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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編


6.4.1 構築時のトラブルシュート

ここでは,構築時に発生するトラブルの対処について説明します。

構築時とは,次に示すタイミングを指します。

構築時の調査の流れを示します。

図6‒2 使用しているツールごとの調査の流れ(構築時)

[図データ]

使用しているツールごとに,図で示した流れに従って,必要な調査を実施します。以降の説明では,それぞれの調査の詳細について説明します。

参考

Managerログの調査では,運用管理ポータルを利用します。運用管理ポータルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) コマンドエラーの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

  • SmartComposer

セットアップウィザードやSmartComposerの画面にエラーが表示されます。表示されたエラーの内容を確認して対処します。エラーメッセージの対処については,マニュアル「アプリケーションサーバ メッセージ(構築/運用/開発用)」を参照してください。

(2) セットアップウィザードログの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

セットアップウィザードのログを確認します。セットアップウィザードのログの出力先は,setup.cfgのsetup.log.dirで指定した出力先です。setup.cfgについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.18 setup.cfg(セットアップウィザード用設定ファイル)」を参照してください。

(3) ログの表示,およびManagerログの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

  • 運用管理ポータル

  • SmartComposer

運用管理ポータルを使って,Managerで出力されたログを確認します。ログの表示方法を次に示します。

  1. 運用管理ポータルで[論理サーバのアプリケーション管理]アンカーをクリックします。

    ツリーペインで次のどちらかの操作をします。

    J2EEサーバの場合

    [論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバ]−[<J2EEサーバ名>]−[アプリケーション]をクリックします。

    J2EEサーバクラスタの場合

    [論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバクラスタ]−[<J2EEサーバクラスタ名>]−[アプリケーション]をクリックします。または,[論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバクラスタ]−[<J2EEサーバクラスタ名>]−[メンバ]−[<J2EEサーバ名>]−[アプリケーション]をクリックします。

  2. [ログの表示]タブをクリックします。

運用管理ポータルの画面でログを表示した場合の画面を次に示します。

図6‒3 運用管理ポータルの画面でログを表示した場合の出力例

[図データ]

[ログの表示]タブでログを表示させたあと,システムの障害が判明したタイミングに近い時刻に出力されたメッセージを探します。そして,エラーメッセージ(メッセージIDがEで終わっているもの)を特定し,障害が発生した論理サーバの種類と名前を確認してください。

(4) adminログの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • 運用管理ポータル

なお,この調査はアプリケーションの開始時にエラーが発生した場合に必要な調査です。

サーバ管理コマンドのログを確認します。

サーバ管理コマンドのログには,メッセージログ,例外ログ,および保守用ログの3種類があります。これらのログには,サーバ管理コマンドの稼働状態,アプリケーション中で出力される標準出力,および標準エラー出力の情報,保守員がComponent Containerの障害解析用に使用する情報などが出力されます。

ログファイルのデフォルトの出力先や,ログファイル名については,「4.3.1 Component Containerのログの取得」のサーバ管理コマンドのログに関する説明を参照してください。

(5) J2EEサーバログの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

  • 運用管理ポータル

  • SmartComposer

J2EEサーバで出力されたログファイルの内容を確認します。確認するログファイルの一覧を次に示します。

表6‒9 採取するログファイルの一覧

ログファイル名

ログの説明

確認方法

cjmessage?.log

J2EEサーバ稼働時のログ

Managerでエラーメッセージが出力された時刻のエラーメッセージID(メッセージ種別がEのもの)の内容を確認します。

cjexception?.log

J2EEサーバ稼働時の例外情報ログ

web_servlet?.log

Webサーブレットログ(JSP/Servletでのメッセージの出力)

user_out?.log

ユーザ出力ログ(アプリケーションでのメッセージの標準出力)

user_err?.log

ユーザエラーログ(アプリケーションでのメッセージの標準エラー出力)

javalog?.log

JavaVMの保守情報およびGC情報のログ

hs_err?

JavaVMのエラーリポートファイル

保守員に送付してください。

注※ 「?」はログの面数を示します。

なお,ログファイルのデフォルトの出力先については,「4.3.1 Component Containerのログの取得」を参照してください。

hs_errの取得方法については,「4.11 JavaVM出力メッセージログ(標準出力またはエラーリポートファイル)」を参照してください。

(6) Webサーバログの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

  • 運用管理ポータル

  • SmartComposer

Webサーバで出力されたログファイルを確認します。確認するログファイルの一覧を次に示します。

表6‒10 採取するログファイルの一覧

ログファイル名

ログの説明

確認方法

processConsole?.log

Managerのコンソールログ(Webサーバ起動時のエラー情報)

Managerでエラーメッセージが出力された時刻のエラーメッセージID(メッセージ種別がEのもの)の内容を確認します。

error?

Webサーバのエラーログ

Managerでエラーメッセージが出力された時刻のエラーメッセージ(「emerg」,「alert」,「crit」のもの)の内容を確認します。

注※ 「?」はログの面数を示します。

なお,Managerのコンソールログのデフォルトの出力先については,「4.11 JavaVM出力メッセージログ(標準出力またはエラーリポートファイル)」を参照してください。

Webサーバのエラーログのデフォルトの出力先については,マニュアル「HTTP Server」の「6.2.4 E,F,G,H,Iで始まるディレクティブ」を参照してください。

(7) OS周りの調査

ポイント

次のツールを使用している場合に必要な調査です。

  • セットアップウィザード

  • 運用管理ポータル

  • SmartComposer

アプリケーションサーバをインストールしているマシンのメモリサイズや稼働状態を確認してください。