲外の値や整数値以外(整数値に変換不能な値)を指定した場合は,デフォルト値を使用します。

また,複数のcjclstartapコマンドをサブディレクトリ共有モードで同時に起動した際,cjclstartapコマンドが,KDJE40016-E(errnoが22),KDJE30043-E,KDJE40052-Eメッセージを標準エラー出力に出力した場合(ログファイルの排他処理に失敗した場合)などに使用します。

30

ejb.client.log.lockRetryCount

独自

次に示す対象ログファイルの排他処理のパラメタを指定します。

  • cjclstartapコマンドの稼働ログ

  • 起動プロセス標準出力情報

  • 起動プロセス標準エラー情報

排他処理には,UNIXとWindowsで違いがあります。

UNIXの場合

ログファイルの排他取得の総試行数(単位:回)を1〜2147483647の整数値で指定します。

Windowsの場合

1〜2147483647の整数値を指定します。指定したejb.client.log.lockRetryCountの値とejb.client.log.lockIntervalの値を掛けた値が排他取得のタイムアウト時間(単位:ミリ秒)になります。掛けた値が2147483647を超えた場合,ejb.client.log.lockRetryCountとejb.client.log.lockIntervalのデフォルト値を掛けた値が排他取得のタイムアウト時間になります。

UNIX/Windows共通

範囲外の値や整数値以外(整数値に変換不能な値)を指定した場合は,デフォルト値を使用します。

また,複数のcjclstartapコマンドをサブディレクトリ共有モードで同時に起動した際,cjclstartapコマンドが,KDJE40016-E(errnoが22),KDJE30043-E,KDJE40052-Eメッセージを標準エラー出力に出力した場合(ログファイルの排他処理に失敗した場合)などに使用します。

100

ejb.client.log.stdout.enabled

独自

標準出力へメッセージを出力するかどうかを指定します。

true:

標準出力へ出力します。

false:

標準出力へ出力しません。

標準出力へのメッセージ出力を制御できるログは次のとおりです。

  • 稼働ログ

  • cjclstartapコマンドログ

  • 起動プロセス標準出力情報

true

jvm.type

独自

使用するJavaVMのタイプを設定します。指定できる値は次のどちらかです。

  • client

    Java HotSpot Client VMが使用されます。

  • server

    Java HotSpot Server VMが使用されます。

指定値に誤りがあった場合は,”client”,”server”の順でJavaVMを検索します。なお,このときKDJE40020-Wメッセージが出力されます。

client

(凡例)

あり:

Javaアプリケーション用usrconf.propertiesファイルのキーとJ2EEサーバ用usrconf.propertiesファイルのキーに差異があります。詳細については,「内容」の列を参照してください。

なし:

Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のキー,またはデフォルト値です。キーの詳細については,「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

独自:

Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイル固有のキーです。キーの詳細については,「内容」の列を参照してください。

−:

Javaアプリケーション用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のデフォルト値です。デフォルト値の詳細については,「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

注※

cjclstartapコマンドの実行時にadd.library.pathとOSの環境変数(LIBPATHなど)が両方設定されていた場合,add.library.pathの設定が優先されます。

(5) 記述例

# EJB client application classpath
# RMI-IIOP Stubs jar file
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\stubs.jar
 
# RMI-IIOP interface jar file
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\1.jar
 
# User class
add.class.path=<Javaアプリケーション格納パス>\<Javaアプリケーションjar>
#add.class.path=<User classpath>
 
# java vm options
add.jvm.arg=-Xms256m
add.jvm.arg=-Xmx512m

(6) Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するJavaVMオプションのデフォルト値

Javaアプリケーション用オプション定義ファイルに指定するJavaVMオプションのデフォルト値を示します。

(7) 注意事項