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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


4.2 TP1インバウンド連携機能の概要

TP1インバウンド連携機能は,OpenTP1システム上で動作するユーザアプリケーションプログラムから,アプリケーションサーバ上で動作するJ2EEアプリケーションを業務として呼び出すための機能です。この機能によって,OpenTP1を使用したレガシーシステムを運用している場合に,新たに追加する業務をJ2EEアプリケーションとして実装して,既存のシステムに組み込んで使用できます。また,OpenTP1システム上で動作するユーザアプリケーションプログラムで開始されたトランザクションに,アプリケーションサーバのMessage-driven Bean(CMT)で実行する処理を参加させられます。

TP1インバウンド連携機能では,OpenTP1のユーザアプリケーションプログラムからの呼び出しをアプリケーションサーバ上で動作するTP1インバウンドアダプタで受け付け,J2EEサーバ上のMessage-driven Beanで業務処理を実行します。TP1インバウンドアダプタは,Connector 1.5仕様に準拠したリソースアダプタです。

トランザクション連携機能を使用する場合のTP1インバウンド連携機能の概要について示します。

なお,TP1インバウンド連携機能は,ユーザアプリケーションプログラムのうちSUP,SPP,およびMHPからの呼び出しが可能ですが,このマニュアルでは,SUPからの呼び出しを例に説明します。

図4‒1 TP1インバウンド連携機能の概要

[図データ]

TP1インバウンド連携機能を使用する場合,クライアントとなるSUPからは,OpenTP1システムのSPPを呼び出す場合と同様の手順でアプリケーションサーバ上の業務を呼び出します。また,SPPの呼び出し時と同様にデータをやり取りできます。

さらに,トランザクション連携機能を使用することで,SUPからのリソース更新と,Message-driven Beanからのリソース更新を同期できます。

TP1インバウンドアダプタは,SPPと同様の手順での業務の呼び出しを実現するために,次の4種類の機能を備えています。

ただし,TP1インバウンドアダプタでは,OpenTP1のネームサービスの代替機能は提供しません。このため,TP1インバウンドアダプタを使用するためには,クライアントとなるOpenTP1側でユーザサービスネットワーク定義によるスケジューラダイレクト機能を利用する必要があります。