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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)


2.20.1 Webアプリケーションのバージョン設定機能の概要

アプリケーションサーバでは,Webアプリケーションの実行時に,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンに準拠して,ServletやJSPが実行されます。

Webアプリケーションのバージョン設定機能は,Webアプリケーション実行時のバージョンを指定するための機能です。この機能を使用すると,web.xmlで定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更しないで,設定したバージョンに準拠してWebアプリケーションを実行できます。

Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用する場合と使用しない場合では,次の違いがあります。

Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用する場合

旧バージョンで作成したWebアプリケーションの実行時に,新バージョンに準拠してServletやJSPを実行させるために,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更する必要はありません。

実行したいWebアプリケーションのバージョンを設定すれば,web.xmlを変更したときと同様に,JSPコンパイルでの文法チェックおよびサーブレットAPIの動作が変更されます。ただし,web.xmlに定義が必要な機能は使用できません。

Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用しない場合

旧バージョンで作成したWebアプリケーションの実行時に,新バージョンに準拠してServletやJSPを実行させるためには,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更する必要があります。

web.xmlで定義されているWebアプリケーションのバージョンごとに,Webアプリケーションのバージョン設定機能で設定したバージョンによる動作の違いを次に示します。

表2‒60 Webアプリケーションのバージョン設定機能で設定したバージョンによる動作の違い

web.xmlで

定義されている

バージョン

Webアプリケーションのバージョン設定機能で

設定したバージョン

指定なし

2.4

2.5

2.2

2.3として動作する※1

2.4として動作する

2.5として動作する

2.3

2.3として動作する

2.4

2.4として動作する

2.5

2.5として動作する

2.5※2として動作する

注※1 web.xmlで定義されているバージョンが2.2の場合,Webアプリケーションのバージョン設定機能で何も設定しないときは,2.3のWebアプリケーションとして動作します。

注※2 web.xmlで定義されているバージョンが2.5の場合,Webアプリケーションのバージョン設定機能で2.4を設定しても,2.5のWebアプリケーションとして動作します。

注意事項

Webアプリケーションのバージョン設定機能は,旧バージョンのアプリケーションの移行などを支援するための機能です。新規にアプリケーションを開発する場合に使用することは推奨しません。

新規にアプリケーションを開発する場合は,正しいバージョンのweb.xmlを指定してください。