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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編


3.2.1 リクエストをスケジューリングする目的

規模の大きい業務システムでは,特定のJ2EEアプリケーションを実行しているJ2EEサーバに大量のリクエストが集中することがあります。それぞれのサーバの負荷を抑え,可用性を確保して業務を滞りなく進めるためには,リクエストの送り先を分散したり,一定時間内のリクエストの流量を制御したりすることが必要です。また,複数のJ2EEサーバで処理を分散する場合に,リクエストが送信された時点で負荷が最も掛かっていないJ2EEサーバに処理させることができれば,システム全体の処理性能を向上させられます。

これらを実現するのが,リクエストのスケジューリングです。これによって,それぞれのJ2EEサーバが持つ性能を十分に活用しながら,安定して稼働するシステムを構築できます。また,リクエストをスケジューリングすることで,特定のJ2EEサーバ,J2EEアプリケーションまたは業務処理プログラム(Enterprise Bean)にトラブルが発生した場合にも,該当する範囲だけを閉塞して縮退運転できるので,システム全体の可用性を高められます。

アプリケーションサーバでは,リクエストをスケジューリングすることで,次の6種類の機能を実現できます。