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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド


10.8.25 JP1連携の設定(J2EEサーバ)

[JP1連携の設定]画面を次の図に示します。

図10‒40 [JP1連携の設定]画面(J2EEサーバ)

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 機能概要

JP1との連携では,次に示すApplication Serverの障害情報をJP1イベントとして発行できます。

この画面では,J2EEサーバの障害情報やJ2EEアプリケーション中からJavaロギングAPIを使って出力したログ情報をJP1イベントとして発行するかどうかについて設定します。この設定は,J2EEアプリケーション単位ではなく,J2EEサーバ単位となります。

また,この画面での設定は,設定情報が配布されたあと,J2EEサーバが再起動されてから有効となります。

(2) 表示手順

  1. 運用管理ポータルで[論理サーバの環境設定]アンカーをクリックします。

  2. 次のどちらか一方の操作をします。

    J2EEサーバの場合

    [サーバビュー]タブ−[論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバ]−[<J2EEサーバ名>]をクリックします。

    J2EEサーバクラスタの場合

    [サーバビュー]タブ−[論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバクラスタ]−[<J2EEサーバクラスタ名>]−[<J2EEサーバ名>]をクリックします。

  3. [JP1連携]タブをクリックします。

(3) 操作手順

画面での操作手順を次に示します。

  1. JP1イベント発行機能を有効にするかどうかや,JP1イベントのフィルタリングなどを指定します。

  2. [適用]ボタンをクリックします。

    指定した情報が反映されます。

    エラーが表示された場合は,エラーの内容を確認して[戻る]アンカーをクリックします。指定した内容を見直し,再度[適用]ボタンをクリックします。

ここでの設定は,設定情報が配布されたあと,J2EEサーバが再起動されてから有効となります。

(4) 画面詳細

画面に表示される項目およびボタンについて説明します。

JP1イベント発行機能を有効にする

J2EEサーバの障害情報やJ2EEアプリケーション中からJavaロギングAPIを使って出力したログ情報をJP1イベントとして発行するかどうか(usrconf.propertiesファイルのejbserver.manager.agent.JP1EventAgent.enabledキー)を選択します。デフォルトは,「しない」です。

システムJP1イベントのフィルタリングの設定

J2EEサーバの障害情報をシステムJP1イベントとして発行するかどうかを,JP1イベントの重大度ごとに指定します。

重大度には次のものがあります。番号が小さいほど重大になります。

  1. Emergency(緊急)

  2. Alert(警戒)

  3. Critical(致命的)

  4. Error(エラー)

  5. Warning(警告)

  6. Notice(通知)

  7. Information(情報)

デフォルトは,すべて「しない」です。

ユーザJP1イベントのマッピングの設定

ユーザがJ2EEアプリケーション中からJavaロギングAPIを使って出力したログメッセージのログレベルが,JP1のどの重大度に対応するのかを設定します。ログレベルSEVERE,WARNING,INFO,CONFIG,FINE,FINER,FINESTに対して,それぞれJP1イベントの重大度を選択します。JP1イベントの重大度は,「システムJP1イベントのフィルタリングの設定」と同じです。

デフォルトは,すべてのレベルで「なし」です。

「なし」を選択した場合は,そのログレベルのログメッセージは,ユーザJP1イベントに変換されません。

ユーザJP1イベントのフィルタリングの設定
フィルタの適用

ユーザJP1イベントとして発行させたい条件を定義して,フィルタリングするかどうかを選択します。デフォルトは,「しない」です。

フィルタ

ユーザJP1イベントとして発行させたい条件を指定します。指定内容は,「10.8.25(4)(a) フィルタ定義」に従ってください。

[適用]ボタン

指定した情報を反映します。

[リセット]ボタン

指定した情報をリセットします。

(a) フィルタ定義

フィルタ定義は,コメント行,条件文群(続けて記述された複数の条件文)で構成されます。フィルタ定義の形式,条件文の書式および指定例を次に示します。

  • 形式

    フィルタ定義の形式を次に示します。

    # 〜   :コメント行
    条件文1   :条件文群1
    条件文2   :条件文群1
    条件文3   :条件文群1
    OR
    条件文4   :条件文群2
    条件文5   :条件文群2
      :
    • コメント行

      「#」で始まる,改行までの文字はコメントになります。空白,タブと改行だけ,または改行だけの行は無視されます。

    • 条件文群

      一つ以上の条件文で構成されます。条件文は,1行に一つずつ記述し,これらの条件文はANDの関係になります。「OR」だけの行まで,またはEOFまでの条件文までを1条件文群とします。

      複数の条件文群がある場合,それらはORの関係になります。条件文群と条件文群の間には「OR」だけの行を挿入します。

  • 条件文の書式

    条件文は,1行に属性名,比較キーワード,オペランドを一つ以上の連続した空白,またはタブで区切って記述します。条件文の形式を次に示します。

    属性名 比較キーワード オペランド1 オペランド2 …<改行>
    • 属性名

      フィルタリングする項目を指定します。条件文で使用する属性名の内容と指定できるオペランドを,次の表に示します。

      表10‒9 条件文で使用する属性名の内容と指定できるオペランド

      属性名

      内容

      オペランドの値

      MESSAGE

      JavaロギングAPIで渡したメッセージテキスト

      文字列

      任意の文字列

      SEVERITY

      ユーザJP1イベントのマッピングの設定で設定したJP1イベントの重大度

      文字列

      次の文字列のどれかを指定してください。

      • Emergency

      • Alert

      • Critical

      • Error

      • Warning

      • Notice

      • Information

      APPLICATION

      JavaロギングAPIで渡した業務のアプリケーション名称

      文字列

      任意の文字列

      MESSAGE_ID

      JavaロギングAPIで渡したメッセージID

      文字列

      任意の文字列

    • 比較キーワード

      条件文で使用する比較キーワードと指定できるオペランド数,属性名を次の表に示します。

      表10‒10 条件文で使用する比較キーワードと指定できるオペランド数,属性名

      比較キーワード

      オペランド数

      条件

      指定できる属性名

      EQU

      1以上

      属性値がオペランドのどれかと一致する場合に一致

      すべて

      NEQ

      1以上

      属性値がオペランドのどれとも一致しない場合に一致

      すべて

      BEGIN

      1以上

      属性値がオペランドのどれかで始まる場合に一致

      SEVERITY以外

      INCLUDE

      1以上

      属性値にオペランドのどれかが含まれる場合に一致

      SEVERITY以外

      EXCLUDE

      1以上

      属性値にオペランドのどれも含まない場合に一致

      SEVERITY以外

  • 指定例

    MESSAGE_ID EQU 0001
    OR
    MESSAGE_ID EQU 0003

    「フィルタ」欄で上記のように指定した場合,メッセージIDが0001または0003のログメッセージがユーザJP1イベントとして発行されます。