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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編


7.5.1 性能解析トレースを使用するための設定

性能解析トレースを使用する場合,次の設定が必要です。

注意事項

AIXの場合は,環境変数の設定には次の点に注意してください。

  • Performance Tracerの実行環境では,環境変数PSALLOCに「early」を設定してください。設定しない場合にメモリ不足が発生すると,正しい動作が保証できません。

  • AIXの早期ページングスペース割り当てを指定する,環境変数PSALLOCに「early」を指定しています。早期ページングスペース割り当てでは,ページングスペース見積もり上の考慮事項があります。詳細は,AIXのマニュアルの「システム・マネージメント・コンセプト:オペレーティング・システムおよびデバイス」を参照してください。

  • Performance Tracerの実行環境では,環境変数NODISCLAIMに「true」を設定してください。環境変数PSALLOCに「early」を設定した場合,環境変数NODISCLAIMに「true」を設定しないと,レスポンス,スループットおよびCPU利用率が極端に低下することがあります。

  • Performance Tracerで使用するユーザデータ領域と共用メモリ領域を拡張するため,環境変数LDR_CNTRLに「MAXDATA=0x40000000」を設定してください。割り当てるメモリの値を1ギガバイトにしてください。

  • Performance Tracerの実行環境では,環境変数EXTSHMに「ON」を設定してください。設定しない場合,共有メモリが参照できなくなることがあります。

〈この項の構成〉

(1) Management Serverの設定

Management Serverの設定は,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)で実施します。指定するパラメタを次に示します。

mserver.propertiesおよびキーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.6 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。なお,性能解析トレースファイルについては,「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

(2) パフォーマンストレーサの設定

パフォーマンストレーサ(PRFデーモン)の設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。性能解析トレースの定義は,簡易構築定義ファイルの論理パフォーマンストレーサ(performance-tracer)の<configuration>タグ内に指定します。

簡易構築定義ファイルでの性能解析トレースの定義について次の表に示します。

表7‒6 簡易構築定義ファイルでの性能解析トレースの定義

指定するパラメタ

設定内容

PrfTraceLevel

アプリケーションサーバの各機能(Webサーバ,J2EEサーバ,CTMなどの機能レイヤ)がバッファに出力する,パフォーマンストレーサのトレース取得レベルを指定します。

PrfTraceCount

パフォーマンストレーサのPRFトレースファイルの面数を指定します。

PrfTraceFileSize

パフォーマンストレーサのファイルサイズを指定します。PrfTraceFileSize≧PrfTraceBufferSizeの関係が成り立つ値を設定してください。

PrfTraceBufferSize

パフォーマンストレーサのバッファサイズを指定します。PrfTraceFileSize≧PrfTraceBufferSizeの関係が成り立つ値を設定してください。

注 簡易構築定義ファイルおよび指定する各パラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.3 簡易構築定義ファイル」を参照してください。